発表年:1982年
ez的ジャンル:レゲエ親善大使系レゲエ・ディスコ
気分は... :なでしこ決勝進出なるか!
いよいよサッカー女子W杯準決勝「日本対イングランド」ですね。
その前に昨日行われた準決勝のもう1試合「アメリカ対ドイツ」はアメリカが強さを見せつけましたね。なでしこが勝ち上がっても、ロンドン五輪のとき以上に厳しいかな、という印象を持ちました。
日本人にはFWワンバックの印象が強いですが、今大会のモーガン、ロイドの2トップはワンバック以上に日本にとって厄介な存在になりそうですね。
まずその前にイングランド戦ですね。個人的には、前回W杯で唯一黒星を喫していることが、なでしこ全体に王者ではなく、チャレンジャーの意識を持たせ、プラスに作用するような気がします。特にイングランド・リーグでのプレー経験を持つ、大儀見、大野の2トップの意地に期待しています。
今回は70〜80年代に人気を博したジャマイカのレゲエ・グループThird Worldのヒット・アルバム『You've Got The Power(邦題:ラブ・アイランド)』(1982年)です。
Third Worldは1973年にジャマイカ、キングストンで、レゲエ・グループInner Circleの元メンバーが結成されたレゲエ・グループ。
Island Recordsとの契約に成功したグループは1976年に1stアルバム『Third World』をリリース。1978年の3rdアルバム『Journey to Addis』からのシングル「Now That We Found Love」(Heavy D. & The Boyzヴァージョンでも知られるThe O'Jaysのカヴァー)がUKチャート、USチャートでヒットしたことにより、一気に知名度が上がりました。
「Now That We Found Love」
https://www.youtube.com/watch?v=XXeY74ttezU
これを機に、レゲエの枠に囚われないソウル、ファンク、ディスコ、ポップスのエッセンスを採り入れたクロスオーヴァー路線でリスナー層を一気に拡大させていきます。そんなグループの絶頂期を示したアルバムが本作『You've Got The Power(邦題:ラブ・アイランド)』(1982年)です。
ちなみに上記ジャケがオリジナルですが、『ラブ・アイランド』のタイトルで発売された国内盤のジャケは下記のとおりです。
『ラブ・アイランド』
本作におけるメンバーはRugs Clarke(vo、g)、Ibo Cooper(key、vo、g)、Cat Coore(g、vo)、Richie Daley(b、g)、Carrot Jarret(per、back vo)、Willie Stewart(ds)という6名。
本作『You've Got The Power』の大きな話題は、ソウル界のスーパースターStevie Wonderが2曲をプロデュースしている点です。特にシングルにもなったレゲエ・ディスコ「Try Jah Love (Jah Jah Love)(邦題:ラブ・アイランド)」のインパクトは大きかったですね。
当時高校生でレゲエにはさほど興味を持っていなかった僕でさえも、Stevie絡みということも手伝い、シングル「ラブ・アイランド」とThird Worldというグループ名は確実にインプットされた記憶があります。
このThird Worldのポップ/クロスオーヴァー路線は当時も賛否両論あった気します。大した知識もないのに「レゲエ=Bob Marley」だと勝手に思っていた僕にとって、Third Worldの軟派路線は当時あまり好きになれませんでした。どちらかといえば、ネガティヴな印象を持っていたかもしれません。
しかしながら、今回久々にアルバムを通しで聴いてみると、大きくレゲエを逸脱しているのは「Try Jah Love」のみで、レゲエ作品としても十分楽しめる1枚に仕上がっていると思います。
レゲエ親善大使と呼ばれた彼らのサービス精神をプラスに受け止め、楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Try Jah Love (Jah Jah Love)」
Stevie Wonderプロデュースの1曲目。前述のようにシングル・ヒットもしたレゲエ・ディスコ・チューン。Stevieはピアノで参加しています。ここまでくるとレゲエ・チューンとは言い難いかもしれませんが、夏向けダンス・チューンとして純粋に楽しめます。こうしたアプローチがあったからこそAswad等が後に続いたのでしょう。ユーロ・ハウスのRobey B.がカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=HdQqlj4GNgc
「Ride On」
「Try Jah Love (Jah Jah Love)」からのギャップが大きすぎるルーツ・ロックなレゲエ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=RLJSwB_1_BQ
「You're Playing Us Too Close」
Stevie Wonderプロデュースの2曲目。Stevieはフェンダー・ローズで参加しています。「Try Jah Love (Jah Jah Love)」とは異なり、コチラはちゃんとレゲエしています(笑)。レゲエらしいうねりのあるベースがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Xo3Sb64dQxQ
「Before You Make Your Move (Melt With Everyone)」
フォーキー・ソウル・レゲエとでも呼びたくなる趣の仕上がり。なかなか味わい深くてグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=oWfxbP47hik
「Jah, Jah Children Moving Up」
レゲエ・バンドとしての魅力を楽しむには、このタイプの曲もいいのでは?ヴォーカル&演奏共に充実しています。女性ソウル・シンガーCrystal Blakeがバック・コーラスで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=u4J0mWPj3P4
「You've Got The Power (To Make A Change)」
クロスオーヴァー路線らしいメロウな味わいの仕上がり。メロウ・ソウルあたりと組み合わせてもフィットするはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=AJXrnV1vaT8
「Inna Time Like This」
軽快なリズム・セクションとロッキン・ギターが印象的です。このバンドらしいといえば、らしいのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=pBBq-nx_zd4
「I Wake Up Cryin'」
US男性R&BシンガーChuck Jackson、1961年のヒット曲をカヴァー。こういうR&Bのレゲエ・カヴァーって大好きです。レゲエ・カヴァーされるために生み出されたR&Bチューンという気すらしてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=6FCRNw63gvg
「Low Key -Jammin'」
意外に好きなのがこの曲。レゲエならではの大きなうねりのあるグルーヴって好きなんですよね。この間合いに思わず吸い込まれてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=yrg0CmoWktQ
Third Worldの他作品もチェックを!
『Third World』(1976年)
『96° in the Shade』(1977年)
『Journey to Addis』(1978年)
『The Story's Been Told』(1979年)
『Prisoner In The Street』(1980年)
『Arise in Harmony』(1980年)
『All The Way Strong』(1983年)
『Sense of Purpose』(1985年)
『Committed』(1992年)
『Under the Magic Sun』(2012年)