発表年:1973年
ez的ジャンル:ファンキー・ジャズ伝道師
気分は... :まさかの・・・
今回はジャズ・ジャイアントの一人Horace Silverが1973年にリリースした『In Pursuit Of The 27th Man』です。
ファンキー・ジャズの伝道師として名高いジャズ・ピアニストHorace Silverについて、当ブログでこれまで紹介した作品は以下の4枚。
『Song For My Father』(1964年)
『The Cape Verdean Blues』(1965年)
『The Jody Grind』(1966年)
『Total Response (The United States Of Mind/Phase 2)』(1971年)
本作『In Pursuit Of The 27th Man』(1973年)のレコーディング・メンバーはHorace Silver(p)、Bob Cranshaw(el-b)、Mickey Roker(ds)、David Friedman(vibe)、Randy Brecker(tp、flh)、Michael Brecker(ts)という布陣です。Brecker兄弟が加わったクインテット編成のセッションとDavid Friedmanカルテット編成のセッションに分かれます。
当時、新進気鋭ミュージシャンであったBrecker兄弟の参加が目を引きますが、Horace Silverがヴィヴラフォン奏者を迎えて、レコーディングしている点にも注目です。また、自身のオリジナル以外にWeldon Irvine、Moacir Santosの楽曲をカヴァーしている点も興味深いですね。
アルバム全体としては、ラテン/ボッサ・タッチの演奏が多いのが僕好みです。また、若き日のBrecker兄弟のプレイとDavid Friedmanのメランコリックなヴァイヴでメリハリが効いているのもいいですね。
個人的には「In Pursuit Of The 27th Man」、「Gregory Is Here」、「Liberated Brother」の3曲がオススメ!また、「Liberated Brother」、「Kathy」は作者ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいと思います。
ジャケのように、ファンキー・ジャズの伝道師として走り続けるHorace Silverの意気込みが伝わってくる充実作です。
全曲紹介しときやす。
「Liberated Brother」
Weldon Irvine作。オリジナルは『Liberated Brother』(1972年)に収録されています。当ブログではBlack Sugarのカヴァーも紹介済みです。ラテン・フレイヴァーを取り入れた僕好みの演奏です。ファンキーながらもエレガントなHoraceのピアノがいいですね。Brecker兄弟のソロも軽やかです。
https://www.youtube.com/watch?v=w8tS9jbKYnQ
「Kathy」
Moacir Santos/Ray Evans/Jay Livingston作。各種コンピでも人気の作者Moacir Santosのヴァージョンは『Saudade』(1974年)に収録されています。本ヴァージョンはDavid Friedmanの哀愁ヴァイヴが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=9rDROZr2iLc
「Gregory Is Here」
Horace Silver作。タイトル曲と並ぶ僕のお気に入り。ボッサ/ラテン調のビートにのって小粋に疾走します。HoraceとBrecker兄弟のアンサンブルがいい感じです。Brecker兄弟の快調なプレイがいいですな。
https://www.youtube.com/watch?v=yttc-i_vA8I
「Summer In Central Park」
Horace Silver作。David Friedmanのメロウ・ヴァイヴが優しく響く、穏やかな演奏です。ホッと一息つける感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PZHViGDdgRs
「Nothin' Can Stop Me Now」
Horace Silver作。ファンキーかつユーモラスな雰囲気の演奏でリラックスさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0Q2OgayU-dE
「In Pursuit Of The 27th Man」
Horace Silver作。タイトル曲はラテン・タッチかつモーダルに疾走します。Bob Cranshawのベースに先導されるHoraceのピアノとDavid Friedmanのヴァイヴが実にスリリングで格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-NMNHBy9NYE
「Strange Vibes」
Horace Silver作。ラストはシブい演奏ですが、なかなか芳醇な味わいです。ここでもDavid Friedmanのヴァイヴの響きが
https://www.youtube.com/watch?v=yttc-i_vA8I
Horace Silverの過去記事もご参照ください。
『Song For My Father』(1964年)
『The Cape Verdean Blues』(1965年)
『The Jody Grind』(1966年)
『Total Response (The United States Of Mind/Phase 2)』(1971年)