発表年:2015年
ez的ジャンル:ブラジリアン・メロウ/フュージョン
気分は... :青天の霹靂...
今回はブラジリアン・メロウ/フュージョンの新作Lucas Arruda『Solar』です。
1983年生まれのブラジル人プロデューサー/コンポーザー/マルチインストゥルメント奏者Lucas Arrudaの紹介は、デビュー・アルバム『Sambadi』(2013年)に続き2回目となります。
Azymuth等の70年代ブラジリアン・メロウからの影響を感じるサウンドで、日本でも高い評価を得たデビュー・アルバム『Sambadi』(2013年)。
それから2年、前作と同じくPascal Riouxが主宰するフランスのレーベルFavorite Recordingsからリリースされた最新作『Solar』は、前作からの進歩を感じるブラジリアン・メロウ/フュージョン作品に仕上がっています。前作で聴かれたアナログ・シンセへのこだわりは本作でも継続されています。このあたりはFavorite Recordingらしいです。
レコーディングには、彼の兄のThiago Arrudaのほか、ミスター・メロウネスLeon Ware、ポルトガル出身でブラジリアン・ジャズの良作を出している女性シンガーGuida De Palma、フィンランドを拠点に良質のAOR/フュージョン作品で評価を高めているAndre Solomko、先日、最新作『Nossa Copacabana』を紹介したブラジル人男性シンガー・ソングライターJoao Sabia等のミュージシャンが参加しています。
前作は彼の憧れの音楽・アーティストへの思い入れをそのまま音にしたようなアルバムでしたが、本作はそこから一歩進んでLucas Arrudaらしいブラジリアン・メロウを楽しめる1枚に仕上がっています。
スキャットも含めたヴォーカル比率が高まった点もアルバム全体を聴きやすいものにしていると思います。
今夏の僕が最もよく聴いているブラジル作品です。
全曲紹介しときやす。
「Solar (Intro Jam)」
Lucas Arruda作。アルバムのイントロ。
「Uma Onda」
Lucas Arruda作。AzymuthのAlex Malheiros参加曲。Lucasのローズ、兄Thiagoのギター、Alexのベース、Jarkko Lepistoのドラムによるメロウ・グルーヴが実に心地好いです。ブギー・ソウル的なエッセンスが入っているのもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZAl7vxNnaeE
「Vento Sul」
Lucas Arruda/Joao Sabia作。a href="http://eastzono.seesaa.net/article/417523118.html">Joao Sabiaとの共作であり、Sabiaはヴォーカルでも参加しています。UKクラブ・ミュージック好きの人あたりも気に入りそうなクロスオーヴァー・チューン。
「Melt The Night」
Lucas Arruda/Leon Ware作。Leon Wareをフィーチャーしたメロウ・ブギー。Leon Wareのメロウ・ワールドとLucasの奏でるブラジリアン・メロウが見事にシンクロしています。
https://www.youtube.com/watch?v=sI6e13NwnZo
「Agua」
Lucas Arruda作。波の音と共にスタートする至極のメロウ・チューン。僕の今夏に繰り返し聴いている1曲です。AOR好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=Dz9SQ_R0wIY
「Kalunga」
Lucas Arruda作。メロウ&パーカッシヴなインスト。小曲ですが好きです。
「Solar」
Lucas Arruda作。タイトル曲はLucas Arrudaワールド炸裂のブラジリアン・メロウ・フュージョン。スキャット・コーラスも実に心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hv5vIrRce5c
「Beyond The Sea」
Lucas Arruda作。Andre Solomkoがソプラノ・サックスで参加しています。スキャット・コーラスを伴った軽やかなグルーヴ感が心地好い1曲。Andre SolomkoのAOR/フュージョン・ワールドともリンクする仕上がりです。
「O Mar, O Samba e O Sol」
Lucas Arruda作。この曲も波の音入り。メロウ・バラードからグルーヴィーなメロウ・ソウルへと展開します。Lucasらしい鍵盤の音色が楽しめます。
「Stop! Look, Listen (To Your Heart)」
Thom Bell/Linda Creed作。Diana Ross & Marvin Gayeヴァージョンでも知られるThe Stylisticsのヒット曲をカヴァー。ここではLeon WareとGuida De Palmaをフィーチャーしています。この有名曲をLucas仕様の大人のメロウ・バラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LuQ665kT-Lw
「Rio 82 (Live Version)」
Lucas Arruda作。ラストはジャズ・ファンク調のインストのライヴ音源で締め括ってくれます。
ご興味がある方は、1stアルバム『Sambadi』(2013年)や本作参加アーティストの過去記事もご参照下さい。
『Sambadi』(2013年)
Joao Sabia『Nossa Copacabana』(2015年)
Jazzinho『Jazzinho』(2003年)
Guida De Palma『Veludo』(2013年)
Andre Solomko『Ou Es-Tu Maintenant?』(2012年)
Leon Ware『Musical Massage』(1976年)
Leon Ware『Inside Is Love』(1979年)
Leon Ware『Rockin' You Eternally』(1981年)
Leon Ware『Leon Ware』(1982年)