2015年02月15日

Beat Spacek『Modern Streets』

"ソウル界のRadiohead"と呼ばれたSteve Spacekの最新プロジェクト☆Beat Spacek『Modern Streets』
Modern Streets [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN206)
発表年:2015年
ez的ジャンル:UKベース・ミュージック系フューチャー・ソウル
気分は... :実は衝撃作です!

今回は新作アルバムから、"ソウル界のRadiohead"と呼ばれたSteve Spacekの最新フューチャー・ソウル・プロジェクトBeat Spacekの初アルバム『Modern Streets』です。

Steve Spacek(本名:Steve White)はサウスロンドン生まれの男性シンガー/プロデューサー。彼の弟はドラムンベースの人気アーティストDBridgeです。

Steve Spacek(b、vo)は、90年半ばにEdmund Cavill(g)、Morgan Zarate(ds)とSpacekを結成し、1999年にデビュー・シングル「Eve」をリリースし、同曲は故J Dillaもリミックスを手掛け、SpacekはJ Dillaのイチオシ・アーティストとなりました。

その後もSpacekは、『Curvatia』(2001年)、『Vintage Hi・Tech』(2003年)という2枚のアルバムをリリースし、"ソウル界のRadiohead"と称されるなどUKソウル界に大きなインパクトを与えました。

そして、ソロとして活動するようになったSteve SpacekはL.A.に拠点を移し、初ソロ・アルバム『Space Shift』(2005年)をリリース。同作にはJ DillaLeon Wareも参加し、話題となりました。同じ頃、当ブログでも紹介したSa-Ra『Second Time Around』(2005年)でもSteve Spacekがフィーチャーされています。

また、SupadreadBlack Pocket名義でも作品をリリースし、Mr. French(Mathieu Schreyer)とのユニットSteve&I、オーストラリア出身のMark PritchardとのユニットAfrica HiTech、同じくオーストラリア出身のプロデューサーKatalyst(Ashley Anderson)とのユニットSpace Invadas、当ブログでも紹介したニュージーランドのフューチャー・ソウル・ユニットElectric Wire HustleのメンバーTaay NinhとのユニットCloud Selection等多数のユニットにも参加しています。

とにかく、様々な名義で様々な顔を持つアーティストですが、そんな彼の最新プロジェクトがBeat Spacekです。2013年のシングル「Alone In Da Sun」に続き、Beat Spacekの全貌を見せたのが本作『Modern Streets』です。Ninja Tuneからのリリースとなります。

セクシーな男性シンガーであると同時に、優れたトラックメイカーでもある彼が全曲セルフ・プロデュースし、ヴォーカルも全て一人でこなしており、Steve Spacekの個性や現在の彼の嗜好がストレートに反映されたアルバムになっています。

僕が本作を最初に聴いた印象は、UKベース・ミュージック経由のミニマル感覚のフューチャー・ソウルといった感じですかね。サウンド自体はミニマルで無機質なのに、フューチャー・ソウル的な味わいがあるのは、Steve Spacekのセクシー・ヴォーカルの力かもしれません。

あとはミニマルながらもポップなサウンドは、僕のような70年代後半〜80年代前半のニューウェイヴ/エレポップを聴いてきた世代にとっては、時代が一回りして案外フィットするのが面白かったですね。

意外に注目度が低いようですが、かなりの衝撃作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Wanna Know」
デジタル・ダンスホール調の妖しげなダンス・チューンでアルバムは幕を開けます。元々レゲエ、ダブからの影響が強い人だけに、らしいと言えばらしいのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=4iTgXjZ6kfE

「Tonight」
アフリカ〜カリビアン・リズムのエッセンスを巧みに取り込んだトライバルかつフューチャリスティックな仕上がり。そんな中でも官能ヴォーカルでしっかりソウルしているところがこの人の魅力かも?
https://www.youtube.com/watch?v=UPnYaiudfo0

「Inflight Wave」
スペイシーなエレクトロ感で疾走するキャッチーなフューチャー・ソウル。チープなデジタル感を逆手にとった感覚がサイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=g4qOtrAZzN0

「Modern Streets」
本作らしいミニマル感のサウンドが印象的なタイトル曲。前述のようにのニューウェイヴ/エレポップを聴いてきた世代には、時代が一回りしていい感じです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=gC3QaT-braI

「I Want You」
UKベース・ミュージックのミニマル・サウンドをポップに昇華させています。この曲もニューウェイヴ/エレポップ好きの人には案外フィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=7fE-6CFfqv4

「Gotta Get Some Music」
子供の声と共に始まるベース・ミュージックらしいアブストラクトな仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=L-Gou2TCMlE

「If You Are My Chalice」
ベース・ミュージックとUKソウルがセクシーに融合したSteve Spacekならではの仕上がり。僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=73UJcU0sep4

「There Is A Love」
摩訶不思議な無機質サウンドをバックに、Steve Spacekがオリエンタル調の摩訶不思議なヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QDWAsoWmpKw

「Stand Firm」
無機質なミニマル・サウンドをSteve Spacekの歌で官能的に聴かせてしまうところが、彼の存在感の凄さかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=w8lIypREsHE

「Compact N Sleep」
これは美しいエレクトロ・サウンドをバックにしたキャッチーなフューチャー・ソウル。Steve Spacekのファルセット・ヴォーカルが聴く者を包み込みます。
https://www.youtube.com/watch?v=MhW6w5I6UhU

「Back To School」
ダークなデジタル感で疾走します。Steve Spacekのヴォーカルも低音で不穏な雰囲気を煽ります。
https://www.youtube.com/watch?v=62tpLnoWLZQ

「You're The Only One」
何処となく切ない雰囲気にグッとくるミニマル・エレクトリック・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=DaVIaDUO3p4

「Alone In Da Sun」
ラストはBeat Spacek名義の初シングルとなった楽曲で締め括ってくれます。ある意味、Beat Spacekというプロジェクトの意図が最も凝縮されているミニマルなフューチャー・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=YZlKhsSY3Xk

ご興味がある方は、他のSteve Spacek関連作品もチェックを!

Spacek『Curvatia』(2001年)
Curvatia

Spacek『Vintage Hi・Tech』(2003年)
Vintage Hi-Tech

Steve Spacek『Space Shift』(2005年)
Space Shift

Black Pocket『Steve Spacek Presents Black Pocket The Album』(2010年)
Black Pocket the Album

Space Invadas『Soul:Fi』(2010年)
SOUL:FI

Africa HiTech『93 Million Miles』(2011年)
93 Million Miles [ボーナストラック収録・解説付・国内盤] (BRC294)
posted by ez at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック