発表年:2003年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :青の美学!
今回はSchemaの看板アーティストGerardo Frisinaの『Hi Note』(2003年)です。
イタリア、ミラノ出身のプロデューサー/DJであるGerardo Frisinaに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚です。
『Ad Lib』(2001年)
『The Latin Kick』(2005年)
『Join The Dance』(2010年)
『Movement』(2014年)
Nicola Conteと並ぶイタリアのジャズ・ダンス・シーンのマエストロであるGerardo Frisinaの人気を決定付けた1枚かもしれませんね。
本作『Hi Note』は、Frisinaが自身のスタイルを確立させたアルバムであり、Frisinaの代名詞とも呼べるラテン/アフロ・キューバン色の強いクラブジャズ・サウンドで楽しませてくれます。生音感を前面に出しつつ、テクノロジーのスパイスを効かせるサジ加減が絶妙です。
Gerardo Frisinaがプロデュースを手掛け、レコーディングには同じくSchemaの人気ユニットSoulstanceのGianni Lo Greco(ds)、Enzo Lo Greco(b、p)というLo Greco兄弟、Lo Greco兄弟らによるユニットMilano Jazz Dance Comboにも参加していたMarco Brioschi(tp)、さらにはLuigi Bonafedea(p)、Jorge Gonzales(per)、Emanuele Cisi(ts)、Andrea Dulbecco(vib)、Alan Farrington(vo)といったミュージシャンが参加しています。
1stアルバム『Ad Lib』(2001年)と比較して、ホーン隊を加えることで、より生音ジャズ感覚が強調されています。一方でSchemaらしいダンサブルなビートも生音の邪魔にならない程度に効いています。
どの曲にもGerardo Frisinaらしいセンスに溢れた間違いのないラテン/アフロ・キューバン・クラブジャズに仕上がっています。
「Beyond The Moon」以外はFrisinaとEnzo Lo Grecoのオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「Inviolatin」
Enzo Lo Grecoの格好良いベースが牽引する疾走感のあるラテン・ジャズで幕を開けます。抜けのいいホーン・サウンドが本作らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_Y2jmJxpwMY
「Joyas」
ドラムンベース調ですが、モーダルなベースやアフロ・キューバンなパーカッション&ホーン隊も効いたSchemaらしいハイブリッドなクラブジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ab_V-rJmifc
「Bluesanova」
ジャズ・サンバ調の本曲は人気の1曲ですね。Luigi Bonafedeaの小粋なピアノが疾走する演奏に優雅さを加えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9kl3sU_id58
「Intenso」
シングル・カットもされた曲。個人的にも一番のお気に入り。モーダルな疾走感がたまりません。生音ジャズ感覚を強調しつつ、Schemaらしいテクノロジーによるダンサブル感のスパイスがしっかり効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=TLb9poKh74s
「Beyond The Moon」
B. Harrington作。Alan Farringtonの男性ヴォーカルをフィーチャーした大人のジャズ・ヴォーカル・チューン。落ち着きのあるエレガント感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=53F5-6HjIRQ
「Saeta '03」
Andrea Dulbeccoのヴァイヴが程良く効いたモーダルなジャズ・ダンス・チューン。ダイナミックなホーン・サウンドが全体に躍動感を与えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8fmsY_FePpA
「Cubana」
12インチもリリースされたアフロ・キューバンなジャズ・ハウスといった趣のダンス・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=a-poJxLJZQU
「Ombroso」
Andrea Dulbeccoのヴァイヴが心地好いアフロ・キューバン色の強い仕上がり。ダンサブルなビートとアフロ・キューバンな雰囲気たっぷりのホーン隊やパーカッションの組み合わせがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=X35BXmTS5PY
「Zambele」
この曲もジャズ・ハウス色の強いアフロ・キューバン・チューンです。ここではEnzo Lo Grecoがピアノを弾いています。
https://www.youtube.com/watch?v=0DegE2FP6q4
「Sophisticated Samba」
Luigi Bonafedeaのピアノが冴える小粋なジャズ・サンバ。エレガントさとダンサブル感のバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=4opscDo301E
「Heading For What I Know」
ハードバップ的な格好良さを打ち出しています。Emanuele Cisiのサックスがキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=h0gfw89i8Do
「On The Edge」
本編のラストはモーダルなジャズ・ダンスで締め括ってくれます。ここでも生音とテクノロジーを見事に融合させています。終盤にはドラムンベース調の展開も聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mkYMlKDHaaU
国内盤ボーナス・トラックとして「Gica's Dance(reworked by the Nicola Conte Jazz Comb)」が追加収録されています。
Gerardo Frisinaの他作品もチェックを!
『Ad Lib』(2001年)
『The Latin Kick』(2005年)
『Note Book: A Journey In Sound The Remix』(2007年)
『Join The Dance』(2010年)
『Movement』(2014年)