発表年:1977年
ez的ジャンル:元"バランソ"アイドル系ブラジリアン・メロウ・グルーヴ
気分は... :ユーモアを忘れず・・・
今回はブラジル作品からOrlandivo『Orlandivo』(1977年)です。
Orlandivo(Orlann Divo)(本名Orlandivo Honorio de Souza)は1937年ブラジル、サンタカタリーナ州イタジャイ出身。
Orlann Divoは、1960年にブラジル・ポップス界で"バランソ"のアイドルとして一世を風靡しました。しかしながら、バランソ・ブームの終焉と共に、表舞台から姿を消し、ソングライターとして裏方の活動に徹していたようです。
そんなOrlandivoが10年ぶりにリリースしたアルバムが本作『Orlandivo』(1977年)です。
プロデュースはJoao Donato。
レコーディングにはJoao Donato(p、el-p、org、clavinet)、Mamao(Ivan Conti)(ds)、Papao(ds)、Alexandre(b)、Jose Menezes(g)、Durval Ferreira(g)、Sivuca(accordion)、
Ariovaldo(per)、Chico Batera(per)、Geraldo Bongo(per)、Hermes(per)、Helcio Milito(per)、Airton(fagote)、Copinha(fl)、Geraldo(fl)、No(cuica)、Antenor(surdo)、Luna & Suzana(back vo)が参加しています。
メロウかつパーカッシヴ/リズミックなブラジル音楽が好きな僕の嗜好にモロにフィットする1枚です。
Orlandivoの優れたソングライティングとJoao Donatoの優れたアレンジの相乗効果で、今聴いても鮮度が落ちていない作品だと思います。
「Onde Anda O Meu Amor」、「Tamanco No Samba」、「Palladium」、「Bolinha De Sabao」、「Um Abraco No Bengil」、「Disse Me Disse」あたりが僕のオススメです。
同時代のブラジル作品と比較しても、この格好良さは格別です。
ぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Tudo Joia」
Durval Ferreira/Orlandivo作。Luna & Suzanaの女性コーラスが先導する開放的なオープニング。晴れた日の目覚めに聴きたい気分の曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=UkcSN4WXQJ0
「Um Abraco No Bengil」
Durval Ferreira/Orlandivo作。タイトルの通り、Jorge BenとGilberto Gilに捧げられた曲。Jorge Ben好きの人ならば気に入るであろうグルーヴ感が魅力です。Luna & Suzanaの女性コーラスもグッド!終盤「Mas Que Nada」のフレーズが聴こえてくるのも嬉しいですね。デビュー前のBenがOrlandivoを訪ねて、「Mas Que Nada」を歌い、Orlandivoに歌って欲しいと懇願したところ、OrlandivoがBen自身に歌うことを勧めたというエピソードを知ると、余計に「Mas Que Nada」をフレーズが感動的に聴こえます。
https://www.youtube.com/watch?v=QlLCOJtsKA8
「Gueri - Gueri」
Durval Ferreira/Orlandivo作。ゲリ・ゲリって結局何なんだろう?と思いながら最後まで聴いてしまいます(笑)。Joao Donatoによるユニークなアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=3ioZD2ErvAg
「Tamanco No Samba」
Helton Menezes/Orlandivo作。「Samba Blim」のタイトルでも知られる名曲をセルフ・カヴァー。当ブログでも紹介したTamba 4のヴァージョンでもお馴染みですね。当ブログではClara Moreno、Cal Tjaderのカヴァーも紹介済みです。リズミックかつギターの効いたサウンドがかなり格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Cgf2soq9xY8
「Juazeiro」
Chico Anisio/Durval Ferreira/Orlandivo作。Donatoのクラヴィネットが印象的なファンキー・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=KBMNmzvc4ig
「Onde Anda O Meu Amor」
Roberto Jorge/Orlandivo作。本作のハイライトでしょう!覚醒的な鍵盤の音色、妖しげなフルート、シャープなリズム、気怠いOrlandivoの歌声が生み出すクールな音世界が格好良すぎです!
https://www.youtube.com/watch?v=O6LuulwamGw
「Disse Me Disse」
Chico Anisio/Durval Ferreira/Orlandivo作。軽快なメロウ・グルーヴ。小気味良いリズム、軽やかなフルート、DonatoのエレピがOrlandivoのヴォーカルを盛り上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=usswA5c4y5I
「Palladium」
Ed Lincoln/Orlandivo作。Ed Lincolnの代表曲としても知られる楽曲をセルフ・カヴァー。この演奏も大好き!メロウ&リズミックなブラジリアン・グルーヴが好きな人にはたまらないはず!
https://www.youtube.com/watch?v=rfdLPhdAZxE
「Bolinha De Sabao」
Adilson Azevedo/Orlandivo作。聴いているだけで晴れの日モードになれそうなメロウ・グルーヴ。休みの日にリラックスした気分で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pSfItlBCjBo
「A Felicidade」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Morais作の名曲をカヴァー。Donatoのメロウ・エレピがOrlandivoのサウダージ・ヴォーカルをサポートします。
https://www.youtube.com/watch?v=Pvcr77OL7MM
名曲「A Felicidade」に関して、当ブログではRamsey Lewis Trio、Kenny Drew、Milton Nascimento、Sirius B、Claude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's Seven、Diana Panton、Tania Maria、Suba、Vinicius Cantuariaのカヴァーも紹介済みです。ご興味のある方はそれらの記事もご参照下さい。
いよいよ9月ですね。
僕にとっては激動の9月になりそう・・・タイム・マネジメントだけはしっかりせねば!