発表年:1972年
ez的ジャンル:Barry White系女性ソウル・グループ
気分は... :無限の愛を・・・
今回はBarry Whiteに見出された女性ソウル・グループLove Unlimitedのデビュー・アルバム『Love Unlimited』(1972年)です。
※タイトルが『From A Girl's Point of View We Give to You... Love Unlimited』の盤もあります
Love Unlimitedは1969年L.A.で結成された女性ソウル・グループ。メンバーはGlodean James、Linda Jamesの姉妹にDiane Taylorを加えた3名。メンバーのうち、Glodeanは1974年にBarry Whiteと結婚しています。
Barry Whiteに見出された彼女達はBarryの指導の下でヴォーカル・グループしとしての実力に磨きをかけ、1972年にレコーディングの機会を得ます。そして、Barry Whiteプロデュースでデビュー・シングル「Walking In The Rain With The One I Love」をリリースします。同曲は全米チャート第14位、全米R&Bチャート第6位のヒットとなり、大きな成功を収めました。同年に今回紹介するデビュー・アルバム『Love Unlimited』もリリースしています。
「Walking In The Rain With The One I Love」の成功は、Love UnlimitedのみならずBarry Whiteにも大きな転機をもたらします。1973年にはBarry White自身の初ソロ・アルバム『I've Got So Much to Give』が大ヒットし、彼自身が人気アーティストの仲間入りをします。さらにLove Unlimitedと自身のバックバンドとして総勢40名のLove Unlimited Orchestraを結成し、Love Unlimited Orchestra名義での作品もリリースするようになりました。
Love Unlimitedは、その後『Under the Influence of... Love Unlimited』(1973年)、『In Heat』(1974年)、『He's All I've Got』(1976年)、『Love Is Back』(1979年)といったアルバムをリリースしています。
『Under the Influence of... Love Unlimited』には、後にLove Unlimited Orchestra名義でシングル・リリースし、全米チャートNo.1ヒットとなった「Love's Theme」が収録されています。また、『In Heat』からのシングル「I Belong to You」は全米R&BチャートNo.1となりました。
ということで、本作はLove UnlimitedやBarry Whiteの原点と呼べるアルバムだと思います。真っ赤な夕陽のジャケはグループ名の通り、無限の愛を感じますね。
現在CDは入手しづらい状況であり、中古相場もそれなりの高値になっていますね。僕自身も中古で本作を購入しましたが、ショップで購入前に値段の確認を見落とし、会計後に高値で購入したことに気づいた苦い思い出があります。それでも内容には大変満足していますし、今では手元に置くことができ良かったと思っています。
Barry Whiteがプロデュースし、BarryとGene Pageとアレンジを手掛けています。
前述のヒット曲「Walking In The Rain With The One I Love」以外にも、「I Should Have Known」、「Is It Really True Boy - Is It Really Me」、「If This World Were Mine」、「Together」などドラマチックなストリングスをバックにした素敵なラブ・ソングが収録されています。
聴いているだけで、無限の愛を感じずにはいられない素敵な愛のアルバムです。
全曲紹介しときやす。
「I Should Have Known」
オススメその1。邦題「愛のフィーリング」。Barry White/Robert Relf作。聴いているだけで愛しい気持ちで胸が一杯になるラブ・ソングです。素晴らしいストリングスと切ないヴォーカルに涙腺が緩んできます。
https://www.youtube.com/watch?v=BDJrFZsPesY
9th Wonder「That Days Out」でサンプリングしています。
9th Wonder「That Days Out」
https://www.youtube.com/watch?v=RbwItA5oteo
「Another Chance」
邦題「今一度のチャンス」。Barry White/Tom Brocker作。エレクトリック・シタールとストリングスをバックに、素敵なヴォーカル・ワークを聴かせてくれます。甘く切ない雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=MU-P0oTf8Ro
「Are You Sure」
Diane Taylor/Glodean James/Linda James作。メンバー自身のソングライティングです。女性コーラス・グループらしいヴォーカルを堪能できる素敵なラブ・ソングです。
https://www.youtube.com/watch?v=DJZg5fxKwfs
「Fragile - Handle With Care」
邦題「恋は"取扱注意"」。Barry White作。キュートなヴォーカル・ワークが強調された本曲を聴いていると、彼女達の歌声がバックに負けない魅力を持っていることを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=G3gRVHq5arQ
