2015年08月24日

The Quartette Tres Bien『In Motion』

パーカッシヴなラテン・ジャズ作品☆The Quartette Tres Bien『In Motion』
イン・モーション
発表年:1967年
ez的ジャンル:セントルイス産ラテン・ジャズ・ユニット
気分は... :批判的検討・・・

今回は60年代ラテン・ジャズ作品からThe Quartette Tres Bien『In Motion』(1967年)です。

The Quartette Tres Bienはセントルイスで結成されたラテン・ジャズ・ユニット。メンバーはPercy James(per)、Albert St. James(ds)、Jeter Thompson(p)、Richard Simmons(b)の4名。

グループは60年代にDecca等から数多くのアルバムをリリースしています。

そんな彼らの作品群の中で再評価が高いのが本作『In Motion』(1967年)です。

個人的にはパーカッションが目立つラテン・ジャズが好きなのですが、Percy Jamesのパーカッションが活躍する本作はまさに僕好みの1枚です。リーダー格のJeter Thompsonのアタックの強いピアノも実にいいですね。

「It Ain't Necessarily So」「Love Theme From "Madame X"」「Quiet Nights Of Quiet Stars」の有名曲カヴァーもいいですが、「Brother Percy」「Master Charles」「Saint Sylvester」等のオリジナルにこのユニットの魅力が詰まっていると思います。

クラブジャズ世代の耳で聴いても十分楽しめる60年代ラテン・ジャズ作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「It Ain't Necessarily So」
George Gershwin/Ira Gershwin作。オペラ『Porgy and Bess』の中の1曲です。アタックの強い小粋なピアノとパーカッションのコンビネーションにグッとくるラテン・フレイヴァーのジャズ・ワルツ!中盤のパーカッション・ブレイクもサイコー!この1曲で彼らが再評価されるのがわかるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=IlyOTYm_rGU

「Master Charles」
Percy James作。この演奏も大好き!このラテン・ジャズ・ユニットの小粋なセンスと一体感のあるアンサンブルを存分に堪能できます。特にPercy Jamesのパーカッション目当てで本作を購入された方ならば楽しめるはず!

「Quiet Nights Of Quiet Stars」
Antonio Carlos Jobim作の名曲「Corcovado」をカヴァー。このボサノヴァ名曲を一味違うエレガントなラテン・ジャズで聴かせてくれます。

「Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)」に関して、当ブログではこれまでJoanie SommersCannonball AdderleyWanda Sa(Wanda De Sah)Mario Castro-Neves & Samba S.A.Diane Denoir/Eduardo MateoEarl OkinDardanellesCassandra WilsonO QuartetoJon HendricksGenaiのヴァージョンを紹介済みです。ご興味がある方はご参照を!

「For Heaven's Sake」
Donald Meyer/Elise Bretton/Sherman Edwards作。Jeter Thompsonのピアノ・プレイに耳を傾けるためのバラード。

「Saint Sylvester」
Albert St. James作。スピード感のあるスリリングな演奏が魅力です。クラブジャズ好きの人も気に入る演奏なのでは?

「Love Theme From "Madame X"」
Charles Wildman作。ドラマ『Madame X』(1966年)のテーマ曲です。ラテン・リズムとモーダルなピアノの組み合わせが何ともスタイリッシュです。

「It Could Happen To You」
Johnny Burke作詞/Jimmy Van Heusen作曲。1944年作のミュージカル・コメディ映画『And the Angels Sing』のために書かれた作品。当ブログではChet BakerDardanellesのカヴァーも紹介済みです。雰囲気たっぷりの小粋な演奏でエレガントな気分にさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KM4_4lU875k

「Bad People」
Jeter Thompson作。ミステリアスな雰囲気を醸し出す哀愁のラテン・ジャズな前半とエレガントな後半とのコントラストが印象的です。

「Charade」
Henry Mancini作。映画『シャレード』のテーマ曲をカヴァー。当ブログでは、先日Nando De Luca Su Orquesta Y Corosのカヴァーを紹介したばかりです。お馴染みの名曲を哀愁モードのラテン・ジャズで聴かせてくれます。

「Brother Percy」
Percy James作。今日的にはこの超高速のパーカッシヴ・ダンシング・ジャズに注目かもしれませんね。Percy Jamesのパーカッションが暴れまくります。パーカッション好きにはたまりません。

『Boss Tres Bien』(1964年)
ボス・トレ・ビアン

『Bully!』(1966年)
ブリー!
posted by ez at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック