2015年08月29日

Marion Brown『Vista』

Stanley Cowellらも参加したスピリチュアル・ジャズ作品☆Marion Brown『Vista』
ヴィスタ
発表年:1975年
ez的ジャンル:スピリチュアル・ジャズ
気分は... :アンビエント・・・

今回はスピリチュアル・ジャズ作品からMarion Brown『Vista』(1975年)です。

Marion Brown(1931-2010年)はジョージア州アトランタ出身のサックス奏者。

John ColtraneArchie Sheppらと交流を深め、1965年にはColtrane『Ascension』(1965年)のレコーディングに参加し、1966年にはSheppに敬意を示したリーダー作『Three for Shepp』をImpulse!から発表しています。

60年代後半には拠点をヨーロッパに移していましたが、1973年には古巣Impulse!に戻り、『Geechee Recollections』(1973年)、『Sweet Earth Flying』(1974年)、そして本作『Vista』(1975年)といったアルバムをリリースしています。

その後も80年代半ばまでコンスタントにアルバムをリリースしています。2010年逝去。

当ブログで紹介した作品でいえば、Archie Shepp『Attica Blues』(1972年)、Stanley Cowell『Regeneration』(1975年)といった名盤にBrownは参加しています。

そんなMarion Brown作品の中で、スピリチュアル・ジャズ作品として再評価が高い1枚が本作『Vista』(1975年)です。

レコーディングにはMarion Brown(as、wind chimes)以下、Stanley Cowell(p、el-p)、
Anthony Davis(p、el-p)、Bill Braynon(p、el-p、celesta)、Harold Budd(celesta、gong)、Reggie Workman(b)、Ed Blackwell(ds)、Jimmy Hopps(ds)、Jose Goico(tb、congas)、Allen Murphy(vo、bells)といったミュージシャンが参加しています。

特にStanley CowellAnthony DavisBill BraynonHarold Buddという4人の鍵盤奏者が本作を大きく印象づけています。

仕事パツパツでお疲れモードの今の僕にぴったりな癒し系スピリチュアル・ジャズ作品です。アンビエントの先駆者Harold Buddの参加に関連づければ、アンビエントなスピリチュアル・ジャズという感じですかね。

個人的にはオリジナルLPのA面にあたる前半3曲のスピリチュアルかつメロウな美しさに惹かれます。後半3曲もそれぞれ魅力的な演奏です。

幻想的なジャケにも惹かれますね!
このジャケだけでも名盤だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Maimoun」
Stanley Cowell作。Cowellのオリジナルは『Illusion Suite』(1972年)に収録されています。当ブログで紹介した『Musa・Ancestral Streams』(1973年)にも収録されています。作者Cowellの美しいピアノと共にスタートし、その後Reggie Workmanのベースに先導され、Marion Brownがジェントルな音色のサックスを聴かせてくれます。コンガやエレピも加わるパーカッシヴ&メロウな展開は僕好みです。

「Visions」
Stevie Wonder作品をカヴァー。オリジナルは『Fulfillingness' First Finale』(1974年)に収録されています。Allen Murphyのヴォーカルをフィーチャーした美しいスピリチュアル・バラードに仕上がっています。Anthony Davisのピアノ、Stanley Cowellのエレピもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=Obbtqz8rm-E
 
「Vista」
Marion Brown作。ピアノとエレピによる静寂のイントロに続き、コンガが先導するゆったりとしたリズムをバックに、Brownが美しいフレーズをサックスで歌い上げます。Anthony Davisのピアノ、Stanley Cowellのエレピも心を癒してくれます。至極のスピリチュアル・ジャズですね。
https://www.youtube.com/watch?v=huurRUUBl7M

「Moment Of Truth」
Bill Braynon作。それまでの演奏とは少し異なり、ラテン・スパイスの効いたモーダルな雰囲気の演奏ですが、エレガントな格好良さがあってグッド!

「Bismillahi 'Rrahmani 'Rrahim」
アヴァンギャルド/アンビエントなコンポーザー/ピアニストであるHarold Buddの作品をカヴァー。Budd自身も演奏に参加しています。アンビエントなスピリチュアル・ジャズといったとことでしょうか。BrownのサックスとStanley Cowellのピアノが醸し出す深遠な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=yjNqksj0mkk

「Djinji」
Bill Braynon作。ラストはモーダル&スピリチュアルな雰囲気です。ヒップな感じもあって面白い演奏です。アフロビートを思わせる覚醒的な鍵盤の音色が印象的です。

Marion Brownの他作品もチェックを!

『Marion Brown Quartet』(1966年)
Marion Brown Quartet

『Juba-Lee』(1966年)
Juba-Lee by BROWN,MARION SEPTET (2015-03-17) 【並行輸入品】

『Three for Shepp』(1967年)
Three for Shepp by BROWN,MARION (2015-05-26) 【並行輸入品】

『Why Not』(1967年)
Why Not (Dig)

『Porto Novo』(1969年)
Porto Novo

『Afternoon of a Georgia Faun』(1970年)
Afternoon of a Georgia Faun

『Geechee Recollections/Sweet Earth Flying』(1973年/1974年) ※2in1CD
Geechee Recollections / Sweet Earth Flying (Impulse 2-on-1)

Marion Brown/Leo Smith『Creative Improvisation Ensemble』(1975年)
リズムス

Zenzile Featuring Marion Brown『Zenzile Featuring Marion Brown』(1977年)
Zenzile Featuring Marion Brown by Zenzile, Marion Brown 【並行輸入品】

Marion Brown & Gunter Hampel『Reeds 'N Vibes』(1978年)
Reed 'n Vibes

『November Cotton Flower』(1980年)
ノヴェンバー・コットン・フラワー(紙ジャケット仕様)

『Gemini』(1983年)
Marion Brown & Gunter Hampel - Gemini
Gemini

『Offering』(1993年)
Offering by Brown, Marion 【並行輸入品】
posted by ez at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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