発表年:2004年
ez的ジャンル:ストリート系サンバ
気分は... :魅惑の低音ヴォーカル!
今回は俳優/ミュージシャンとして活躍するブラジルの人気アーティストSeu Jorgeの2ndアルバム『Cru』(2004年)です。
1970年リオデジャネイロ生まれのシンガー/ミュージシャン/俳優Seu Jorgeの紹介は、ソロ・デビュー・アルバム『Samba Esporte Fino』(2001年)に続き2回目となります。
本作『Cru』は、彼が出演した映画『City of God』(2002年)が2004年のアカデミー賞4部門にノミネートされ、作品への注目が高まると同時に、Seu Jorgeの知名度が一気に上がった状況下でリリースされたアルバムです。
本作はパリの人気スポットFavela Chicの創立者/DJのGringo Da Paradaが設立したフランスのレーベルFla-Fluかれリリースされ、本作のプロデュースもGringo Da Paradaが手掛けています。
ソロ・デビュー・アルバム『Samba Esporte Fino』(2001年)はミクスチャー感覚のサンバ・ファンクが印象的でしたが、本作はじっくり歌を聴かせるシンプルな演奏が目立ちます。寂しげな哀愁サンバと彼の魅惑の低音ヴォーカルを楽しむ1枚です。
僕は『Samba Esporte Fino』のサンバ・ファンクが好きだったので、昔は落ち着きすぎた本作に少し物足りなさを感じたものですが、久々に聴いたら、シンプルながらも味わい深い感じにハマってしまいました。
彼のシンガーとしての魅力を存分に堪能できます。
全曲紹介しときやす。
「Tive Razao」
Seu Jorge作。ストリート感覚の哀愁サンバでアルバムを幕を開けます。Pretinho Da Serrinhaによるカヴァキーニョの寂しげな響きとSeu Jorgeの切々とした歌がよくマッチしています。うっすらとシンセが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=v5GGTaqDgww
「Mania de Peitao」
Bento Amorim/Seu Jorge作。実は歌詞がエロいサンバ・チューン。Seu Jorgeは巨乳好きだったのね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=sMMdWXPYiZk
「Chatterton」
Serge Gainsbourg作品をカヴァー。このあたりはフランスのレーベルからのリリースらしいですね。でもSeu Jorgeのセクシー低音ヴォーカルはGainsbourgに通じるものがあり、意外によくハマったカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=011tMppvkTU
「Fiore de la Citta」
Robertinho Brant作。憂いを帯びたSeu Jorgeのヴォーカル、作者Robertinho Brantの美しいギターが印象的な演奏です。一人物思いに耽けながら聴いていたい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=M629SAyDEl0
「Bem Querer」
Carlos Da Fe/Dom Mita作。前作『Samba Esporte Fino』のようなサンバ・ファンクっぽい雰囲気もありますが、実にメロディアスです。Seu Jorgeのセクシーな低音ヴォーカルを存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=PJi7CdOqvtk
「Don't」
Jerry Leiber/Mike Stoller作。Elvis Presley、1958年のヒット曲をカヴァー。これが意外にもよくフィットしています。ヴォーカル、ギター、パーカッションのみのシンプルな演奏ですが、誰もいない浜辺の夕暮れ・・・といった雰囲気で実にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5SexIOSXAxQ
「Sao Gonca」
Seu Jorge作。シンプルな弾き語り。切々とした歌いっぷりが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=1YPvguZRYmQ
「Bola de Meia」
Duani作。Seu Jorgeのヴォーカル、Robertinho Brantのギターのみの演奏がシブすぎます。これが低音ヴォーカルの魅力でしょうか・・・
https://www.youtube.com/watch?v=-1Dy-KOMk_E
「Una Mujer」
Murilo Antunes/Robertinho Brant作。憂いを帯びたヴォーカルと寂しげなギターの響きが何ともサウダージな1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=6RaNt4C8jS0
「Eu Sou Favela」
Noca Da Portela/Sergio Mosca作。Bezerra da Silvaヴァージョンが有名なサンバ名曲で締め括ってくれます。ヴォーカルとパーカッションのみの演奏ですが、実に味わい深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=LoL7_8cSNE8
他のSeu Jorge作品もチェックを!
『Samba Esporte Fino』(2001年)
『The Life Aquatic Studio Sessions』(2005年)
『America Brasil』(2007年)
Ana Carolina/Seu Jorge『Ana & Jorge』(2005年)
Seu Jorge & Almaz『Seu Jorge & Almaz』(2010年)
『Musicas Para Churrasco Vol.1』(2011年)
『Musicas Para Churrasco Volume II』(2015年)