発表年:2012年
ez的ジャンル:ブラジリアン・エクスペリメンタル
気分は... :長いタイトルですが・・・
今回はブラジル音楽に風穴を開ける異才アーティストLucas Santtanaの『The God Who Devastates Also Cures (O Deus Que Devasta Mas Tambem Cura)』(2012年)です。
1970年バイーア州サウヴァドール生まれのクリエイター/マルチ・インスト奏者Lucas Santtanaの紹介は、『Sem Nostalgia』(2009年)に続き2回目となります。
本作『O Deus Que Devasta Mas Tambem Cura』(2012年)は、ブラジル音楽シーンに大きなインパクトを与えた前作『Sem Nostalgia』(2009年)のヒットを受けて制作されたアルバムです。
ただし、気負った部分は全くなく、媚びずに自身の音世界を構築している感じがいいですね。
プロデュースはLucas SanttanaとChico Neves。
レコーディングにはMarcelo Callado (ds)、Ricardo Dias Gomes(b)、Gustavo Benjao(g)というDo Amorのメンバーをはじめ、Letieres Leite & Orkestra Rumpilezz、Kassin、Ceu、Gui Amabis、Rica Amabis、CuruminGilberto Monte、Bruno Buarque、Marcos Gerez、Mauricio Fleury(Bixiga70)等が参加しています。
正直、前作ほどのインパクトやキャッチーさはありませんが、サウンドのバラエティ感は増しており、Lucas Santtanaの音楽性の幅を楽しめる1枚に仕上がっています。特にスカ/レゲエ/ダンスホール調の曲やホーン・サウンドを強調した曲は印象的です。
まず聴くべきは『Sem Nostalgia』だと思いますが、同作をお聴きの方はコチラもチェックを!
全曲紹介しときやす。
「O Deus Que Devasta Mas Tambem Cura」
オープニングを飾るタイトル曲にはLetieres Leite & Orkestra Rumpilezzが客演しています。エクスペリメンタルなローファイ・サウンドにLetieres Leite & Orkestra Rumpilezzによるホーン・アンサンブルが加わり、不思議な音空間を創り出します。
https://www.youtube.com/watch?v=DootzirnK8A
「Musico」
ブラジルのロック・バンドOs Paralamas Do Sucessoのカヴァー(Herbert Vianna/Bi Ribeiro/Tom Ze作)。ソングライティングにはTom Zeも参加しています。サンパウロ出身の女性シンガーのCeu、Ceuの公私のパートナーGui Amabis、日系ブラジル人アーティストCuruminが参加しています。Lucasの本領発揮のエクスペリメンタルなサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=KbWRNuzXAfI
「Jogos Madrugais」
オルタナ・ロック的エッセンスの効いた仕上り。ダンサブルな感じもあってなかなかキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=xWvZc2mRyoU
「E Sempre Bom Se Lembrar」
KassinやGui Amabisが参加。美しいストリングスと幻想的なサウンドが別世界へと誘ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RtnQ6dcYjCc
「Tanto Faz」
ダビーなレゲエ調の仕上がり。Lucasらしいエクスペリメンタルなスパイスも効いていていい感じです。
「Ela E Belem」
Gilberto Monte参加。ダンスホール的サウンドのパートとオーケストレーション的なパートとのコントラストが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=01C2Ki77-ck
「Vamos Andar Pela Cidade」
リラックスしたホーン・アンサンブルが印象的なインスト曲。
https://www.youtube.com/watch?v=JlTdSqosTGI
「Now No One Has Anything」
作り込みすぎないローファイ感が魅力です。さり気ないですが侮れない1曲です。こういうの好き!
「Se Pa Ska. S.P.」
ダビーなスカ・サウンドが印象的な曲です。映画『Pulp Fiction』でも使われたDick Dale & His Del-Tones「Misirlou」風のサーフ・ロック・ギターがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_xueUfiG-Fg
「O Paladino E Seu Cavalo Altar」
ダンサブルなアッパー・チューン。一気に駆け抜けます。
https://www.youtube.com/watch?v=Lv-0IP82s8E
「Dia De Furar Onda No Mar」
Lucasらしい隠し味を効かせた哀愁のブラジリアン・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=E5aDgW_sR2Q
「Para Onde Ira Essa Noite?」
ラストはメリハリの効いた哀愁メロウ・サウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0hwH8TmiBpg
Lucas Santtanaの他作品もチェックを!
『Eletro Ben Dodo』(2000年)
『Parada De Lucas』(2003年)
Lucas Santtana & Selecao Natural『3 Sessions in a Greenhouse』(2006年)
『Sem Nostalgia』(2009年)
『Sobre Noites E Dias』(2014年)