2015年10月13日

Johnny Guitar Watson『Ain't That A Bitch』

ファンク色を強めたテキサス・ブルース☆Johnny Guitar Watson『Ain't That A Bitch』
Ain't That a Bitch
発表年:1976年
ez的ジャンル:テキサス・ファンク・ブルース
気分は... :やりすぎに抜け感が魅力!・

今回はファンク・ブルース作品Johnny Guitar Watson『Ain't That A Bitch』(1976年)です。

Johnny Guitar Watson(1935-1996年)はテキサス州ヒューストン出身のブルース・ギタリスト/シンガー。

1952年に初レコーディングに参加し、1953年にはソロ・デビューしています。その後もテキサス・ブルースを代表するアーティストとしてコンスタントに作品をリリースしています。

70年代に入り、今作紹介する『Ain't That A Bitch』(1976年)をきっかけに80年代初めにかけてファンク色を強めたアプローチで人気を博します。

1994年のアルバム『Bow Wow』がグラミー賞にもノミネートされ、見事に復活を果たしますが、1996年の来日ステージ中に心筋梗塞で倒れてしまい、そのまま帰らぬ人となりました。

そんなJohnny Guitar Watsonを代表する1枚が本作『Ain't That A Bitch』(1976年)です。前述のようにファンク色を強め、彼に転機をもたらしたアルバムです。

ギターに止まらないマルチ・プレイヤーであるWatsonがホーン以外の楽器を自らこなし、独自のサウンドを奏でています。その意味ではギタリスト作品にありがちなギター・サウンドの押し売りではなく、トータルなサウンドを重視した音作りをしています。

レコーディングにはJohnny Guitar Watson(g、vo、org、p、key、syn、b、ds、congas)以外に、Paul Dunmall (sax)、Bruce Fowler(tb、horn)、Peter Martin(tp)、Tommy Robertson(tb)、Emry Thomas(ds、back vo)が参加しています。

シングル・ヒットし、定番サンプリング・ソースとしても有名な「Superman Lover」、本作らしいファンク・ブルース「I Need It」、猥雑ファンキー・チューン「Ain't That a Bitch」あたりが聴きどころです。メロウ・ソウル調の「Won't You Forgive Me Baby」、スロー・ブルース「We're No Exception」あたりもオススメです。

全体として実に都会的なサウンドですが、決してやり過ぎず、Watsonの歌も含めて適度な抜け感があるのがアルバムの魅力だと思います。

楽曲はすべてWatsonのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「I Need It」
本作らしいグルーヴィーなファンク・ブルースでアルバムは幕を開けます。シングルにもなりました。ホーン・サウンドも含めて開放的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=U7ZpcwGhiT0

「I Want to Ta-Ta You Baby」
Etta JamesやLeela Jamesもカヴァーしたブルース・チューン。都会的なブルージー感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=cmKLXaKle1I

「Superman Lover」
Renaldo Reyとの共作。前述のように本作のハイライト。シングルとしてR&Bチャート第19位となりました。キャッチーなファンク・ブルースはソウル/ファンク好きの人も気に入るはず!Watsonのギター・プレイも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=lFN-0GLoMyE

定番サンプリング・ソースとしても有名です。Redman「A Day of Sooperman Lover」、Ice Cube「The Predator」 、Ghostface Killah「Supa GFK」、Lady of Rage「Afro Puffs」、Compton's Most Wanted「Compton's Lynchin'」、K.M.D.「Mr. Hood At Piocalles Jewelry/Crackpot」、Special Ed「Ya Wish Ya Could」、Montell Jordan「Superlover Man」、Chico DeBarge feat. Redman & Erick Sermon「Soopaman Lover」、Mad Skillz「The Nod Factor」 、Monifah「Don't Waste My Time」、Quasimoto「Broad Factor」等でサンプリングされています。

Redman「A Day of Sooperman Lover」
 https://www.youtube.com/watch?v=C1N-8IeQMMo
Ice Cube「The Predator」
 https://www.youtube.com/watch?v=8IFOcybFyNw
Ghostface Killah「Supa GFK」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZDyfNGDZTj4
Lady of Rage「Afro Puffs」
 https://www.youtube.com/watch?v=yNqIJ3e0OJw
Compton's Most Wanted「Compton's Lynchin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=A-4rsCNfbNI
K.M.D.「Mr. Hood At Piocalles Jewelry/Crackpot」
 https://www.youtube.com/watch?v=0014sgo_UTg
Special Ed「Ya Wish Ya Could」
 https://www.youtube.com/watch?v=WVPxJK8WzMk
Montell Jordan「Superlover Man」
 https://www.youtube.com/watch?v=0qUc76kiPGc
Chico DeBarge feat. Redman & Erick Sermon「Soopaman Lover」
 https://www.youtube.com/watch?v=uTPlLUT205I
Mad Skillz「The Nod Factor」
 https://www.youtube.com/watch?v=IDvMv60Vfc8
Monifah「Don't Waste My Time」
 https://www.youtube.com/watch?v=K9zZJStlIhw
Quasimoto「Broad Factor」
 https://www.youtube.com/watch?v=TtyZky2uqwc

「Ain't That a Bitch」
ファンキーな味わいのタイトル曲。ジャケの雰囲気そのままな猥雑モードな感じが魅力です。Watsonのキャラがそのまま音になったようでいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=O97YdDnNl8Q

Big Lady K「Don't Get Me Started」、Luke「Ain't That a Bitch Part I」、Yo-Yo「Home Girl Don't Play Dat」、X-Con「Life's a Bitch」、Sporty-T「Jackin' for Bounce」、Jemini「Funk Soul Sensation」等のサンプリング・ソースとなっています。
Jemini「Funk Soul Sensation」
 https://www.youtube.com/watch?v=L8fXix0UqTM

「Since I Met You Baby」
リラックスした雰囲気のジャジー・ブルース。ギターの音色やホーン・サウンドに土臭さはなく都会的な感じが本作らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zPcFIOE4kwA

「We're No Exception」
しみじみと歌い上げるバラード。引き算のスロー・ブルースって感じがシブくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=g3UXg7WpUTA

Talib Kweli feat. will.i.am「Hot Thing」のサンプリング・ソースとなっています。
Talib Kweli feat. will.i.am「Hot Thing」
 https://www.youtube.com/watch?v=UUPCBmcpNzk

「Won't You Forgive Me Baby」
都会的なメロウ・ソウル調の仕上がり。歌もサウンドも適度に力が抜けているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=t0KB3laijgM

「I Need It (7" Single Edit)」
「I Need It」のシングル・エディット。

「Superman Lover (7" Single Edit)」
「Superman Lover」のシングル・エディット。

Johnny Guitar Watsonの他作品もチェックを!

『A Real Mother for Ya』(1977年)
Real Mother for Ya

『Funk Beyond the Call of Duty』(1977年)
Funk Beyond the Call of Duty

『Giant』(1978年)
Giant

『What the Hell Is This』(1979年)
What the Hell Is This

『Love Jones』(1980年)
Love Jones

『Johnny Guitar Watson & The Family Clone』(1981年)
Johnny Guitar Watson & The Family Clone

『Strike on Computers』(1984年)
Strike on Computers

『Bow Wow』(1994年)
Bow Wow
posted by ez at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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