2015年10月17日

Voices In Latin『Something Cool』

女性シンガー/アレンジャーの才が発揮されたセルメン路線のポップ作品☆Voices In Latin『Something Cool』
Something Cool
発表年:1968年
ez的ジャンル:女性シンガー/コンポーザー/アレンジャー系ラテン・ポップ
気分は... :実にクール!

今回はUKの女性シンガー/コンポーザー/アレンジャーBarbara MooreによるユニットVoices In Latinの『Something Cool』(1968年)です。

いわゆるライブラリー・ミュージックをメインに活動してきた人なので、なかなか表舞台で出てくることは少ないですが、長きに渡りUK音楽業界に貢献してきた人です。

Barbara Mooreは1932年イギリス、ブラッドフォード生まれ。父Arthur Birkbyが著名なアレンジャーであった影響で、彼女も音楽の道を歩むようになります。

彼女自身は父と同じくアレンジャーを目指していましたが、当時の音楽業界では女性アレンジャーが活躍できる環境が整っておらず、セッション・シンガー/ピアニストとして、テレビ、ラジオ、レコーディングの仕事をこなし、キャリアを重ねていきます。BBCの人気音楽番組『Top of the Pops』等で有名ミュージシャンのバック・コーラスを務めた女性ヴォーカル・グループThe Ladybirdsにも参加していた時期があるようです。

1966年にはソロ・アルバム『A Little Moore Barbara』をリリースし、それに続いてリリースされたのがVoices In Latin名義でリリースされた本作です。

一応、Voices In Latinはヴォーカル・グループという体裁をとっていましたが、実質はBarbara Mooreのソロ・アルバムと言って差し支えないでしょう。バック・ヴォーカルにはLadybirdsの中心シンガーMaggie Stredderも参加しています。

本国UKでは『Voices In Latin』、USでは『Something Cool』のタイトルでリリースされました。上記ジャケはUS盤であり、UK盤はジャケも異なります。お馴染みなのはコチラのUS盤ジャケなのでは?

アルバムの内容としては、ユニット名からも想像できますが、Sergio Mendes & Brasil '66を意識したラテン・フレイヴァーのポップ・アルバムに仕上がっています。ヴォーカル&スキャットを配した小粋なポップ・サウンドは、Barbaraのアレンジャーとしての才を楽しむにはうってつけかもしれません。

有名曲カヴァー、オリジナル曲共に曲良し、ヴォーカル&スキャット良し、アレンジ良しと三拍子揃っているのがいいですね。Barbara本人の小粋なピアノが意外に効いているので、そのあたりでも楽しめます。

セルメン好きの人は間違いなく気に入るはず!

全曲紹介しときやす。

「Sunshine Superman」
Donovanの大ヒット曲をカヴァー。少しテンポを上げた躍動感のあるグルーヴィーな仕上がりがかなりいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=woV-KX5mhnc

「Hideaway」
Barbara Moore作。素敵なコーラスワークと透明感のあるサウンドにグッときます。実にロマンティックです。
https://www.youtube.com/watch?v=5abK61aJZ4s

「Bidin' My Time」
Georgie Fameのカヴァー。スウィンギン・ロンドンのヒップな感覚も取り入れた小粋なアレンジが絶品です。

「Busy」
Barbara Moore作。セルメン好きの人であれば、Barbara自身の小粋なピアノとコーラス・アレンジにセルメン好きの人はグッとくるはず!

「I've Walked Alone」
Barbara Moore作。ソフトリーな魅力にうっとりしてしまいます。「Hideaway」とセットで聴くとサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=VPaG8raZbDY

「Sunny」
Bobby Hebbの1966年のヒット曲のカヴァー。お馴染みの曲ですが、グッと抑えたアダルトな雰囲気のヴォーカル&アレンジがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YAJjcTFC6dQ

当ブログでは以前にDusty SpringfieldBirgit LystagerClementineAnn BurtonJose FelicianoPapikのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそれらもチェックを!

「Tea For Three」
Barbara Moore作。Barbaraの小粋なピアノが牽引するボッサ・ポップ。キュートなスキャットも含めてかなり僕好みの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=xnVLBRb9QM4

「How Do You Know」
Barbara Moore/Tony Kemp作。Barbaraのアレンジャーとしての才が存分に発揮されたラテン・ポップ。何処となくUKっぽさもあっていいですね。僕の一番のお気に入り。

「The Look Of Love」
Dusty Springfieldのヒットでお馴染みのBurt Bacharach/Hal David作品(映画007シリーズ『Casino Royal』の主題歌)のカヴァー。当ブログではDelfonicsGimmicksChristopher ScottCharles Hullのカヴァーも紹介済みです。ここではテンポを落としたムーディーな仕上りで聴かせてくれます。

「Sara」
Barry Morgan作。ラストはグルーヴィーなブラジリアン・グルーヴで格好良くキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=g7bwv0qkN0s

本作以外のBarbara Moore作品であれば、『Vocal, Shades and Tones』(1972年)が代表作のようです。

Barbara Moore『Vocal, Shades and Tones』(1972年)
Vocal, Shades and Tones
posted by ez at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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