発表年:1994年
ez的ジャンル:本格志向女性R&Bグループ
気分は... :この安定感!
今回は90年代に活躍した女性R&BグループJadeの2ndスタジオ・アルバム『Mind, Body & Song』(1994年)です。
Jadeはシカゴ出身のJoi Marshall、Tonya Kelly、ヒューストン出身Di ReedによりL.A.で結成された女性R&Bグループ。
1992年にリリースしたデビュー・アルバム『Jade to the Max』からは「I Wanna Love You」(全米チャート第16位、同R&Bチャート第7位)、「Don't Walk Away」(全米チャート第4位、同R&Bチャート第2位)、「One Woman」(全米チャート第22位、同R&Bチャート第16位)といったヒットが生まれ、アルバムもプラチナ・ディスクを獲得しました。
1993年にはライブ・アルバム『BET's Listening Party』をリリースすると同時に、レーベル・メイトの男性R&BグループP.O.V.の当ブログでも紹介したアルバム『Handin' Out Beatdowns』に参加し、シングル曲「All Thru The Night」で共演しています。
1994年には映画『The Inkwell』に出演し、同サントラにも彼女達の曲が2曲収録されました。同じ1994年には2ndスタジオ・アルバム『Mind, Body & Song』をリリースし、ゴールド・ディスクを獲得しています。
その後、1997年に映画『The 6th Man』のサントラにも収録された「Keep On Risin'」をシングル・リリースしています。
今日紹介するスタジオ2作目『Mind, Body & Song』(1994年)は、ゴールド・ディスクを獲得したものの、派手なチャート・アクションがあった訳ではなく、どちらかといえば商業的失敗作と見られていたアルバムであったと思います。それでも捨て難い魅力があるのは、聴いていて安心する彼女たちのヴォーカルの安定感にあると思います。
僕が保有するのは国内盤ですが、USオリジナル盤とは曲数、曲順が異なっています。国内盤にはUS盤14曲に、前述の『The Inkwell』サントラに収録された「Let's Get It On」(Marvin Gayeの名曲カヴァー)、「5-4-3-2 (Yo! Time Is Up)」のリミックスが追加収録されています。
「5-4-3-2 (Yo! Time Is Up)」、「Every Day Of The Week」といったキャッチーなシングル曲もいいですが、僕のオススメは「Hangin'」、「What's Goin' On」、「Do You Want Me」、「If The Lovin' Ain't Good」、「Everything」あたりです。
90年代女性R&Bグループ好きはぜひチェックして欲しい本格志向のグループです。
全曲紹介しときやす。
「When Will I See You Again (Intro)」
Jadeプロデュース。ア・カペラによるアルバムのイントロ。見事なコーラスワークを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hEXdw0ymK5k
「Every Day Of The Week」
Cassandra Mills/Robert Jeraldプロデュース。アルバムからの2ndシングル。James Brown「Take Some...Leave Some」のファンキー・ギターとLafayette Afro Rock Band「Hihache」のドラムをサンプリングしたノリの良いダンサブルなミディアム・グルーヴ。Finnebassen「Monday」のサンプリング・ソースになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SNmGFx0c-ck
「Hangin'」
Reginald Heardプロデュース。90年代らしい腰にくるグルーヴ感にグッとくるダンサブル・チューン。僕はかなり好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=tmu6eD2vZag
「What's Goin' On」
Captain Curtプロデュース。Marvin Gayeの名曲カヴァーと思いきや同名異曲です。切ないメロディの美メロ・ミディアムには90年代女性R&Bグループらしい胸キュンな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=QHlqWZ4N328
「5-4-3-2 (Yo! Time Is Up)」
Mark C. Rooney/Mark Moralesプロデュース。アルバムからの1stシングル。Heatwave「Boogie Nights」をサンプリングしたキャッチーなミディアム・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=yU5uQbFvuNo
「I Like The Way」
Mark C. Rooney/Mark Moralesプロデュース。切ないヴォーカルがたまらないセクシーな哀愁グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=Mvq6TkU7qRk
「Do You Want Me」
Paisleyプロデュース。妖艶な魅力で迫るミディアム・スロウ。ヴォーカルに安定感があるので、こういう曲で輝きますね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZVzdHvYNoV8
「If The Mood Is Right」
Dave "Jam" Hallプロデュース。Gordon Chambersがソングライティングで参加しています。ムーディーなミディアム・スロウをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=DQox04FJBj0
「Bedroom」
Donald Parks/Emanuel Officer/John Howcottプロデュース。Kut KloseのTabitha Duncanがソングライティングで参加しています。タイトルの通り、ベッドルーム・モードの艶めかしいスロウです。
https://www.youtube.com/watch?v=AsyqT8RtEm8
「If The Lovin' Ain't Good」
Dave "Jam" Hallプロデュース。Donell Jonesがソングライティングで参加しています。切ないラブソングを切々と歌い上げる胸が締めつけられるミディアム・スロウ。派手さはありませんが、僕はこういう曲にKOされやすいんですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=oNd_xEYEwDE
「Let's Get It On」
前述のように『The Inkwell』(1994年)のサントラ収録のMarvin Gaye名曲カヴァー。小細工なしの素直なカヴァーですが、逆に彼女たちのヴォーカル・グループとしての魅力を実感できます。
http://eastzono.seesaa.net/article/129853000.html?1423403455
「It's On」
DJ Pooh/Rashad Coesプロデュース。Little Richard「The Rill Thing」をサンプリングしたドラム・ループが妖艶なムードを醸し出す、セクシー・グルーヴに悩殺されてしまいます
https://www.youtube.com/watch?v=QtLeAs1UN78
「There's Not A Man」
DJ Pooh/Rashad Coesプロデュース。素晴らしいコーラスワークと共に始まるダンサブルなミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=_IsklYh3-v4
「Everything」
Emanuel Deanプロデュース。素敵なメロディを素晴らしいヴォーカルで聴かせるというシンプルさが成功しています。
https://www.youtube.com/watch?v=96pWZlx71ok
「Mind, Body & Song」
Jadeプロデュース。タイトル曲は本編を締め括るエンディング・テーマのような小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=AZ9KLocHai0
「5-4-3-2 (Yo' Time Is Up!) (JD's Basement Mix)」
「5-4-3-2 (Yo! Time Is Up)」のリミックス。Hip-Hopテイストのリミックスはオリジナルとは別の魅力があります。
ご興味がある方は、Jadeの他作品もチェックを!
『Jade to the Max』(1992年)
『BET's Listening Party』(1993年)