2015年02月11日

Terra Trio『Terra A Vista』

個性派ジャズ・サンバ・トリオ、唯一のアルバム☆Terra Trio『Terra A Vista』
TERRA A VISTA テーハ・ア・ヴィスタ
発表年:1969年
ez的ジャンル:個性派ジャズ・サンバ・トリオ
気分は... :のんびり・・・

今日はのんびり過ごすと決め込み、更新も遅めです。

今回はブラジルの60年代ジャズ・サンバ作品からTerra Trio『Terra A Vista』(1969年)です。

Terra Trioは、1966年に結成されたZe Maria Rocha(b、vo)、Fernando Costa(p、vo)、Ricardo Costa(ds、vo)の3人によるピアノ・トリオ。メンバー全員がヴォーカルをとるコーラスワークもグループの魅力です。

グループはMaria Bethaniaのバックやを務めたり、Nara Leao作品のレコーディングにも参加しています。

そんなTerra Trio唯一のアルバムが本作『Terra A Vista』(1969年)です。プロデュースはNara LeaoSidney Miller

ファルセットのコーラスワークと小粋なアンサンブルに、Sidney Millerのセンスも加わった、なかなか個性的なジャズ・サンバ作品に仕上がっています。わりと年代の古い楽曲を多く取り上げているのも特徴かもしれません。

初心者向けの作品ではないかもしれませんが、他の作品にはない味わいに魅了される1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Nega Manhosa」
Herivelto Martins作。目覚まし時計の音色と共にスタートするピアノ・トリオらしい小粋なオープニング。冒頭にはNara Leaoの声も聴こえてきます。

「A Sobrinha da Judite」
Jimmy McHugh/Dorothy Fields作のポピュラー・スタンダード「On the Sunny Side of the Street」をAloysio de Oliveiraがポルトガル語に訳したもの。彼らのコーラスワークとSidneyのセンスがマッチした好カヴァーに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=cnPFFJlEidw

「Recado」
Paulinho da Viola/Casquinha作。Nara Leaoも『Nara Pede Passagem』(1966年)で歌っていた楽曲です。ここでは美しいスロウ・テンポで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LHJDNPiyS_E

「Ave Maria」
Caetano Veloso作。Joyceもデビュー作『Joyce』(1968年)で歌っていましたね。さり気ないですが、素敵なコーラスワークが光ります。

「Duvi-D-O-Do」
Benedito Lacerda/Joao Barcellos作。Fernandoの小粋なピアノを強調した雰囲気のアレンジがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XbTBybEOgic

「Passa Passa Gaviao」
Sidney Miller作。当ブログでは『Vento De Maio』(1967年)収録のNara Leaoヴァージョンも紹介済みです。アヴァンギャルドなイントロに続き、緩急をつけたコーラスワークで聴かせるユニークな仕上がり。

「Ze da Tuba」
Herman Hupfeld作ポピュラー・スタンダード「When Yuba Plays The Rhumba On The Tuba」をAloysio de Oliveiraがポルトガル語に訳したもの。何処となくユーモラスのある雰囲気が印象的です。

「Era de Madrugada」
Paquito作。メロウかつエレガントな雰囲気がいいですね。

「Deus Vos Salve Esta Casa Santa」
Caetano Veloso/Torquato Neto作。Nara Leaoも『Nara Leao』(1968年)でカヴァーしていました。素敵なハーモニーと何処となく寂しげな雰囲気がいいですね。

「Odeon」
Ernesto Nazareth作。この曲もNara Leaoが『Nara Leao』(1968年)でカヴァーしていました。ここではインストで聴かせてくれます。。

「Faustina」
Gade作。Nara Leaoも加わった寸劇風の仕上がりです。

「Pra Que Mentir」
Vadico/Noel Rosa作。Maria Bethaniaも『Maria Bethania Canta Noel Rosa』(1965年)でカヴァーしていました。哀愁のメロディをしっとりと歌い上げます。

ご興味がある方はTerra Trioが全面バックを務めたMaria Bethaniaのライブ・アルバム『Recital Na Boite Barroco』(1968年)

Maria Bethania『Recital Na Boite Barroco』(1968年)
Recital Na Boite Barroco
posted by ez at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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