発表年:1971年
ez的ジャンル:モッズ・バンドからフーズ・ネクストへの軌跡
気分は... :いい出会いをしないとねっ!
愛しのThe Who久々の登場です。これで4回目かなぁ。
本ブログで最初にWhoを紹介したのは『Who's Next』のエントリー。その時のエントリーを読み返すと、“5年に一度くらいの割合でしかWhoファンに出会うことがない”みたいなことを書いていました。
2005年の年末のエントリーだったので約一年半が経過していますが、その間にさまざまなブログ・エントリーを拝見させていただき、僕が思っていた以上に日本にもWhoファンがいることを知りまシタ。なんかホッとしましたね。
最近、思うのですがBeatles、Rolling Stones、Whoのような歴史のあるグループは、アルバム単位で云々言うのではなく、ある程度主要作品(勿論オリジナル作品で!編集盤はダメ)を押さえないと、本当の良さというものがわかりづらいのかなぁという気がします。あとはアルバム聴く順序とかも大事ですかねぇ。
いきなり『Love』をBeatlesのアルバムとして聴いたり(個人的にはコレをBeatlesだとは認めませんが)、最新オリジナル『A Bigger Bang』でRolling Stonesをはじめて聴きましたというのは、あまり良い出会い方ではないように思えるのですが...
The Whoについても同様のことが言えると思います。
例えば、個人的には前述の『Who's Next』(1971年)がWhoの最高傑作であり、ロック史上に残る名盤だと思っていマス。でも、いきなり『Who's Next』を聴くのは順番としてどうなのかな?って気がします。
やっぱり、初期のモッズ・バンドとしてのThe Whoを聴いたうえで、『Who's Next』を聴かないと、何がネクストなのかということがピンと来ないと思いますねぇ〜!
と言いつつ、本ブログでも『Who's Next』を最初にエントリーしてしまったのですが...反省してマス。
初期のモッズ・バンドとしてのThe Whoの魅力を堪能するためには、これも本ブログで紹介した『My Generation』(1965年)が一番だと思うのですが、アルバムとシングルが別物だった初期The Whoの状況を考慮すると、そうしたシングル群も聴き逃して欲しくないと思います。
そうなるとシングル群を補完するベスト盤がどうしても不可欠になるんですよねぇ。
そんな中、今日のあまりに便利な各種ベスト盤に抵抗を感じる僕としては、オリジナルベスト盤『Meaty Beaty Big And Bouncy』を紹介したいと思います。
本作にはデビュー・シングル「I Can't Explain」から1970年のシングル「The Seeker」までの主要シングル13曲に前回紹介した『A Quick One』収録の「Boris the Spider」を加えた全14曲が収録されていマス。
全曲紹介しときヤス。
「I Can't Explain」
The Whoのデビュー・シングル。The Whoを名乗る前にThe High Numbersとして、シングル「I'm the Face/Zoot Suit」を発表していますが、The Whoとしてはこれが1枚目。見事全英チャート第8位まで上昇しまシタ。
個人的には初期のシングルの中で一番好きですね。荒削りだけど、このクールなカッチョ良さはBeatlesにもStonesにもないWhoならではのものだと思いマス。
「Kids Are Alright」
アルバム『My Generation』収録曲。劇場用ドキュメンタリー映画のタイトルにもなったように、The Whoというグループを象徴する1曲ですね。個人的なコメントは『My Generation』のエントリーをご参照下さい。
「Happy Jack」
1966年発表のシングル。全英チャート第3位まで上昇しまシタ。泥棒一味に扮した4人のコミカルな演技が笑えるPVが印象的ですね。後のロックオペラの兆候がうかあげる1曲。
アメリカではアルバム『Happy Jack』(『A Quick One』の曲を一部差し替えたアメリカ盤)のタイトル曲として、1967年にシングルカットされていマス。
「I Can See for Miles」
