2015年04月11日

Milt Jackson『Jazz 'N' Samba』

バグスのヴァイヴとボッサ・ジャズ!☆Milt Jackson『Jazz 'N' Samba』
ジャズ・ン・サンバ
発表年:1964年
ez的ジャンル:ブルージー&ボッサ系ジャズ・ヴァイヴ
気分は... :モラトリアム!

今回はジャズ・ヴァイヴのパイオニアMilt Jackson『Jazz 'N' Samba』(1964年)です。

Modern Jazz Quartet(MJQ)のメンバーとしても活躍したヴァイヴ奏者Milt Jackson(1923-1999年)の紹介は、『Sunflower』(1972年)、Wes Montgomeryとの共演作Milt Jackson & Wes Montgomery『Bags Meets Wes』(1961年)に続き3回目となります。

Impulse!からリリースされた本作『Jazz 'N' Samba』(1964年)は、タイトルの通りボッサ・ジャズが魅力の1枚です。ただし、全面ボッサ・ジャズという訳ではなく、オリジナルLPのA面はブルージーなジャズ、、B面はボッサ・ジャズという構成です。この1枚で2度美味しい感じも本作の魅力です。

レコーディング・メンバーは、Milt Jackson(vibe)、Jimmy Heath(ts)、Tommy Flanagan(p)、Richard Davis(b)、Connie Kay(ds)、Barry Galbraith(g)、Howard Collins(g)、Joe E. Ross(vo)、Lillian Clark(vo)です。

ボッサ・ジャズなB面では「Jazz 'n' Samba」が有名ですが、個人的には「I Love You」「Kiss & Run」「Jazz Bossa Nova」の3曲がオススメです。また、A面の「Big George」「Blues For Juanita」も僕のお気に入りです。

普段ジャズを聴かない人でも、バグスのヴァイヴのダンディな魅力を実感できる聴きやすい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Blues For Juanita」
Milt Jackson作。ブルージーなオープニング。バグスのヴァイヴとJimmy Heathのテナーをはじめ、演奏全体の落ち着きがシブくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UboCIegyBeE

「I Got It Bad And That Ain't Good」
Paul Francis Webster/Duke Ellington作。Duke Ellington作のジャズ・スタンダードをカヴァー。当ブログではDonald Byrdのカヴァーも紹介済みです。バグスのリリカルなプレイを堪能できるバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=b7GlRabE0tc

「Big George」
Milt Jackson作。小粋なスウィンギー感が僕のお気に入り。バグスのヴァイヴの軽やかな響きに加え、Tommy Flanaganのピアノもいい感じです。

「Gingerbread Boy」
Jimmy Heath作。当ブログでも紹介したMiles Davis『Miles Smiles』での演奏が有名な曲ですね。当ブログではDonald Byrdのカヴァーも紹介済みです。ここでは小気味良い演奏が印象的です。

ここまでがLPのA面です。

「Jazz 'n' Samba」
ここからがLPのB面のボッサ・ジャズ・パートです。1曲目はAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。お馴染みのボサノヴァ名曲「So Danco Samba」をカヴァー。Lillian Clarkの女性ヴォーカルをフィーチャー。少しレイジーなヴォーカルとギターが醸し出すボッサ・サウンドに、バグスのメロウ・ヴァイヴの響きがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=svQL1DmXwCQ

本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Wanda Sa(Wanda De Sah)Tamba TrioRoberto MenescalGimmicksJazzlife SextetStan Getz & Luiz Bonfaのカヴァーを紹介済みです。

「The OO-OO Bossa Noova」
Manny Albam作。Joe E. Rossの掛け声がユーモラスなボッサ・ジャズ。この掛け声も一応ヴォーカルということになるんですかね(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=OmgT5ylvDkw

「I Love You」
Cole Porter作。オリジナルは1944年のミュージカル『Mexican Hayride』挿入歌。当ブログではAnita O'Dayのカヴァーも紹介済みです。ロマンチックなボッサ・サウンドにのって、バグスのヴァイヴが全面フィーチャーされています。

「Kiss & Run」
Jack Ledru/Rene Denoncin/William Engvick作。再びLillian Clarkをフィーチャー。全体のバランスという点では、このメロウ・ボッサが僕の一番のお気に入り。

「Jazz Bossa Nova」
Milt Jackson作。ラストはバグスならではのリズミック&ブルージーなボッサ・グルーヴで締め括ってくれます。

60年代半ば〜後半のMilt Jackson作品もチェックを!

『Vibrations』(1964年)
Vibrations

『In a New Setting』(1965年)
In a New Setting

『Born Free』(1967年)
Born Free

『Milt Jackson and The Hip String Quartet』(1968年)
モーニング・アフター

Milt Jackson with the Ray Brown Big Band『Memphis Jackson』(1969年)
メンフィス・ジャクソン

Milt Jacksonの過去記事もご参照下さい。

Milt Jackson & Wes Montgomery『Bags Meets Wes』(1961年)
Bags Meets Wes

『Sunflower』(1972年)
Sunflower
posted by ez at 03:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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