発表年:1981年
ez的ジャンル:黒人吟遊詩人ジャズ・ファンク
気分は... :サングラスに映るアメリカ社会は・・・
今回は黒人吟遊詩人Gil Scott-Heron(1949-2011年)が1981年にリリースした『Reflections』です。
昨日TVでアメリカ大統領選スタートのニュースを何度も目にするうちに、Gil Scott-Heronのアルバムを聴きたくなってきました。
これまで当ブログで紹介したGil Scott-Heron作品(Brian Jacksonとの連名作を含む)は以下の7枚。
『Pieces Of A Man』(1971年)
『Winter In America』(1974年)
『The First Minute Of A New Day』(1975年)
『It's Your World』(1976年)
『Bridges』(1977年)
『Secrets』(1978年)
『1980』(1980年)
本作『Reflections』は、Brian Jacksonとのコンビ解消後の作品としては、『Real Eyes』(1980年)に続くものです。
Gil Scott-Heron本人とMalcolm Cecilがプロデュースを手掛け、彼のバック・バンドとなるAmnesia Expressのメンバーがレコーディングに参加しています。
ジャズ・ファンク、ジャズのみならず、レゲエ調の「Storm Music」、ラテン調の「Gun」のようにサウンドに変化を持たせながら、黒人吟遊詩人らしいメッセージを投げ掛けます。
また、Bill Withers「Grandma's Hands」、Marvin Gaye「Inner City Blues」というカヴァー・セレクトも見事にハマっていますね。
現実のアメリカ社会が映し出されたサングラスをかけるジャケも含めて、Gil Scott-Heronらしさに溢れた1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Storm Music」
Gil Scott-Heron作。オープニングはレゲエ調です。この年にBob Marleyが逝去したことが影響しているのでしょうね。Clydene Jackson、Julia Waters、Maxine Watersという女性バック・コーラス陣をI Threesに見立てたのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=3ryrZvRIS_M
「Grandma's Hands」
Bill Withers作品をカヴァー。オリジナルは『Just As I Am』(1971年)に収録されています。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、硬質なジャズ・ファンクでGil Scott-Heronらしいカヴァーに仕上げています。Ed Bradyのギターも聴かせます。
https://www.youtube.com/watch?v=EpoKFnbYYB0
J. Rawls feat. Mass Influence「High Life」、Lushlife「Daylight Into Me」、Ashley & Jackson「Solid Gold (Acid Jazz Mix)」のサンプリング・ソースとなっています。
J. Rawls feat. Mass Influence「High Life」
https://www.youtube.com/watch?v=HSW5W1uSqyY
Lushlife「Daylight Into Me」
https://www.youtube.com/watch?v=F5eZ2nwxL5M
「Is That Jazz?」
Gil Scott-Heron作。Robert Gordonのベースが先導する4ビート・ジャズ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=TN7Zsy3x_Vw
「Morning Thoughts」
Gil Scott-Heron/Vernon James作。ジャジー・サウンドとスポークン調のGil Scott-Heronのヴォーカル、作者Vernon Jamesのソプラノ・サックス、Kenny Sheffieldのトランペットがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=zd6t1Bww5-M
「Inner City Blues (Poem: The Siege Of New Orleans)」
Marvin Gaye/James Nix作。Marvin Gayeの名曲の絶品カヴァー。小粋なジャジー・サウンドをバックに、Gil Scott-Heronの説得力のあるヴォーカルが放たれ、中盤以降は自身の詩を語りかけます。
https://www.youtube.com/watch?v=sh66yhoyc68
「Gun」
Gil Scott-Heron作。僕の一番のお気に入りはコレ。ラテン・パーカッション、ホーン隊、ギター等が織り成すラテン・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=wOeUpKCCSVQ
「"B" Movie (Intro, Poem, Song)」
Gil Scott-Heron作。スポークン・ワードで彼の本領発揮!当時のレーガン政権に対して痛烈なメッセージを投げ掛ける12分超の大作で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xSOp507HJMA
Gil Scott-Heronの過去記事もご参照下さい。
『Pieces Of A Man』(1971年)
『Winter In America』(1974年)
『The First Minute Of A New Day』(1975年)
『It's Your World』(1976年)
『Bridges』(1977年)
『Secrets』(1978年)
『1980』(1980年)