発表年:2015年
ez的ジャンル:80年代ディスコ/ファンクへのオマージュ
気分は... :やはりMayerにはStones Throwが良く似合う!
今日は新作アルバムから、白人ソウル・アーティストMayer HawthorneとHip-HopプロデューサーJake Oneによる話題のディスコ/ファンク・ユニットTuxedoのデビュー・アルバム『Tuxedo』です。
2013年にEP『Tuxedo EP』で正体不明のユニットとして登場し、その後Mayer HawthorneとJake Oneによるユニットであることが判明したTuxedo。遂に待望の1stアルバムがStones Throwリリースされました。
Mayer Hawthorneについては、当ブログでも彼の名を一躍有名にした1stアルバム『A Strange Arrangement』(2009年)を紹介済みです。本作と同じStones Throwからリリースされた同作は、B級ながらも音楽愛好家ならではのソウル愛に溢れたレトロ・ソウル作品といった雰囲気が気に入っていました。
しかしながら、その後メジャーからリリースされた2nd『How Do You Do』(2011年)、3rd『Where Does This Door Go』(2013年)では、そういった魅力が薄れてしまった気がします。特に、メジャー感丸出しの『Where Does This Door Go』は、彼が本格派アーティストを目指しているようで、方向性を見失っている気がしました。
その意味では、レトロなディスコ/ファンクに徹した本作は、彼が原点に戻ってきたようで個人的に嬉しい限りです。やはり、Mayer Hawthorneにはメジャー・レーベルよりもStones Throwがよく似合いますね。
昨年からリークしていたPaul McCartneyのカヴァー「Wonderful Christmastime」が未収録なのは少し残念ですが、アルバムには80年代ディスコ/ファンクへの愛情に溢れた楽曲がズラリと並びます。
Tuxedo「Wonderful Christmastime」
https://www.youtube.com/watch?v=SKTmEVF1Qqc
無理にオリジナリティを打ち出すようなことはせず、"愛して止まないディスコ/ファンクを自分たちなりに再現してみました!"と言わんばかりの素直なディスコ/ファンク・サウンドに好感が持てます。こうした作品に取り組むためには、本ユニットのような匿名性が必要だったのかもしれませんね。
もう一人の主役Jake Oneに触れずじまいになってしまいましたが、正直今まで接点のないアーティストだったので、本作を機に彼の関与した作品もチェックしてみたいと思います。
世代に関わらず、ディスコ/ファンク好きの人に素直に楽しんで欲しい1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Lost Lover」
ストリングスを配した70年代的な雰囲気とエレクトリック・ブギーな80年代的な雰囲気が融合したディスコ・チューンでアルバムは幕を開けます。つかみはOK!
「R U Ready」
腰に響く重心の低いシンセ・サウンドがいい感じのアーバンなファンク・チューン。キュートな女性コーラスもいい感じ!
https://www.youtube.com/watch?v=PwaKU8s8B2A
「Watch the Dance」
タイトルからしてキャッチーなディスコ・ファンク。甘く妖しくキラキラしたダンス・サウンドが80代らしさ満載で大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=YAWSbyz_rfY
「So Good」
僕の一番のお気に入り。ヴィヴィッドなシンセ・サウンドが心地好いメロウ・ダンサー。かゆい所に手が届く感じが心憎いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=z74j1xgqay8
「Two Wrongs」
哀愁モードのミディアム・スロウ。切なさがたまりません。同じStones Throw所属の注目アーティストDam-Funkがシンセ・ソロを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MyneYPCPTR4
「Tuxedo Groove」
ポップなシンセ・サウンドとギターによるインスト・チューン。少しコーヒーブレイクって感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=YsrbKxtbjoY
「I Got U」
「So Good」「The Right Time」と並ぶ僕のお気に入り。シンセを駆使したディスコ・ファンクながらも、曲調はスウェイビートなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mlbVgxBRbgY
「The Right Time」
Nile Rodgers調のギターが心地好いディスコ・ブギー。Daft Punk「Get Lucky」と同路線ですが、「Get Lucky」ほどやり過ぎ感がないのが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=iOhZ7P45bSQ
「Roll Along」
セクシーなアーバン・ダンサー。Rod Temperton(Heatwave)あたりを意識したような曲調です。
「Get U Home」
Mayer Hawthorneのシンガーとしての成長を感じるセクシーなミディアム・チューン。彼のメジャー進出に必ずしも賛成ではない僕ですが、このあたりはメジャー経験で得たものかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ImmGiF3x2C4
「Do It」
本作以前にPitbull『Global Warming: Meltdown』(2013年)にPitbull参加ヴァージョンが収録されていました。PVも含めて、どこまで本気で、どこまでお遊びなのかが不明な、このディスコ/ファンク・ユニットらしさキャッチーさを持った1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Q-gcfQhR_9c
Pitbull Feat. Mayer Hawthorne「Do It」
https://www.youtube.com/watch?v=S5w9cQpO72k
「Number One」
ラストはSnoop Dogg「Ain't No Fun」を引用したアーバン・ダンサー。Mayer HawthorneのG-Funk好きを反映した1曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=H45DtfQS0zU
国内盤にはボーナス・トラック「Without Your Love」が追加収録されています。僕はこのボートラが気に入ったので国内盤を購入しました。
Mayer HawthorneやJake Oneの
Mayer Hawthorne『A Strange Arrangement』(2009年)
Mayer Hawthorne『How Do You Do』(2011年)
Mayer Hawthorne『Where Does This Door Go』(2013年)
Jake One『White Van Music』(2008年)
Freeway & Jake One『The Stimulus Package』(2010年)