1967年に発表されたシングル(アルバム『The Who Sell Out』収録)。「恋のマジック・アイ」という邦題でピンとくる方は年季の入ったファンの方ですね。1967年という時代背景もあって、かなりサイケな色合いが強いですね。
全米チャート第9位、全英チャート第10位のヒットとなりまシタ。意外かもしれませんが、本曲がグループ初かつ唯一のアメリカでのTop10ヒットです。
「Pictures of Lily」
1967年に発表されたシングル(邦題「リリーのおもかげ」)。全英チャート第4位のヒットとなりまシタ。英国らしいメランコリーを感じる1曲ですね。はちゃめちゃな側面のみならず、こうした繊細な側面もThe Whoらしいところ。
「My Generation」
説明不要のThe Whoの代名詞であり、モッズ・バイブルな1曲(アルバム『My Generation』収録)。全英チャート第2位に輝きまシタ。ちなみにこれほどの有名曲ですがアメリカでは全くヒットしていません。
個人的なコメントは『My Generation』のエントリーをご参照下さい。
「The Seeker」
本アルバム収録曲の中では唯一の1970年代に入ってから発表されたシングル。かなり『Who's Next』の肌触りに近い曲に仕上がっていますね。
「Anyway, Anyhow, Anywhere」
1965年に発表された「I Can't Explain」の続きは発表された2ndシングル(全英チャート第10位)。キャッチーでハードでクールなモッズ・アイドルらしい1曲。
「Pinball Wizard」
アルバム『Tommy』(1969年)収録の1曲。全米チャート第19位、全英チャート第4位のヒットとなりまシタ。この曲については改めて『Tommy』のエントリーを書くつもりなので、個人的なコメントがその時までとっておきマス。
「A Legal Matter」
アルバム『My Generation』収録曲。個人的なコメントは『My Generation』のエントリーをご参照下さい。
「Boris the Spider」
アルバム『A Quick One』(1966年)収録。本曲のみシングル曲ではありません。John Entwistleの作品をぜひ1曲!という配慮かもね。個人的なコメントは『A Quick One』のエントリーをご参照下さい。
「Magic Bus」
1968年発表のシングル。土臭くフォーキーな味わいが印象的な1曲ですね。個人的には1968年のアメリカ編集盤『Magic Bus: The Who on Tour』のジャケのサイケな二階建てバスのイメージがダブりますね。
「Substitute」
1966年発表のヒット・シングル(全英チャート第5位)。邦題「恋のピンチヒッター」といった方が皆さんピンとくるかもしれませんね。「I Can't Explain」と並ぶ僕のお気に入りシングル。個人的には、このポップでお茶目でクールなカッチョ良さは同時代のどのグループも適わないように思えるのですが...
「I'm a Boy」
1966年発表のヒット・シングル(全英チャート第2位)。この曲もロックオペラ『Tommy』の出現を予感させる1曲ですね。
初期のモッズ・バンド時代からPete Townshend渾身のロックオペラ『Tommy』に至るまでの彼らの歩みを確認することができ、全14曲という曲数も一番お手頃だと思いマス。
しかしながら、今は音質も曲数も充実した他の編集盤があるので、新たに購入する方はそちらをどうぞ!
私が持ってる『Who's Better Who's Best』だと中・後期の曲がちょっと邪魔に感じるんですよね。「Who Are You」とか「Baba O'Riley」とか曲自体は大好きなんですけど。
まあ編集盤に統一感を求めるほうが間違っているといえば、たしかにそうなんですが(^^;
ありがとうございます。
>中・後期の曲がちょっと邪魔に感じるんですよね。
その感覚とってもわかります!
その意味では本作の選曲はモッズ・バンドとしてスタートしたThe Whoが『Who's Next』で新しいステージに入るまでの流れがコンパクトにまとまっていると思います。
ただし、音質や収録曲数のことを考えれば、他のベスト盤を購入して自分で編集すればいいのかもしれませんが(笑)