発表年:1993年
ez的ジャンル:ゲットー・アン・ヴォーグ系女性R&Bグループ
気分は... :ジャケはやってしまっていますが・・・
今回は90年代女性R&Bグループの作品からXscape『Hummin' Comin' At 'Cha』(1993年)です。
アトランタのジュニア・ハイスクールの同級生だったKandi Burruss、Tameka "Tiny" Cottle、Latocha Scott、Tamika Scottの4人が結成したグループXscapeの紹介は、2ndアルバム『Off The Hook』(1995年)に続き、2回目となります。
90年代をリアルタイムで体験した人であれば、女性R&Bグループの定番作品としてお馴染みの1枚ですね。
人気プロデューサーJermaine Dupriに見出され、DupriのレーベルSo So Defからリリースされたデビュー・アルバムが本作『Hummin' Comin' at 'Cha』です。“the Ghetto En Vogue”というコンセプトの下、アルバムからは「Just Kickin' It」、「Understanding」というヒット・シングルが生まれました。
当時の女性R&Bグループでいえば、En Vogue、TLC、SWVがトップ3で、Xscapeはそれに続く4番手グループあたりの位置づけだったと思います。
この1stアルバムではルックス面で損していた気がします。また、その垢抜けないルックスを強調するかのようなジャケもあきまへんな。その反省なのか、次作『Off The Hook』のジャケでは大きくイメチェンしていますが(笑)
そんなジャケ・イメージのせいか、垢抜けないルックスを補う実力派のヒップ・ホップ・ソウル作品というのが本作に対する印象でしたが、久々に聴いてみて、アップからスロウ〜ミディアムまで90年代女性R&Bグループの魅力がコンパクトに詰まった1枚に感心してしまいました。流行りのヒップ・ホップ・ソウルでありながら、ゴスペル・タッチのエッセンスもうまく織り交ぜているあたりが心憎いですね。
プロデュースはJermaine DupriとManuel Seal, Jr.の2人。さらにOrganized Noizeが2曲プロデュースしています。
「Just Kickin' It」、「Understanding」といった2大ヒットがハイライトですが、「With You」、「Pumpin'」あたりもオススメです。
90年代女性R&Bグループの定番アルバムとして、ぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Just Kickin' It」
彼女たちの1stシングルであり、全米チャート第2位、同R&Bチャート第1位となった大ヒット・シングル。Kurtis Blow「AJ Scratch」のフレーズをうまく引用したレイドバック感覚のヒップ・ホップ・ソウルに仕上がっています。Howard Hewett「Show Me」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=eUHmK0TU4FQ
本曲はDa Brat「Give It 2 You」、Brent Jones & the T.P. Mobb「Goodtime」のサンプリング・ソースとなっています。
Brent Jones & the T.P. Mobb「Goodtime」
https://www.youtube.com/watch?v=RwkIVKmBb5Q
「Pumpin'」
Dionne Farris(Arrested Development)がバック・ヴォーカルで参加し、 Jermaine Dupriもラップしているシングル向きのファンキーなアップ・チューン(シングルにはなりませんでしたが・・・)。
https://www.youtube.com/watch?v=17JYnjrkhAw
「Let Me Know」
彼女たちのコーラスワークの魅力を堪能できるヒップ・ホップ・ソウル。ゴスペル・タッチのアクセントがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IZkU9iqE86g
「Understanding」
アルバムからの2ndシングル。全米チャート第2位、同R&Bチャート第1位となり、「Just Kickin' It」に続く大ヒットとなりました。感動的なミディアム・スロウにグループの確かな実力を感じます。長く聴き継がれるべき名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=HR5J5jUDcnA
Zed Zilla「Understanding」のサンプリング・ソースとなっています。
Zed Zilla「Understanding」
https://www.youtube.com/watch?v=WRO120-a5Lw
「W.S.S Deez Nuts」
Jermaine Dupriによるインタールード。
「With You」
Organized Noizeプロデュース。個人的には「Understanding」と並ぶお気に入り。抑えつつもキャッチーなヒップ・ホップ・ソウルという点が気に入っています。Organized Noizeの素晴らしい仕事ぶりが光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=Aeqcdxw9dEw
「Is My Living In Vain」
The Clark Sisters、1980年のゴスペル・ヒットをカヴァー。こうしたゴスペル・ヒットをカヴァー・セレクトするあたりに、単なる流行りの女性R&Bグループではなく、本格的グループであることを知らしめたいというJermaine Dupriの意図が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=cTt58tLhLyY
「Love On My Mind」
この曲もシングルになりました。Otis Redding「Hard to Handle」をサンプリングした重量感のあるダンサブル・サウンドに合わせて、雰囲気のあるヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=yCfSPt4RkDE
「Tonight」
Organized Noizeプロデュースの2曲目。この曲もシングルになりました。素敵なア・カペラ・コーラスを堪能できる絶品バラード。彼女たちのコーラス・グループとしての実力を確認できます。
https://www.youtube.com/watch?v=W5jvftgLxkU
「Just Kickin' It (Remix)」
「Just Kickin' It」のリミックス。オリジナルと並ぶ人気のリミックスかもしれませんね。こちらはThe Staple Singers「Let's Do It Again」をサンプリングしたアーシー&メロウな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=RpTPRqF1ORE
2nd『Off The Hook』(1995年)、3rd『Traces of My Lipstick』(1998年)も一緒にチェックを!
『Off The Hook』(1995年)
『Traces of My Lipstick』(1998年)
個人的には,楽曲が充実し,大人のヴォーカルの雰囲気も出てくる2ndや3rdが好きなのですが,3rdはジャケットが…(-_-;)。こんな路線と違うよね,と。ジャケットで損しているような気がします。
ありがとうございます。
本作では「Just Kickin' It」「Understanding」といったヒット曲や「With You」、「Pumpin'」にグッときます。
彼女達の3枚のアルバムはジャケにギャップありすぎですね(笑)
僕が一番愛聴したのは2ndですかね。