発表年:1969年
ez的ジャンル:兄弟系ファンク/ソウル
気分は... :道は拓ける・・・
久々にThe Isley Brothersの紹介です。
セレクトしたのは『The Brothers Isley』(1969年)です。
これまで当ブログで紹介したIsleys作品は以下の11枚(発表年順)。
『Givin' It Back』(1971年)
『Brother, Brother, Brother』(1972年)
『The Isleys Live』(1973年)
『3+3』(1973年)
『Live It Up』(1974年)
『The Heat Is On』(1975年)
『Harvest For The World』(1976年)
『Go For Your Guns』(1977年)
『Winner Takes All』(1979年)
『Between The Sheets』(1983年)
『Baby Makin' Music』(2006年)
本作『The Brothers Isley』は、『It's Our Thing』(1969年)に次ぐ自身のレーベルT-Neck Records からの第2弾アルバムとなります。
T-Neck第1弾となる『It's Our Thing』からO'Kelly Isley、Rudolph Isley、Roland Isleyという正式メンバーのヴォーカル隊に加え、Ernie Isley、Marvin Isley、Chris Jasperの楽器隊3名もレコーディングに参加し、「3+3」体制の下地を作っていきます(Ernie、Marvin、Chris Jasperが正式メンバーとなるのは『3+3』)。
前作『It's Our Thing』(1969年)からはシングル「It's Your Thing」が全米チャート第1位、全米R&Bチャート第1位の大ヒットとなり、アルバム自体も全米アルバム・チャート第22位、同R&Bアルバム・チャート第2位となっています。
そんな勢いに乗ったIsleysがリリースしたT-Neck第2弾が本作『The Brothers Isley』でしたが、チャート・アクション的には前作ほどの成功を収めることはできませんでした。それでもIsleys好きの人は楽しめる内容です。
本作におけるIsleysは、『3+3』以降の独自サウンドに辿り着く途中であり、自分達のサウンドを手探りしている状態です。その意味で、Isleys入門作品としてはオススメできません。まず聴くべきは、これまでのエントリーで紹介してきた70年代全盛期のアルバムだと思います。
しかしながら、70年代のアルバムを一通り聴いた後に『It's Our Thing』や本作『The Brothers Isley』を聴けば、60年代テイストを残しつつ、荒削りなファンク/ソウルで試行錯誤しているIsleysに面白さを感じるはずです。
シングル・ヒットしたファンク・クラシック「I Turned You On」をはじめ、「Vacuum Cleaner」、「Was It Good to You?」、「The Blacker the Berrie」といった荒削りなファンクや、格好良いファンキー・グルーヴ「Holding On」が僕のオススメです。
70年代全盛期への過渡期の作品ですが、その未完成な部分を楽しむべき1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「I Turned You On」
本作のハイライト。シングルとして全米R&Bチャート第6位、全米チャート第23位となったヒット曲。ファンク・クラシックとして今日でも人気があるのが頷けへヴィなファンク・グルーヴが魅力です。この時代のIsleysならではの荒削りな魅力が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=sxm6rQWzzIU
この魅力的なファンク・グルーヴはサンプリング・ソースとしても人気です。N.W.A「Parental Discretion Iz Advised」、KMD「Who Me?」、D-Nice「25 Ta Life」 、Big Daddy Kane「Prince of Darkness」、Ice Cube「Man's Best Friend」、E.S.P.「Oh Well」、UGK「I'm So Bad」等のサンプリング・ソースとなっています。
N.W.A「Parental Discretion Iz Advised」
https://www.youtube.com/watch?v=rz1Opgruj-Y
KMD「Who Me?」
https://www.youtube.com/watch?v=7ETgOjhLT6Q
D-Nice「25 Ta Life」
https://www.youtube.com/watch?v=VaRnE0l36CE
Ice Cube「Man's Best Friend」
https://www.youtube.com/watch?v=PfMMvGODkug
E.S.P.「Oh Well」
https://www.youtube.com/watch?v=YppSv9G8KQA
UGK「I'm So Bad」
https://www.youtube.com/watch?v=ueQKuIptDAU
「Vacuum Cleaner」
少しダークで引きずるようなファンク・グルーヴにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=WvSn56NELRc
「I Got to Get Myself Together」
RudolphとRolandの掛け合いが楽しめる味わい深いソウル・チューン。ヴォーカル・グループとしてのIsleysの魅力を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=jtxEGUj7T7g
「Was It Good to You?」
ホーン隊も絡めたダイナミックなファンク・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=72PcayV21AY
「The Blacker the Berrie」
僕の一番のお気に入り。ロッキンなファンク・グルーヴでグイグイ迫ってくる感じがたまりません。O'KellyとRolandのツイン・リードです。
https://www.youtube.com/watch?v=J3Y6rb2Ysn4
「My Little Girl」
60年代テイスト全開のファンキー・ソウルですが、こういうのも悪くないです。
https://www.youtube.com/watch?v=pXM3cgV3w-Y
「Get Down off of the Train」
イナたいソウル・チューン。60年代ならではの味わいが魅力です。Ronaldの存在感のあるヴォーカルさすがです。
https://www.youtube.com/watch?v=x6kuW4DChR4
「Holding On」
全然Isleysらしくないですが、格好良いファンキー・グルーヴです。Ronaldの勿体ぶったヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=w51UhTsvEgk
「Feels Like the World」
ラストはRonaldのヴォーカルに魅了されるバラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zjwHgpPHg1Q
Isleysの過去記事もご参照下さい。
『Givin' It Back』(1971年)
『Brother, Brother, Brother』(1972年)
『The Isleys Live』(1973年)
『3+3』(1973年)
『Live It Up』(1974年)
『The Heat Is On』(1975年)
『Harvest For The World』(1976年)
『Go For Your Guns』(1977年)
『Winner Takes All』(1979年)
『Between The Sheets』(1983年)
『Baby Makin' Music』(2006年)