発表年:1980年
ez的ジャンル:都会派フォーキー
気分は... :この落ち着きにホッ!・・・
今回はハートウォーミングな温もりと都会的なセンスが魅力の男性シンガー・ソングライターKenny Rankinの『After The Rose』
Kenny Rankin(1940-2009年)の紹介は、『Silver Morning』(1974年)に続き2回目となります。
『Like a Seed』(1972年)、『Silver Morning』(1974年)らと比べて一段落ちるといった評価がネット上で散見される本作ですが、個人的にはそんなに悪い作品だとは思いまません。確かに地味ですが、逆にアルバム全体の落ち着いた雰囲気にホッとさせられる作品です。
前作でアレンジを務めていたDon Costaがプロデュースを手掛けています。オープニングの「Regrets」のみArif Mardinがプロデュースしています。
レコーディングにはKenny Rankin(vo、g)、Peter Marshall(b)、Wendy Haas(key)、
John Guerin(ds)、Roy McCurdy(ds)等が参加しています。
「With a Little Help from My Friends」 、「Lyin' Eyes」といった有名曲カヴァーや、「Regrets」、「One More Goodbye, One More Hello」、「Down the Backstairs of My Life」といったセレクトの妙が光るカヴァー、さらにはオリジナルを織り交ぜた構成になっています。
個人的には都会的なメロウ・フォーキー「Strings」、素敵なメロウ・バラード「Woman, Woman」というオリジナル2曲が特にお気に入りです。
この1週間激務でグロッキー気味の僕にとって、一息つくには本作の落ち着きがとてもフィットします。
全曲紹介しときやす。
「Regrets」
Barbara Wyrick作。Teach-In、James Brown、Andy Williamsもカヴァーしている曲です。Kenny Rankinらしいハートウォーミングな語り口が染み入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=XyNMzzDJqVw
「With a Little Help from My Friends」
John Lennon/Paul McCartney作。お馴染みのBeatlesソングをカヴァー。これまでも
「Blackbird」、「Penny Lane」、「While My Guitar Gently Weeps」といったBeatlesソングをカヴァーしてきたRankinですが、ここでは美しいストリングスを配したビューティフルな「With a Little Help from My Friends」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1drhbQwFQI8
「Strings」
Kenny Rankin/Jack Siegel作。僕の一番のお気に入り。都会的なメロウ・フォーキー感がRankinのジェントル・ヴォーカルとよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=pU4YQ8QY3oQ
「Cue, No. 2」
インタルード的な小曲。
「Lyin' Eyes」
Glenn Frey/Don Henley作。Eaglesのヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『One of These Nights』に収録されています。このヒット曲を素朴な味わいで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=za_Tdbe5lsI
「After the Roses」
Teddy Costa/Kenny Rankin作。タイトル曲は都会的なフォーキー・チューンです。何処かミステリアスな雰囲気も漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=GO1JGeN2xWQ
「What Matters Most」
Alan Bergman/Marilyn Bergman/Dave Grusin作。美しいストリングスの音色が印象的なバラード。Rankinがジェントル・ヴォーカルで丁寧に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=OKRqksHYvIY
「One More Goodbye, One More Hello」
Deborah Allen/Rafe Van Hoy作。オリジナルは1978年のDonnie Recordヴァージョンですかね?カントリー系の楽曲をRankinらしいセンスですっきりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=I8bEToZJwK8
「Cue, No. 1」
インタルード的な小曲。
「Down the Backstairs of My Life」
Eric Mercury/William Smith作。作者Eric Mercuryヴァージョンはアルバム『Eric Mercury』(1975年)に収録されています。当ブログで紹介したLeah Kunkelヴァージョンでお聴きの方も多いのでは?それ以外にYvonne Elliman、Thelma Houstonもカヴァーしています。僕はLeah Kunkelヴァージョンで聴き慣れた曲ですが、Rankinヴァージョンも素敵なバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UQKjPlpIeZ4
「Woman, Woman」
Kenny Rankin/Jack Siegel作。メロウ・エレピの味わいがフィットする素敵なバラード。「Strings」と並ぶ僕のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=3Qu89usu1DE
この曲といえば、当ブログでも紹介したMario Biondiのカヴァー(アルバム『Sun』収録)を忘れちゃいけませんね。こちらもかなりいいです。
Mario Biondi「Woman, Woman」
https://www.youtube.com/watch?v=msji1J3Y2UU
「To a Wild Rose」
Don Costa/Terry Costa/Kathy Wakefield作。ラストはDon Costaの美しいオーケストレーションを配したビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
他のKenny Rankin作品もチェックを!
『Mind-Dusters』(1967年)
『Family』(1969年)
『Like a Seed』(1972年)
『Silver Morning』(1974年)
『Inside』(1975年)
『The Kenny Rankin Albu』(1976年)