発表年:1965年
ez的ジャンル:エレガント系ガールズR&Bグループ
気分は... :ミラクル起こるか・・・
今回は60年代ガールズR&Bグループ作品からThe Royalettes『It's Gona Take A Miracle』(1965年)です。
The Royalettesは1961年にボルチモアで結成された女性R&Bグループ。メンバーはRonnie Brown、Anita Ross、Sheila Ross、Terry Jonesの4名。
名コンポーザー/アレンジャー/プロデューサーTeddy Randazzoに見出され、1965年にリリースしたシングル「It's Gonna Take a Miracle」 が全国ヒットとなりました。Teddy Randazzoプロデュースの下、『It's Gona Take A Miracle』(1965年)、『The Elegant Sound of the Royalettes』 (1966年) という2枚のアルバムをリリースしています。
何といってもLaura Nyro、Deniece Williamsもカヴァーした「It's Gonna Take a Miracle」 ですよね。
僕の場合、リアルタイムでDeniece Williamsのカヴァー・ヒットに魅了され、その後Laura Nyroのカヴァーを聴き、最後にThe Royalettesのオリジナルを聴いたパターンです。ですので、僕の中ではDeniece Williamsヴァージョンの印象が強いのですが。
アルバム自体はTeddy Randazzoは、それまでのガールズR&Bグループとは異なる大人向けのエレガントは女性R&Bグループを狙っていたことがよくわかる内容になっています。その意味でソウルフル、キュートといった形容よりもエレガント、ドリーミーといった表現が似合います。
「Poor Boy」 、「You Bring Me Down」、「I Want To Meet Him」あたりにその方向性を確認できます。また、「Don't You Cry」、「Out of Sight, Out of Mind」、「Only When You're Lonely」あたりのキャッチーな魅力も捨て難いですね。
かなりお疲れモードです。ミラクルは起きないのか・・・
全曲紹介しときやす。
「It's Gonna Take a Miracle」
Teddy Randazzo/Lou Stallman/Robert Weinstein作。前述のように、シングルとして全米チャート第41位、同R&Bチャート第28位のヒットとなりました。ヒットといってもそれ程ではなかったんですね。僕はもっと大ヒットした曲だとばかり思っていました。このグループらしいエレガントな魅力に溢れたミラクル&ビューティフルなR&Bバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=G7Mxtdg752Q
Laura Nyro、Deniece Williamsヴァージョンと聴き比べるのも楽しいと思います。
Deniece Williams「It's Gonna Take a Miracle」
https://www.youtube.com/watch?v=YOXCvyfsjB8
「Poor Boy」
Teddy Randazzo/Bobby Weinstein作。この曲もシングル曲です。伸びやかなヴォーカルとドラマティックなアレンジが印象的なエレガント・ポップです。
https://www.youtube.com/watch?v=3wS2DD-4Vm8
「Watch What Happens」
Norman Gimbel/Michel Legrand作。当ブログでは、Stanley Turrentine、Elis Regina、Wes MontgomerySergio Mendes & Brasil '66、Tamba 4、Heraldo Do Monteのカヴァーも紹介済みの名曲です。抑えた雰囲気のメロウネスがいい感じのカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TqCw_YjVIrQ
「You Bring Me Down」
Teddy Randazzo/Bobby Weinstein作。Teddy Randazzoの曲作りの巧さを感じます。このグループの方向性がよくわかるメロウな仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=B8siqIMHA5M
「Yes, I'm Ready」
当時まだ17歳であったBarbara Masonの作品を取り上げています。甘く切ない雰囲気が伝わってくるラブ・バラードをしっとりと歌い上げます。
「Don't You Cry」
Sol Meshel/Teddy Randazzo/Bobby Weinstein作。60年代ガールズR&Bグループらしいキュートな躍動があります。このグループらしくはありませんが、コレはコレで好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=SVkBE5ciKx4
「I Want To Meet Him」
Teddy Randazzo/Lou Stallman/Bobby Weinstein作。男性コーラスも加わった透明感のあるバラード。このグループの魅力とTeddy Randazzoのサウンド・センスが結びついた素敵な仕上り。この曲もシングルになりました。
https://www.youtube.com/watch?v=SEq3Qo3EiXQ
「Out of Sight, Out of Mind」
Teddy Randazzo/Bobby Weinstein作。弾けた躍動感はアルバム随一。モッズ系がお好きな方は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=CTRKPdWBaeU
「How Can You Face Me」
Teddy Randazzo作。巧みな緩急のつけ方がTeddy Randazzoの手腕なのでしょうね。
「Only When You're Lonely」
Arthur Irwin/Irwin Schuster/Kenny Williams作。この曲も大好き。落ち着いた中にも華やかなキャッチーさあるのが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=k3LuFCWm2lQ
「He's Gone」
George Goldner/Arlene Smith作。先輩女性R&BグループThe Chantelsのカヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=BvN5I9OeaPQ
「Never Again」
Robert Harshman/Teddy Randazzo作。ラストは華やかな雰囲気で締め括ってくれます。ここでもTeddy Randazzoの手腕が光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=GyN8NLeBs9Y
CDには「(He Is) My Man」、「Take My Love (And Hide It From My Heart)」という2曲のボーナス・トラックが収録されています。
『The Elegant Sound of the Royalettes』 (1966年)