発表年:2015年
ez的ジャンル:ロマンティシズム系ネオ・ボッサ
気分は... :これぞ円熟味!
ブラジルものの新作からCelso Fonsecaの最新アルバム『Like Nice』です。
現在のブラジル音楽シーンを代表するギタリスト/シンガー/コンポーザー/プロデューサーCelso Fonsecaに関して、当ブログではこれまで6枚のアルバムを紹介済みです。
『Paradiso』(1997年) ※Celso Fonseca & Ronaldo Bastos名義
『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)
※Celso Fonseca & Ronaldo Bastos名義
『Natural』(2003年)
『Rive Gauche Rio』(2005年)
『Pagina Central』(2009年) ※Marcos Valle & Celso Fonseca名義
『No Meu Filme』(2011年)
前作『No Meu Filme』(2011年)は、AOR/シティ・ミュージック感覚の仕上がりで年末恒例の『ezが選ぶ2012年の10枚』にもセレクトしたお気に入り盤でした。
それ以来、約4年ぶりの新作となる『Like Nice』がひっそりと発売されました。
前作の時もそう思いましたが、彼ほどのミュージシャンであれば新作がもっと話題になってもいいのになぁと・・・・
その最新作『Like Nice』は、彼の人気作『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)の続編という位置づけらしいです。
レコーディングにはCelso Fonseca(vo、g、b)以下、Robertinho Silva(per)、Junior Moraes(per)、Jorge Helder(contrabass )、Jorge Barreto(p)、Marcos Valle(el-p)、Rildo Hora(harmonica)、Marcelo Martins(fl)、Ze Canuto(fl)、Dirceu Leite(fl)等が参加しています。Marcos Valleがローズで2曲参加しているのが嬉しいですね。
Fonseca本人とEduardo Souto Neto、Jesse Sadocがアレンジを手掛けています。
『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』の続編ということで、アルバム全体はストリングスを織り交ぜたネオ・ボッサな仕上りです。個人的には前作のシティ・ミュージック路線が大好きだったのですが、Celso Fonsecaらしさという点では、こういったネオ・ボッサ路線の方が馴染んでいるかもしれませんね。
美しいストリングスとCelso Fonsecaのギター&ヴォーカルの組み合わせ、お決まりのパターンのロマンティック・ボッサなのですが、ついつい聴き入ってしまうところにCelso Fonsecaというミュージシャンの魅力があるのでしょうね。
Classics IVのカヴァー「Stormy」以外はFonsecaのオリジナルであり、盟友Ronaldo Bastosとの共作も3曲含まれます。
さらに円熟味を増したCelso Fonsecaのギター&ヴォーカルに酔いしれましょう。
全曲紹介しときやす。
「Like Nice」
オープニングを飾るタイトル曲は、美しいストリングスと共に始まるロマンティックなボッサ・チューン。ギターは勿論のことFonsecaの脱力系ヴォーカルもナイスです!
https://www.youtube.com/watch?v=3vCwfnKdnLI
「O Que Vai Sobrar」
この曲も美しいストリングス&フルートがロマンティック・ムードを醸し出します。Fonsecaの脱力系ヴォーカルの味わいが何ともいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GCy1GDIaEiE
「Stormy」
Classics IVの名曲カヴァー(Buddy Buie/J.R. Cobb作)。当ブログではCafe Apres-midiのコンピにも収録されているThird Waveのドリーミー・カヴァーやReuben Wilson、Georgie Fameのカヴァーも紹介済みです。実は本作で最も頻繁に聴いているのがこの曲。お馴染みの名曲を素敵なメロウ・ボッサで聴かせてくれます。ここではMarcos Valleも参加し、メロウなローズを奏でています。
「Por Que Era Voce」
さり気ないボッサ・チューンですが、Fonsecaのギター&ヴォーカルが加わると、魔法の音楽になるから不思議ですね。
「Road to Paradise」
美しいボッサ・チューン。ストリングスと囁くようなFonsecaのヴォーカルの相性が実にいいですね。
「Onda Infinita Do Amor」
この曲にもMarcos Valleが参加しています。「Stormy」と並ぶ僕のお気に入り。Fonsecaならではの憂いを帯びたヴォーカルとMarcosのメロウ・エレピがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=M01fqi6uJCw
「I Could Have Danced」
ロマンティックなボッサという点では、この曲が一番ムードがあるかもしれませんね。夕暮れの海辺で聴いていたい演奏です。
「Rio 56」
エレガントなアレンジが秀逸なロマンティック・インスト・ボッサ。
https://www.youtube.com/watch?v=8KPacsmmRVk
「Cancao Que Vem」
Rildo Horaのハーモニカが印象的です。シンプルですがFonsecaらしさ存分に楽しめるボッサ・チューンです。
「Meu Silencio」
気取らない感じの演奏が印象的です。
「Ceu」
さり気ないですが、Fonsecaのギター&ヴォーカルではなければ出せない味わいがたまりません。美しいストリングスも実に効果的です。
「January In The Tropics」
フォーキー感覚のボッサ・チューンといった趣がいいですね。聴き重ねるほどに味わいが増します。
「Zum Zum」
ラストは印象的なズムズム・スキャットで締め括ってくれます。
Celso Fonsecaの過去記事もご参照下さい。
『Paradiso』(1997年)
『Juventude/Slow Motion Bossa Nova』(2001年)
『Natural』(2003年)
『Rive Gauche Rio』(2005年)
『Pagina Central』(2009年)
『No Meu Filme』(2011年)