「Is It Really True Boy - Is It Really Me」
オススメその2。邦題「本気にしてもいいのね」。Barry White作。Barry Whiteの囁きと共に始まるドラマティックなラブ・ソング。Barry Whiteワールドを存分に楽しめる感動的な仕上りです。
https://www.youtube.com/watch?v=4StG-Af-gpI
Cyhi Da Prynce feat. Tate Dumonde & Crystal Renee「Is It Me」でサンプリングされています。
Cyhi Da Prynce feat. Tate Dumonde & Crystal Renee「Is It Me」
https://www.youtube.com/watch?v=9ENM8QEdIZs
「I'll Be Yours Forever More」
オススメその3。邦題「永遠にあなたのもの」。Barry White作。60年代ガールズ・ソウル的な魅力を持つポップな仕上り。エヴァーグリーン的なキャッチーさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vbUOCywEFO0
「If This World Were Mine」
オススメその4。邦題「すべて思うままになったら」。Marvin Gaye作。Marvin Gaye & Tammi Terrell、1967年のシングル曲をカヴァー。素晴らしいアレンジが冴え渡るビューティフル・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HGn_sl923YU
Jean Grae & 9th Wonder「This World」、Left Side「Cambiamenti」のサンプリング・ソースとなっています。
Jean Grae & 9th Wonder「This World」
https://www.youtube.com/watch?v=K8ZuYdj51j0
Left Side「Cambiamenti」
https://www.youtube.com/watch?v=p7H_9qKwGl4
「Together」
オススメその5。Kenneth Gamble/Leon Huff作。Intruders、1966年のヒット曲をカヴァー。彼女達のキュートな魅力を上手く引き出した好カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Pe2utmfBRtc
「Walking In The Rain With The One I Love」
オススメその6。邦題「恋の雨模様」。Barry White作。全米チャート第14位、全米R&Bチャート第6位となったグループを代表するヒット曲で締め括ってくれます。雨の効果音や(Barry Whiteとの)電話でのやりとりも含めて、1曲の中にドラマがある感動のラブ・ソングですね。聴く者を恋の主人公にしてくれる素敵な名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=TamdHlPm_IA
当ブログで紹介したStetsasonic「Walkin' in the Rain」、Estelle「In The Rain」をはじめ、Masta Ace「Survival」 、Ice-T「Walking in the Rain」 、Strange Fruit Project「Hip Hop」 、Five Deez「Skinterlude」、O.C.「What Am I Supposed to Do?」、LeToya Luckett「U Got What I Need」、Termanology「22 Years」等のサンプリング・ソースになっています。 また、The Romanceers、Danny Pearson、Faye Wongがカヴァーしています。
Danny Pearson「Walkin' in the Rain with the One I Love」
https://www.youtube.com/watch?v=DQPwrpfAhDs
The Romanceers「Walking In The Rain With The One I Love」
https://www.youtube.com/watch?v=0r3u9Wrq20o
Estelle「In The Rain」
https://www.youtube.com/watch?v=HqykhsFDtIg
Masta Ace「Survival」
https://www.youtube.com/watch?v=6-PIR7eZyVM
Ice-T「Walking in the Rain」
https://www.youtube.com/watch?v=XKNsy8DBUHY
Strange Fruit Project「Hip Hop」
https://www.youtube.com/watch?v=YSQ2FGJia48
O.C.「What Am I Supposed to Do?」
https://www.youtube.com/watch?v=8Q4frzGLS0I
LeToya Luckett「U Got What I Need」
https://www.youtube.com/watch?v=wDJjNEawYyM
Termanology「22 Years」
https://www.youtube.com/watch?v=vW4dCw4kA7c
Love Unlimitedの他作品もチェックを!
『In Heat』(1974年)
『He's All I've Got』(1976年)
『Love Is Back』(1979年)