2015年08月30日

SiR『Seven Sundays』

大注目の西海岸R&Bアーティストのオフィシャル・デビュー作☆SiR『Seven Sundays』
Seven Sundays
発表年:2015年
ez的ジャンル:L.A.インディR&B
気分は... :揺らぎの音世界・・・

今回は新作R&B作品からSiR『Seven Sundays』です。

SiRことDarryl Farrisはカリフォルニア州イングルウッド出身のR&Bシンガー/ソングライター。

Darrylは、ソウル/ゴスペル・シンガーJackie Goucheを母に持ち、二人の兄もプロデューサー/ソングライター/アーティストとして活躍しています。Daniel "D-Smoke" FarrisはJaheimやTyreseのソングライティングを手掛け、もう一人の兄Davion FarrisはTrey SongzやPleasure Pのソングライティングを手掛けたほか、2013年にはソロ・アルバム『Davion Farris』をリリースしています。

さらに大物ベーシストAndrew Goucheを叔父に、プロデューサー/ソングライターとして活躍するTiffany Goucheを従姉妹に持つというミュージシャン家系です。

Farri3兄弟とTiffany Goucheは早くからWoodworksというファミリー・グループを組んでいたようです。

そんな環境でDarrylも自然と音楽業界に身を置くようになり、兄らと共にGinuwineのソングライティングなどを手掛けました。

最近は人気プロデュース・チームDre & Vidalの一人Andre Harrisのプロダクションとソングライター契約を結び、LeToya Luckett feat. T.I.「Don't Make Me Wait」Jill Scottの最新作『Woman』でリード・シングル「Fool's Gold」を含む3曲のソングライティングを手掛けています。

また、Kendrick LamarらのクルーBlack Hippyの一員であるラッパーJay Rockの最新作『90059』に、Kendrick Lamarらと共にゲスト参加しています。

このように"SiR" Darryl Farrisの存在が注目されつつあるタイミングでリリースされたのがデビュー・アルバム『Seven Sundays』です。

2012年に『Wooden Voodoo』、2014年に『Long Live Dilla』というミックステープをリリースしているので、本作『Seven Sundays』はオフィシャル・デビュー・アルバムと説明した方が適切かもしれません。ちなみに、『Long Live Dilla』はタイトルからも察しがつくように、J Dillaへのオマージュです。

本作ではSiR自身は敢えてシンガーに徹し、プロデュースは他者に委ねており、セルフ・プロデュースは1曲のみです。

起用されたプロデューサー陣は、Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』にもプロデューサーで参加した注目の才能Knxwledge、前述のJill Scott「Fool's Gold」のプロデュースも手掛けたDK The Punisher、元Robert Glasper Experiment、最近はD'Angelo & The Vanguardのバンドにも参加している旬のドラマーChris DaveKendrick LamarR. Kelly『Write Me Back』もプロデュースしたJ.LBS、従姉妹のTiffany Gouche、自身のアルバム『(VIBE)rations』(2013年)にKnxwledge、J.LBS、Tiffany Goucheが関与していたR&Bシンガー/ソングライター/プロデューサー/ミュージシャンのIman Omari、イングルウッドを拠点に活動するプロデューサーAlvin Isaacsといった多彩な顔ぶれです。

多彩なプロデューサー陣が手掛けるトラックは、全体的にアトモスフィック、アンビエント、コズミックといった形容したくなるものが多いですね。それらの秀逸トラックと、メロウ&セクシーなSiRのヴォーカルの組み合わせがたまりません。

特に「Love You」「The Real」「N.B.N.」「Falling」「He Deserves Your Love」といった揺らぎのある音世界が僕にはツボです。

SiR自身の才能と多彩な多彩なプロデューサー陣の才能がケミストリーを起こした素晴らしい内容の1枚だと思います。

繰り返す聴き込むほどに、この音世界に惹き込まれる中毒性のある1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Love You」
Knxwledgeプロデュース。浮遊感のあるトラックと憂いを帯びたSiRのヴォーカルが独特の世界を醸し出します。揺らぎのあるセクシー感がたまりません。このオープニングを聴いて、購入を即決しました。
https://www.youtube.com/watch?v=aAEPCZjPKNs

「In The Sky」
Knxwledgeプロデュース。Fat Ronをフィーチャー。アングラHip-Hop調です。Knxwledgeらしい手腕が発揮されたトラックなのでは?

「You Ain't Ready」
Tiffany Goucheプロデュース。兄D-Smokeをフィーチャー。兄弟、従姉妹がタッグを組んだ1曲。派手さはありませんが、ハンドクラップを巧みに使うなどシンプルな中にもTiffanyセンスが窺えます。

「The Real」
DK The Punisherプロデュース。コズミックな音世界が拡がる僕好みのトラック。西海岸らしいアンダーグランド感があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vQ4ogiMoya0

「Right By You」
J.LBSプロデュース。哀愁モードの疾走感にグッとくるキャッチーな仕上り。J.LBSの手腕が光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=S3ha7g_KEM4

「JAY Z」
J.LBSプロデュース。シンプルながらもメロウなトラックがいいですね。まどろみ感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=F3geeMSG3jw

「N.B.N.」
J.LBSプロデュース。軽くL.A.ビートミュージックの影響も感じるトラックと儚い雰囲気が漂うSiRのヴォーカルが生み出す音世界はモロに僕好み。

「Liberation」
Chris Daveプロデュース。Anderson .Paakをフィーチャー。前述のようにJ Dillaから大きな影響を受けたSiRにとって、人力でJ Dillaビートを叩き出すChris Daveとの共演は待望していたものかもしれませんね。実に興味深く聴きました。

「Falling」
Alvin Isaacsプロデュース。憂いを帯びたダウナー感が印象的です。ダウナーなのにセクシーに聴かせてしまうのがSiRのヴォーカルの魅力かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=srHobAovRXU

「Can We Still」
Iman Omariプロデュース。少しアンビエントなトラックとSiRの儚いヴォーカルがよくマッチしています。

「The Perfect Remedy」「Crashing Down」
J.LBSプロデュース。さり気ないですが、アトモスフィックな美しいトラックとSiRのメロウ・ヴォーカルがいい感じです。

「The Bullet And The Gun」
Knxwledgeプロデュース。

「He Deserves Your Love」
DK The Punisherプロデュース。アンビエントな美しさを持つトラックとSiRの憂いのメロウ・ヴォーカルが際立つ感動的なエンディング!

サッカーはマインツの武藤がブンデス初ゴール&2点目を決めましたね。
早い時期に結果を残せて良かった!
posted by ez at 01:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック