発表年:1983年
ez的ジャンル:Michael Stokes系男性ソウル・グループ
気分は... :ユートピアは何処に・・・
今回は男性ソウル・グループEnchantmentの『Utopia』(1983年)です。
Enchantmentは1966年にデトロイトで結成された男性ソウル・グループ。
結成時のメンバーはEmanuel "EJ" Johnson、Bobby Green、Mickey Clanton、Dave Banksの4名。
1973年に後の名プロデューサーMichael Stokesと出会ったことがきっかけで、Joe Thomasが加わり、グループは5人組体制となります。
1975年にデビュー・シングル「Call on Me」をリリース。1977年にMichael Stokesプロデュースの下、1stアルバム『Enchantment』(1977年)をリリース。同アルバムには「Gloria」(全米R&Bチャート第5位)、「Sunshine」(全米R&Bチャート第3位)といったヒット・シングルが収録されています。
続く2ndアルバム『Once Upon a Dream』(1978年)、3rdアルバム『Journey to the Land Of... Enchantment』(1979年)もMichael Stokesがプロデュースし、『Once Upon a Dream』からは「It's You That I Need」という全米R&BチャートNo.1シングルも生まれました。
80年代に入るとMichael Stokesの元から離れ、『Soft Lights, Sweet Music』(1980年)、『Enchanted Lady』(1982年)という2枚のアルバムをリリースします。『Enchanted Lady』リリース前にBobby Greenが脱退し、新たにCarl Cottonがグループに加入しています。
そして、再びMichael Stokesをプロデューサーに迎えて制作されたのが本作『Utopia』(1983年)です。
結局、本作がグループのラスト・アルバムとなってしまいましたが、Michael Stokesの手腕とEmanuel "EJ" Johnsonを中心としたグループの魅力が見事に結びついた1枚だと思います。
アルバムは「Give It Up」 、「Come Be My Lover」 、「Here's Your Chance 」、「Somebody's Loving You」といったエレクトリック・サウンドを前面に打ち出した曲と、「Lovestruck」、「Don't Fight the Feeling」、「I'm Dreaming」といったEmanuel "EJ" Johnsonのスウィートなテナー・ヴォーカルを活かしたメロウ・バラードから構成されており、メリハリのある構成になっているのがいいですね。
Michael Stokesワークスの中でも再評価が高いのも頷ける1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Give It Up」
John Barnes/Emanuel "EJ" Johnson/Linda Stokes/Michael Stokes作。Michael StokesとEnchantmentの相性の良さを実感できる、格好良いエレクトリック・ファンクでアルバムを幕を開けます。
https://www.youtube.com/watch?v=0kE-LQl21S8
「Come Be My Lover」
Linda Stokes/Michael Stokes作。エレクトリック色を前面に打ち出したディスコ・ファンク。Michael Stokesのサウンドを楽しむ1曲といった感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FJ2Tc9Qujn4
「Lovestruck」
Sam Dees/Ron Kersey作。1、2曲から一転して至極のメロウ・バラードです。Emanuel "EJ" Johnsonの素敵なテナー・ヴォーカルを堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=UuQae3o0QC8
「Here's Your Chance 」
Emanuel "EJ" Johnson/Linda Stokes/Michael Stokes作。シングルにもなったダンス・チューン。80年代エレクトリック・ファンクらしい曲調ですが、今聴くと好き/嫌いが分かれるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=jWZSeJafArI
「Don't Fight the Feeling」
Joe Thomas作。この曲もシングルになりました。グループの魅力を堪能できる70年代テイストの素敵なスウィート・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=imzOJKgHM_A
「Somebody's Loving You」
Dave Erving/Emanuel "EJ" Johnson/Linda Stokes作。この曲はかなりお気に入り。軽快なエレクトリック・サウンドとEmanuel "EJ" Johnsonのヴォーカルがよくマッチしていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=D5rnoiwTjss
「I'm Dreaming」
Emanuel "EJ" Johnson作。Emanuel "EJ" Johnsonのスウィート・ヴォーカルを存分に満喫できるメロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=5PPcJjKKa_E
「Get It While It's Hot」
Linda Stokes/Michael Stokes作。ポップなダンス・チューン。Enchantmentにこういう曲が似合うのかはビミョーですが、さすがはMichael Stokesといった仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=RDIsK-090WE
「Gotta Find a Love」
Emanuel "EJ" Johnson作。ラストはEJのスウィート・ヴォーカルでとろけるようなメロウ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6MNkn6BG4pw
僕の所有する国内盤再発CDには、前作『Enchanted Lady』(1982年)に収録されていた「I Know Your Hot Spot」、「Enchanted Lady」、「Adora」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
『Enchantment』(1977年)
『Soft Lights, Sweet Music』(1980年)
『Enchanted Lady』(1982年)