発表年:1997年
ez的ジャンル:Perspective系男性R&Bグループ
気分は... :Perspective最後の輝き・・・
いよいよサッカーの女子W杯が始まりましたね。
初戦から男性W杯並みのTV中継の盛り上げ方に、逆に引いてしまう部分もありますが・・・
スイスに辛勝でしたね。慣れない人工芝のせいもあり、なでしこらしさが出た試合とは言い難かったですが、とにかく勝ち点3を獲得したことは大きいですな。
絶対的な強さがあるわけではない、なでしこの現状を踏まえれば、厳しい戦いを勝ち抜きながら、勢いをつけるパターンの方が、圧勝勝ち抜きパターンよりいいのでは?今回はダメだろう、と文句言いつつ、ついつい期待してしまいます・・・
今回は90年代男性R&Bグループから4.0『4.0』(1997年)です。
4.0(フォー・ポイント・ゼロ)はRon Jackson、Sammy Crumbley、Jason Sylvain、Tony Hightowerの4名による男性R&Bグループ。
グループはJimmy Jam & Terry LewisのPerspective Recordsから唯一のアルバム『4.0』(1997年)をリリースしています。
本作がリリースされた1997年はPerspectiveが消滅した年です。その意味で、商業的には決していいタイミングでのリリースとはいえませんが、中身の方は充実の男性R&B作品に仕上がっています。
Perspectiveの総帥Jam & Lewisが2曲でプロデュースしているのをはじめ、Alex Richbourg、Tony Rich、Perri "Pebbles" Reid、Organized Noizeといったプロデューサー陣が起用されています。L.A. Reidの奥方でもあるPebblesはエグゼクティブ・プロデューサーとしてもクレジットされています。
メンバーがポーズをキメるジャケからはダンサブルなアルバムを想像していますが、アルバムはミディアム〜スロウ中心の構成でヴォーカル・グループとしての実力を存分に示してくれます。
Jam & Lewisプロデュースの「Have A Little Mercy」、「I Won't Run Out Of Love」が目立ちますが、Tony Richプロデュースの3曲も彼の手腕が光る素晴らしい出来栄えです。
それ以外に「Keep Doin' It」、「If You Want Me」というダンサブルな2曲もアルバムのいいアクセントになっていますし、「Gotta Make It Through」、「Oh Baby」といった彼らのヴォーカルワークを満喫できる曲も魅力的です。
Perspective最後の輝きといったところでしょうか。
全曲紹介しときやす。
「Keep Doin' It」
オープニングは、セクシー&ダンサブルなミディアム・グルーヴ。腰にくる感じがいいですね。Alex Richbourgプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=LiBXH-VQu1s
「Have A Little Mercy」
Jam & Lewisプロデュースの1曲目。シングルにもなったビューティフル・バラード。グループのためにJam & Lewisが用意してくれた極上スロウといった感じですね。楽曲の良さとグループの素敵なヴォーカルワークが見事に噛み合った名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=foVT4ogLBlM
「I Won't Run Out Of Love」
Jam & Lewisプロデュースの2曲目。こちらもスロウですが、しっとりと聴かせる大人のR&Bバラードに仕上がっています。派手さはありませんが、ジワジワくる感じが実にいいです。元Sounds Of BlacknessのBig Jim Wrightが共同プロデューサーとして名を連ねています。
https://www.youtube.com/watch?v=mLDm_0C4q9k
「Slow Jam (Radio Interlude)」
次曲のイントロ。
「Slow Jam」
こちらが本編。Tony Richプロデュースの1曲目。素晴らしいヴォーカルワークで魅了するオーセンティックなソウル・バラード。ソングライティングにはMarc Nelson(Boyz II Men、Az Yet)も参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=JTjBRcbN4P8
「Gotta Make It Through」
Alex Richbourg/Pebblesプロデュース。ジェントルな空気に包まれたメロウ・バラード。グループ自身が手掛けたヴォーカル・アレンジがたまらなくいいです!
https://www.youtube.com/watch?v=gw-kg1uaQsc
「Just A Little」
Tony Richプロデュースの2曲目。アコースティックな雰囲気を上手く取り入れたビューティフル・バラード。楽曲自体がすごくいい!Tony Richらしい手腕の光る1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=nF6XJ0Dt_MY
「If You Want Me」
Alex Richbourgプロデュース。セクシー&ダンサブルな魅力に惹かれるミデイァム・グルーヴ。同じPerspectiveに所属していた男性R&BグループLo-Key?あたりと一緒に聴きたくなる曲です。Jungle Brothers「Straight Out the Jungle」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=0cRV9uBAWbg
「Don't Act Like (You Don't Wanna)」
Alex Richbourgプロデュース。妖しい空気が支配する哀愁モードのバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=IKvAgihRklA
「Can I Spend The Night」
Organized Noizeプロデュース。正統派のR&Bバラード。悪くないけど、僕好みのタイプの曲ではありません。
https://www.youtube.com/watch?v=aKfbhf2H9SU
「So Much Love」
Pebblesプロデュース。彼らのヴォーカルワークを強調した仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=TgeHDiSw0iQ
「What You Wanna Do」
Tony Richプロデュースの3曲目。じわじわと盛り上がる大人のバラードに仕上がっているのがいいですね。僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=St_JdiRj8MU
「Oh Baby」
Alex Richbourgプロデュース。Wesley Snipesが主演した映画『Money Train』(1995年)のサントラにも収録されていた曲。このグループらしい素敵なコーラスワークを活かしたビューティフル・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=Eaza9yy8m-E
「Through The Eyes Of An Angel」
ラストをア・カペラで締め括るあたりに、彼らのヴォーカル・グループとしての自負を感じます。
そのうちPerspective Records特集でもしましょうか。