発表年:1989年
ez的ジャンル:名プロデュース・チーム系NJS/R&B
気分は... :嵐の前の静けさ・・・
今回はDenzil FosterとThomas McElroyによる名プロデューサー・チームFoster & McElroyによるアルバムFoster McElroy『FM2』(1989年)です。
当ブログではFoster & McElroy絡みの作品として、Club Nouveau『Life, Love & Pain』(1986年)、The Nation Funktasia『In Search Of The Last Trump Of Funk』(1991年)を紹介済みです。
全米No.1ヒット「Lean on Me」(ご存知Bill Withersの名曲カヴァー)でお馴染みのClub Nouveau。二人は元Club Nouveauのメンバーです。また、The Nation Funktasiaは彼らが手掛けたP-Funkユニットです。
Club Nouveauで成功を収めた二人は、プロデュース業を手掛け、Tony! Toni! Tone!、En Vogueを世に送り出したことで、一躍人気プロデューサー・チームの地位を確立しました。当ブログで紹介した作品でいえば、Pure Soul『Pure Soul』(1995年)も彼らが関与しています。
そんな人気プロデューサー・チームが自分たちの名義で唯一リリースしたアルバムが本作Foster McElroy『FM2』(1989年)です。
アルバムにはデビュー前のEn Vogue(Terry Ellis、Dawn Robinson、Maxine Jones、Cindy Herron)がVogue名義で参加しています。それ以外にもTony! Toni! Tone!のRaphael SaadiqとDwayne Wiggins、Foster & McElroyが手掛けたユニットChannel 2(Carl Nickolas、Trisha Nickolas)がバック・ヴォーカルで参加しています。
それ以外にも人気Hip-HopグループStetsasonicのDaddy-OとMC Delite、女性ラッパーMC Lyte、Club Nouveau時代の同僚Samuelle Prater、男性R&BシンガーDerick Hughes、人気サックス奏者Grover Washington Jr.等がゲスト参加しています。
アルバム全体としては、シングルになった「Dr. Soul」、「Gotta Be A Better Way」をはじめとする80年代後半という時代を反映したNJS調の楽曲が目立つアルバムになっています。、Vogue(En Vogue)をフィーチャーした「Desperately」、「Waiting On You」の2曲は90年代の女性R&Bグループ・ブームを予感させます。また、シングルにもなった「Around The World In 80 Beats」はエキゾチックな香りのするクラブ寄りの音作りで楽しませてくれます。
それ以外にも人気プロデューサー・チームならではの巧みなサウンド・プロダクションを随所で聴かせてくれます。
なかなか聴き所の多い、色々な楽しみ方ができる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Dr. Soul」
MC LyteのラップをフィーチャーしたNJS調のアッパー・チューン。シングルとしてR&BチャートTop10入りのヒットとなりました。リードをとるKareemの男性ヴォーカルにMC Lyteのキレのある女性ラップが絡みます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z5M0lCXhKi8
「Gotta Be A Better Way」
StetsasonicのDaddy-OとMC Deliteのラップ、Derick Hughesの男性ヴォーカルをフィーチャー。バック・コーラスにはVogue(En Vogue)も参加しているNJSチューン。華やかでハネハネのダンサブル感がこの時代らしいですね。L.T.D.「(Every Time I Turn Around) Back In Love Again」ネタ。
https://www.youtube.com/watch?v=hPZPxylKDx8
「Yum Yum」
Sean Rodgersのヴォーカルをフィーチャー。妖しい雰囲気の漂うダンサブル・チューン。こういうの嫌いじゃありません。
「Desperately」
Vogue(En Vogue)をフィーチャー。En Vogueの初々しい魅力を楽しめるダンサブルなガールズR&Bです。90年代の女性R&Bグループ・ブームを予感させる1曲といえるかもしれませんね。
「Was It Good For You」
Derick Hughesのヴォーカルをフィーチャー。NJS期らしい独特のマイナー調のダンサブル感が懐かしいですね。
「Wanna Make You Feel Real Good」
Club Nouveau時代の同僚でもあるSamuelle Praterのヴォーカルをフィーチャー。Foster & McElroyのプロダクションの確かさを実感できます。
「Around The World In 80 Beats」
エキゾチックな妖しさが漂うダンス・チューン。他の曲とは雰囲気が異なるアンダーグラウンドな香りのするサウンドが印象的です。Thomas McElroyの鍵盤に注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=wpkmYvuC8m8
「Waiting On You」
再びVogue(En Vogue)をフィーチャー。En Vogueの1stアルバム『Born To Sing』(1990年)にもCDボーナス・トラックとして収録されている曲です。彼女達のコーラスワークを活かしたバラードです。Grover Washington Jr.がアルト・サックスで盛り上げてくれます。
「When You Kiss Me」
Randy Wilsonがリード・ヴォーカルをとるキャッチーなエレクトリック・ファンクで締め括ってくれます。
Foster & McElroy絡みの作品の過去記事もご参照下さい。
Club Nouveau『Life, Love & Pain』(1986年)
The Nation Funktasia『In Search Of The Last Trump Of Funk』(1991年)