発表年:1974年
ez的ジャンル:ヒッピー系バイーア新世代グループ
気分は... :自由を謳歌する!
今回はブラジルの伝説的グループNovos Baianos(Os Novos Baianos)の『Vamos Pro Mundo』(1974年)です。
音楽とサッカーをこよなく愛し、共同生活をしていたトロピカリア・ヒッピー・ロック・バンドNovos Baianos(Os Novos Baianos)の紹介は、『Acabou Chorare』(1972年)に続き2回目です。
本作におけるメンバーは、Pepeu Gomes(g、violao、bandorim、ukulele、per)、 Dadi Carvalho(7-strings g、b)、
Jorginho Gomes(cavaquinho、ds)、Baixinho (Jose Roberto)(per)、Bola Morais(per)、Charlie Negrita(per)、Baby Consuelo(vo、afoxe)、Paulinho Boca de Cantor(vo、per)、Luiz Galvao(lyrics)の9名。
主要メンバーであったMoraes Moreiraがグループを脱退してしまいましたが、半数以上の楽曲のソングライティングを手掛けています。
アルバムはアコースティックなサンバ/ショーロとエレクトリックなロック・サウンド全開の曲が混在しており、1枚のアルバムの中で2つのバンドが演奏しているようなコントラストがあります。
個人的にはPepeu、Dadi、Jorginhoの素晴らしい弦楽アンサンブルを堪能できるサンバ/ショーロ・タイプの曲が好みです。
一番のお気に入りはPaulinho Boca de Cantorがヴォーカルをとる「Escorrega Sebosa」ですが、Baby Consueloの魅力全開の「Guria」、「O Menina」もオススメです。
トロピカリア・ヒッピー・バンドの開放的なサウンドと共に自由を謳歌しましょう!
全曲を紹介しときやす。
「Vamos Pro Mundo」
Luiz Galvao/Pepeu Gomes作。能天気なアッパー感が開放的な気分にさせてくるヒッピー・バンドらしいサンバ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=ipyYKNKmecg
「Guria」
Luiz Galvao/Moraes Moreira作。Pepeu、Dadi、Jorginhoの素晴らしい弦楽アンサンブルとBaby Consueloのコケティッシュなヴォーカルが聴く者をピースフルな気分にさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9tsGM207jLo
「Na Cadencia Do Samba」
Paulo Gesta/Ataulfo Alves作。開放的なノスタルジック感が心地好いサンバ・ショーロ。ここでもPepeu、Dadi、Jorginhoの弦楽アンサンブルに魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=Xqta3yJ9cm8
「Tangolete」
Luiz Galvao/Moraes Moreira作。タイトルの通り、タンゴのエッセンスを取り入れた"タンゴ・ロック"的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=BbFzvACayas
「America Tropical」
Pepeu Gomes/Moraes Moreira作。"ブラジルのSantana?"と思わせるようなラテン・ロック/ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=XdQiwBdnsME
「Chuvisco」
Pepeu Gomes/Moraes Moreira作。ここでも素敵なサンバ・ショーロのアンサンブルを楽しめます。自由を謳歌するかのような弦の響きが心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=G5V6Eettbyg
「Escorrega Sebosa」
Paulinho Boca de Cantor/Luiz Galvao/Moraes Moreira作。僕の一番のお気に入り。Paulinho Boca de Cantorのヴォーカルが寛いだ気分にさせてくれる爽快メロウ・サンバです。終盤に一気に盛り上がるところもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OobV_vXqcrU
「O Menina」
Luiz Galvao/Pepeu Gomes/Moraes Moreira作。タイトルからして『Acabou Chorare』に収録されていた名曲「A Menina Danca」の続編という感じですね。Marisa Monteもカヴァーした「A Menina Danca」はヒッピー感覚のメロウ・サウンドとBaby Consueloのコケティッシュなヴォーカルが栄える名曲でした。本曲もBaby Consueloの魅力全開のメロウなショーロに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=wvmVshCsSaQ
「Um Dentro Do Outro」
Jorginho Gomes/Pepeu Gomes作。前曲とは打って変わり、へヴィ―なロック・チューンを展開します。それでも何処か開放的なムードが漂うのがヒッピー・ロック・バンドらしいところかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=NSO6dvCKc8U
「Um Bilhete Pra Didi」
Jorginho Gomes作。『Acabou Chorare』にも収録されていた楽曲の再演。前曲に続き、ロック色を前面に打ち出した演奏を展開します。数曲前と同じバンドが演奏しているとは思えない変貌ぶりです。
https://www.youtube.com/watch?v=VWO2eGr_dnc
「Preta Pretinha No Carnaval」
Luiz Galvao/Moraes Moreira作。ラストは『Acabou Chorare』収録曲「Preta Pretinha」のリメイクで盛り上げて締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mlZCThfuCAw
他のOs Novos Baianos作品もチェックを!
『E Ferro na Boneca』(1970年)
『Acabou Chorare』(1972年)
『Novos Baianos F.C.』(1973年)
『Novos Baianos』(1974年)
『Farol da Barra』(1978年)