発表年:2000年
ez的ジャンル:UKクラブジャズ・クラシック
気分は... :ダークな格好良さ!
UKクラブジャズ・クラシックよりTwo Banks Of Four『City Watching』(2000年)です。
Two Banks Of Four(2BO4)は元GallianoのRob Gallagherと、Young Disciples等を手掛けた敏腕エンジニアのDemus(Dill Harris)によるクラブジャズ・ユニット。
これまで『City Watching』(2000年)、『Three Street Worlds』(2003年)、『Junkyard Gods』(2008年)という3枚のアルバムをリリースしています。
アルバムの完成度という点では、「Banks Of The Nile」、「One Day」といった名曲を収録の2nd『Three Street Worlds』(2003年)も捨て難いですが、アンダーグラウンドなダーク感とシャープな格好良さが目立つと同時に、今年に入って再発CDがリリースされ再び注目が高まっている1st『City Watching』(2000年)を取り上げました。
レコーディングにはKate St. John(reeds)、Chris Bowden(sax)、Kevin Davey(tp)、Sally Herbert(violin)、Andy Hamill(b)、Alias Nelson(g)、Tony Vegas(scratches)、Culture G(vo)、Doug & Jean Caramouce(vo)、Marsha White(vo)、Paul Jason Fredericks(vo)、The Red Egyptians(vo)が参加しています。また、Ski Oakenfullがアレンジが参加しています。
全体として、プログラミングと生音を巧みに融合させたUKクラブジャズ・クラシックと呼ばれるに相応しい内容になっています。ダンス・ミュージックでありながら、しっかりジャズしているのが魅力ですね。
ダークでミステリアスなクラブ・アンセム「Skylines Over Rooftops」、ブロークンビーツ感覚の好カヴァー「Afro Blue」、エキゾチックなスピリチュアル・ジャズ「Erols Cafe」、荒削りな疾走感が格好良い「Last Dance」等が僕のオススメです。
UKクラブジャズらしい格好良さに溢れた1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Skylines Over Rooftops」
オススメその1。ダークでミステリアスな魅力を持ったオープニングはクラブ・アンセム。中盤以降のアンダーグラウンドな疾走感がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=G4eky6_y9sE
「Theme De La Tete」
ワルツ調の美しいインスト。映画のサントラのような趣がありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=nHPyWsq3ac8
「Afro Blue」
オススメその2。Mongo Santamaria作の人気アフロ・キューバン・クラシックをカヴァー。John ColtraneやDee Dee Bridgewater、最近ではErykah BaduをフィーチャーしたRobert Glasper Experimentのカヴァーでもお馴染みですね。本ヴァージョンは女性ヴォーカルをフィーチャーしたブロークンビーツ感覚で疾走するクラブジャズで聴かせてくれます。間違いなく格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=88e3MlG7L-o
「Time Flies」
ダークな緊張感がUKクラブジャズっぽいですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=7AbdajJJW20
「Erols Cafe」
オススメその3。タイトルにそそられます(笑)。Pharoah Sanders「Village Of The Pharoahs」を引用したエキゾチックな雰囲気の実験的なスピリチュアル・ジャズ。
「Last Dance」
オススメその4。荒削りな疾走感が格好良いダンス・チューン。コズミックな雰囲気やスクラッチも含めてグッド!終盤のトランペットもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=otZ_E0N2fTU
「Speedy's Auto Repair」
ダークに疾走するインスト。タイトル通りスピーディーです。
「Perilous Ways」
オススメその5。アシッド・ジャズ重要バンドGalliano出身らしいジャズHip-Hop。Tony Vegasによるスクラッチもかなり効いています。
「Hook & A Line」
オススメその6。本作らしい格好良いダークネスを堪能できる1曲。闇夜を駆け抜けていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CLYF318Ahpg
「Routemaster」
ミステリアスかつ哀愁モードで疾走るインスト。ロンドンの曇り空が似合いそうな雰囲気ですね。
「Street Lullaby Pt. 1/Lullaby Reprise」
哀愁モードのヴォーカル・チューン。美しいストリングスが雰囲気を盛り上げてくれます。後半はディープなインストへ展開します。
https://www.youtube.com/watch?v=u24owmN3TbY
「Street Lullaby (2 Banks Of 4 Remix)」
国内盤ボーナス・トラック。「Street Lullaby」のリミックスその1。
「Street Lullaby (Fourtet Remix)」
国内盤ボーナス・トラック。オススメその7。「Street Lullaby」のリミックスその2。Four Tetによるリミックスです。個人的にはオリジナル以上に、フューチャリスティックなダンス・チューンに仕上がった本リミックスが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=xNTHRMAgCkU
Two Banks Of Fourの他作品もチェックを!
『Three Street Worlds』(2003年)
『Junkyard Gods』(2008年)