発表年:2015年
ez的ジャンル:80年代ディスコ/ファンク・リバイバル
気分は... :一日の長がある!
今回は新作アルバムから今流行の80年代ディスコ/ファンク・リバイバルの決定盤Cool Million『Sumthin'Like This』です。
Cool Millionはデンマーク人プロデューサーFrank Ryleとドイツ人プロデューサーRob Hardtによるユニット。
80年代ディスコ/ファンクにアプローチしたサウンドで、これまで『Going Out Tonight』(2008年)、『Back For More』(2010年)、『III』(2012年)といったアルバムをリリースしています。
当ブログではRob Hardtの別ユニットSeductive Soulsのアルバム『Spirit』(2010年)を紹介済みです。
以前からCool Million作品は聴いていましたが、これまで当ブログで取り上げたことはありません。そこには"素晴らしい作品だけど、今の音じゃないしなぁ・・・"という懐古趣味的アプローチに対する僕のネガティブなスタンスがあったからかもしれません。
しかしながら、今年に入り、当ブログでも紹介したTuxedoをはじめ、80年代ディスコ/ブギーのリバイバルを狙った作品がCDショップの店頭を賑わし、それらの作品群を試聴するなかで、"コレだったらCool Millionの方が一日の長がある分、完成度が高い"と感じるようになりました。
そんな流れで遠回りをしましたが、Cool Millionを取り上げるに至りました。
Cool Million作品のお楽しみの1つに、多彩なフィーチャリング・ヴォーカリストがあります。特に、80年代にリアルタイムで活躍していたシンガーのゲスト参加を楽しみにしているファンの方も多いのでは?
最新作『Sumthin'Like This』には、Glenn JonesとMarc Sadaneという80年代好きにグッとくる往年の男性シンガー2人が参加しています。
Glenn Jonesといえば、クワイエット・ストームを代表する名曲「We've Only Just Begun (The Romance Is Not Over)」をはじめ、80年代から90年代前半にかけて活躍した人気シンガーでした。「We've Only Just Begun (The Romance Is Not Over)」収録のアルバム『Glenn Jones』(1987年)を当ブログで紹介済みだと思っていたのですが、僕の勝手な思い込みでした。こちらもそのうち取り上げたいと思います。
Marc Sadaneは人気プロデュース・チームJames Mtume/Reggie Lucasが手掛けた『One Way Love Affair』(1981年)、『Exciting』(1982年)で話題となったシンガーです。
この2人以外にも多彩なシンガー達が、80年代ディスコ/ファンク・サウンドをバックに素晴らしい歌声を聴かせてくれます。
とりあえず「Tonight」、「Oh!」、「Sweet Soul Music」、「Good Time」、「Be Alright」あたりを聴けば、本作の魅力を実感できるはずです。
80年代ディスコ/ファンク愛に満ちた楽曲の数々を素直に楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Sumthin' Like This」
90年代にソロ・アルバムも出しているUS男性R&BシンガーTim Owensをフィーチャー。80年代モード全開のアーバン・ダンサーです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZSTnKL-Fs2s
「Dontcha Wanna Dance」
Marc Evansをフィーチャー。今年流行のディスコ/ブギー・サウンドの王道を行くかのようなディスコ・チューンです。
「Tonight」
オススメその1。往年の人気男性シンガーGlenn Jonesをフィーチャー。爽快なダンス・サウンドにのって、Glenn Jonesが昔と同じく素晴らしい歌声を聴かせてくれます。一度聴いたら何度もリピートしたくなるゴキゲンなダンス・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=ehgHtrIOHa4
「Changed By Love」
オススメその2。Gavin ChristopherとJames Dayをフィーチャー。Gavin ChristopherはかつてChaka Khanもかつて在籍していたLyfeというグループのメンバーであった男性アーティストです。メロウなミディアム・ダンサーは80年代好きのツボを押さえた心憎い仕上りです。
https://www.youtube.com/watch?v=-idEzA8X-AE
「Type Of Woman」
初期Cool Million作品にも参加していたP.A.C.E.をフィーチャー。貫録のミディアム・グルーヴですが、他の楽曲に比べると弱いかも?
「Give It Up」
オススメその3。Cool Million作品の常連女性シンガーLaura Jacksonをフィーチャー。サマー・モードにピッタリのメロウ・ダンサー。Laura Jacksonの開放的なヴォーカルが爽快に駆け抜けていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=FCca6fOWM5w
「Oh!」
オススメその4。MaticとPorter Carroll, Jr.をフィーチャー。Porter Carroll, Jr.はNewbanやAtlantic Starrのメンバーだった人です。80年代サウンドを2010年代仕様にヴァージョン・アップさせている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=obNYsdljlMs
「Do You Right」
Janine Johnsonをフィーチャー。パンチの効いたJanine Johnsonのソウルフルな女性ヴォーカルと効果的なホーン・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=3o3_mQJleVc
「Summer Breeze」
Tower Of Powerにも参加していた男性ヴォーカリストMichael Jeffriesをフィーチャー。僕もリアルタイムで彼のソロ・アルバムを聴いていました。タイトルの通り、夏気分にフィットする大人のメロウ・ダンサーです。
https://www.youtube.com/watch?v=J8bFT9gHdn4
「Ordinary Music」
ウィーンを拠点にするドイツ人女性シンガーFarina Missをフィーチャー。重心の低いミディアム・グルーヴ。Farina Missの個性的なヴォーカルと数え歌のような歌い回しが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=XV8-B8qIUGQ
「Automatic Love」
オススメその5。Jeff Ramseyをフィーチャー。80年代エレクトリック・ファンクへのリスペクトを感じる仕上がり。ヴォコーダー使いも僕好み。
「Sweet Soul Music」
オススメその6。前作『III』にも参加していたEli Thompsonをフィーチャー。開放的なファンキー・メロウ感が心地好いアーバン・ダンサー。
https://www.youtube.com/watch?v=o8ItGIbwAj8
「Good Time」
Kiki Kyteをフィーチャー。「Good Times」を連想させる曲タイトルや曲調、Nile Rodgers調のギターなどChicへのリスペクトを感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Vub-i2hfytE
「Be Alright」
ラストはMarc Sadaneフィーチャー曲で締め括ってくれます。80年代サウンドを2010年代仕様へ上手くチューニングしたといった趣のアーバンなメロウ・ダンサーに仕上がっています。Marc Sadaneのヴォーカルは年齢を感じさせません。
https://www.youtube.com/watch?v=POfvSUBs81k
Cool Millionの他作品やRob Hardtの別ユニットSeductive Soulsもチェックを!
『Going Out Tonight』(2008年)
『Back For More』(2010年)
『The Tom Moulton Session』(2010年) ※リミックス・アルバム
『III』(2012年)
Seductive Souls『Spirit』(2010年)