2015年12月14日

Bobby Hutcherson『Head On』

人気ヴァイヴ奏者のフリーキー&アフロ・スピリチュアルな1枚☆Bobby Hutcherson『Head On』
ヘッド・オン+3
発表年:1971年
ez的ジャンル:フリーキー&アフロ・スピリチュアル系ジャズ・ヴァイヴ
気分は... :ボートラ3曲も凄い・・・

今回はJazzシーンを代表するヴァイヴ奏者Bobby Hutchersonが1971年にレコーディングした『Head On』です。

これまで当ブログで紹介したBobby Hutcherson作品は以下の6枚。

 『Components』(1965年)
 『Happenings』(1966年)
 『Stick-Up!』(1966年)
 『Oblique』(1967年)
 『San Francisco』(1970年)
 『Montara』(1975年)

本作『Head On』(1971年)は、いつもHutchersonとは少し異なる印象を受けるアルバムに仕上がっています。

レコーディング・メンバーはBobby Hutcherson(vibes、marimba)、Todd Cochran(p)、Harold Land(ts、fl)、Oscar Brashear(tp、flh)、George Bohanon(tb)、Louis Spears(tb)、Willie Ruff(french horn)、Fred Jackson, Jr.(piccolo)、Donald Smith(fl)、Delbert Hill(reeds)、Charles Owens(reeds)、Herman Riley(reeds)、Ernie Watts(reeds)、William Henderson(el-p)、Reggie Johnson(b)、James Leary III(b)、Leon "Ndugu" Chancler(ds)、Nesbert "Stix" Hooper(ds)、Woody Theus(ds)、Warren Bryant(congas、bongos)です。

Todd Cochranがアレンジを手掛け、全7曲(ボートラ3曲含む)中4曲の作曲も行っています。その意味では彼の貢献がとても大きい1枚といえます。また、『San Francisco』に続きHarold Landの存在感も大きいですね。

本編4曲の中では、アフロ・スピリチュアル・ジャズな「Mtume」とフリー・ジャズな「Many Thousands Gone」が鮮烈ですね。

CDにはオリジナル4曲に加え、「Togo Land」「Jonathan」「Hey Harold」という3曲のボーナス・トラックが追加収録されています。この3曲だけで40分以上もあり、アルバム1枚分のボリュームです。ボリュームだけではなく内容も凄いです。ファンク〜ロックな演奏に本編とは異なる魅力を楽しめます。ボートラ3曲だけでも大満足できるはずです。

参加ミュージシャンの個々のプレイというより、演奏全体の持つパワーに惹きつけられる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「At the Source」
Todd Cochran作。「Ashes & Rust」「Eucalyptus」「Obsidian」の3曲から成る組曲風の仕上り。深遠な雰囲気の美しい演奏が印象的です。嵐の前の静けさか・・・。One Be Lo「E.T.」のサンプリング・ソースになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=qzigfpi8g30

「Many Thousands Gone」
Todd Cochran作。Reggie Johnsonの風雲急を告げるかのようなベースに、Hutchersonのマリンバ、さらにはドラムが加わり、緊張感のあるフリーキーな音空間が形成されていきます。ピリッとしたカオス感とスリリングなスピード感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eVmedZyaq7o

「Mtume」
Bobby Hutcherson作。本作のハイライトと呼べるアフロ・スピリチュアル・ジャズな1曲。Hutchersonのマリンバも含め、トライバルなリズムにのって、大地が目覚めていくようです。タイトルはあのMtumeと関連しているのですかね?
https://www.youtube.com/watch?v=AYOzv3VRbD0

「Clockwork of the Spirits」
Todd Cochran作。エレガントな中に時折な不穏な空気が少し顔を覗かせます。そんな中でもHutchersonのヴァイヴの響きを聴くと落ち着きますね。
https://www.youtube.com/watch?v=1AvFfsgmANs

さて、ここからがボーナス・トラック3曲。

「Togo Land」
Todd Cochran作。15分超の演奏ですが、ブラックネスな魅力に溢れたダイナミックなファンク・ロックな圧倒されます。Hutchersonのマリンバがトライバルな覚醒感を高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ErIru-cAqy4

「Jonathan」
Todd Cochran作。いつものHutchersonらしいエレガントなヴァイヴの音色を楽しめます。Harold LandのテナーやOscar Brashearのトランペットも雰囲気あります。
https://www.youtube.com/watch?v=eBc2PDsCXz8

「Hey Harold」
Bobby Hutcherson作。冒頭のドラム・ブレイクの格好良さにヤラれてしまう17分超のファンク・グルーヴ。ソリッドかつ馬力のありそうな突進力がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=uymrrTX_-TY

Bobby Hutchersonの過去記事もご参照下さい。

『Components』(1965年)
コンポーネンツ

『Happenings』(1966年)
ハプニングス

『Stick-Up!』(1966年)
Stick-Up!

『Oblique』(1967年)
Oblique

『San Francisco』(1970年)
San Francisco

『Montara』(1975年)
Montara
posted by ez at 03:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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