発表年:1972年
ez的ジャンル:ブラジリアン系元祖フュージョン
気分は... :おめどとう!
昨日、知人におめでたいニュースがありました。
人生のネクストステージを心より祝福したいと思いマス。
さて、今回はジャズ・ピアノ/キーボード奏者Chick Corea率いるReturn To Foreverの紹介です。
Return To Foreverと言えば、Weather Reportと並ぶフュージョン・グループの先駆けですね。
リーダーのChick Coreaは、1960年代からジャズ・ピアニストとして活躍した後、エレクトリック化したMiles Davisのグループに参加します。そして、アヴァンギャルドなグループCircleを経て、Stanley ClarkeらとReturn To Forever(RTF)を結成し、フュージョンというジャンルの確立に大きく貢献しまシタ。
僕にとってのChick Coreaは、名前は聞くけど、音は聴いていないという状況が長く続いたアーティストですね。
中学生・高校生の頃、ロック中心の洋楽ライフだった僕にとって、ジャズという分野はラジオでたまに聴いたり、雑誌で情報を入手する程度の未知の領域でシタ。
そんな状況下で、ジャズのキーボード奏者といえば、Chick Corea、Keith Jarrett、Herbie Hancockの3人の名前が思い浮かぶようになっていまシタ。実際には、どのアーティストもキチンと聴いたことがなかったのですが(笑)イメージや思い込みというのはおそろしいですな...
さて、僕が持っているRTF作品は、『Return to Forever』(1972年)、『Light as a Feather』(1972年)、『Hymn of the Seventh Galaxy』(1973年)、『No Mystery』(1975年)の4枚。『Where Have I Known You Before』(1974年)が歯抜け状態になっているのが間抜けなコレクションなのですが(笑)
メンバーだけ見ると、最終的にChick Corea(key)、Al Di Meola(g)、Stanley Clarke(b)、Lenny White(ds)といった有名どころが揃った第2期も捨てがたいですが、個人的には先日紹介したAirto MoreiraとFlora Purimの夫妻が在籍していた第1期の方をよく聴きますね。
スペインにハマったChick CoreaとAirto Moreira、Flora Purimのブラジル勢の融合は、実に魅力的に映ります。サッカーでも「スペイン対ブラジル」は魅力的ですもんね(ってよくわかりませんな)!
第1期といえば、シーンに大きなインパクトをもたらし、“カモメ”の愛称で親しまれているデビュー作『Return to Forever』(1972年)の人気が高いですね。ただし、僕の場合カモメ以上によく聴くのが2nd『Light as a Feather』(1972年)です。
メンバーは、Chick Corea(key)、Joe Farrell(ts,fl)、Stanley Clarke(b)、Airto Moreira(per)、Flora Purim(vo)の5人です。
多分、曲単位の聴きやすさや、Flora Purimのボーカルを堪能できる点などが僕好みなのかもしれませんね。あとは、案外Joe Farrellのフルートに惹かれたりしていマス。
全曲紹介しときヤス。
「You're Everything」
今朝の東京のような快晴の朝に聴くにはぴったりの1曲ですね。ChickのエレピとFloraのボーカルでしっとりと始まり、その後は爽やかなブラジリアン・グルーヴへ。Joe Farrellのフルートが実に涼しげでいいですね。
「Light as a Feather」
Floraが詩を書いてボーカルも入っていますが、第1期RTFらしい幻想的でスリリングな演奏を堪能できマス。Flora Purimのソロ『Butterfly Dreams』でも演奏されています。
「Captain Marvel」
心地よい白熱のブラジリアン・グルーヴ。こういう曲があるから第1期RTFが好きです。
本バージョンの約1ヶ月後、Stan GetzがChick Corea、Stanley Clarke、Airto MoreiraといったRTF勢にTony Williamsを加えたメンバーでレコーディングしたバージョンも有名ですね。聴き比べるのも楽しいかも?
「500 Miles High」
Chickと同じサイエントロジー信奉者Neville Potterが詞を書いています。Airtoのパーカッションはカッチョ良いけど,,,そのくらいかなぁ(笑)
「Children's Song」
お寺で法事に出ている気分になる1曲(笑)名曲「Spain」を聴く前のウォーミング・アップにはいいかも?
「Spain」
本作の目玉をコレですね。Chickのキャリアの中でも一、二を争うこの名曲のオリジナル・バージョンがコレです。僕も細かく確認できていませんが数多くのカヴァーがありますよね。ジャズ・ファンでない方も松嶋菜々子が出ているキリン生茶のCMで使われているので、聴けばすぐにわかる曲だと思いマス。
スペインの作曲家Joaquim Rodrigo Vidreのクラシック・ギター協奏曲「アランフェス協奏曲(Concierto de Aranjuez)」を用いた、哀しみと愁いを帯びた出だしから、灼熱のスパニッシュ・グルーヴへの展開がなんともいいですね。まるで、ジプシーの悲しみ、フラメンコの情熱、闘牛の勇ましさ等を全て包み込んだようなカンジですな。
僕が好きなサッカー・リーガ・エスパニョーラで言えば、「レアル・マドリード対バルセロナ」のクラシコではなく、「セビリアvsベティス」のアンダルシア・ダービーってカンジでしょうか(わかりづらくてスミマセン)。
本曲のカヴァーではMichel Camilo & Tomatitoのバージョンをぜひコレクションに加えたいですね。ピアノ&フラメンコギターによる演奏はまさにスパニッシュ・モードってカンジでいいですね。
正直、RTF以外のChick Corea関連作品は数えるほど聴いていない僕ですが、『My Spanish Heart』(1976年)あたりは、たまにCD棚から引っ張り出して聴いていマス。