発表年:1976年
ez的ジャンル:職人系ポップ・ロック
気分は... :誓いの明日・・・
久々にTodd Rundgrenの紹介です。
セレクトしたのは『Faithful』(1976年)です。
これまで紹介してきたTodd関連作品(ソロ、Nazz、Utopia)は以下の9枚です(発表年順)。
Nazz『Nazz』(1968年)
Nazz『Nazz III』(1970年)
『Runt:The Ballad Of Todd Rundgren』(1971年)
『Something/Anything』(1972年)
『Hermit Of Mink Hollow』(1977年)
『Healing』(1981年)
Utopia『Swing to the Right』(1982年)
『The Ever Popular Tortured Artist Effect』(1983年)
『Nearly Human』(1989年)
本作『Faithful』はA面が60年代ロックのカヴァー集、B面がオリジナル曲という構成になっています。特にA面はカヴァー集というよりも完コピ集と説明した方が適切かもしれません。
この構成に対する受け取り方で意見が分かれるかもしれませんね。
どうせならば、すべてカヴァーで押し通せば良かったのに!と感じる方もいれば、オリジナルをもっと聴きたかった!という方もいるかもしれません。僕もどちらかといえば後者の印象かなぁ・・・
レコーディング・メンバーは、Todd Rundgren(g、vo)、Roger Powell(tp、key、g)、John Siegler(b、cello)、John Wilcox(ds)というUtopiaメンバー4名です。
A面はToddに影響を及ぼしたアーティストを楽しむという感覚で聴くといいのでは?
B面は『Something/Anything』のようなポップなToddワールドを楽しめます。
個人的にはB面の「Love of the Common Man」、「The Verb "To Love"」の2曲に惹かれます。
僕などは「Love of the Common Man」収録というだけで、このアルバムが好きです。
全曲紹介しときやす。
「Happenings Ten Years Time Ago」
The Yardbirds、1966年のシングルをカヴァー(Jeff Beck/Jim McCarty/Jimmy Page/Keith Relf作)。Jeff Beck、Jimmy Pageの両名は在籍時のシングルをカヴァー。Toddのロック魂が素直に反映されたセレクト、演奏ですね。ギター・ソロも含めて、Toddにぴったりの1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=HdxW6w0KCgk
「Good Vibrations」
The Beach Boys、1966年の名曲シングルをカヴァー(Mike Love/Brian Wilson作)。きっと、Toddはこういったポップ職人的な凝ったヴォーカル・ワークの曲をやりたかったのでしょうね。アルバムからシングル・カットされ、全米チャート第34位となっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mbk2UFPEIAA
「Rain」
The Beatles、1966年のシングル「Paperback Writer」のB面曲をカヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。数あるBeatles作品の中から、実験的な試みにチャレンジした本曲をセレクトしたのが興味深いですね。A面の中で僕の一番お気に入りです。
「Most Likely You Go Your Way And I'll Go Mine」
a href="http://eastzono.seesaa.net/article/118212406.html">Bob Dylanの名盤『Blonde on Blonde』(1966年)収録曲をカヴァー。この曲は少しモノマネ歌合戦的なカヴァーになっていますね。確かにDylan風の歌い回しですが(笑)
「If Six Was Nine」
The Jimi Hendrix Experienceの2ndアルバム『Axis: Bold As Love』(1966年)収録曲をカヴァー(Jimi Hendrix作)。本ヴァージョンを聴いて思ったのは、ジミヘンになりきるのは難しいということですね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=gsC02EuvNDM
「Strawberry Fields Forever」
The Beatles、1967年のシングル曲をカヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。Beatlesカヴァーとして「Rain」に続き、本曲をセレクトしたあたりにToddの嗜好がよく反映されているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=KCVyK1ktV4k
ここまでがオリジナルLPのA面です。
「Black and White」
ここからがオリジナルLPのB面。本曲はToddらしいキャッチーなロック・チューンになっています。弾けたロック・サウンドになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nt8uuA5Hcm0
「Love of the Common Man」
個人的には本作のハイライト曲。今も昔も僕の一番のお気に入り。Toddのメロディ・メイカーぶりが発揮された名曲ですね。今聴いても30年以上前に初めて本曲を聴いた時の感動がよみがえってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=fNN96qYE9kg
「When I Pray」
昔はピンと来なかったのですが、今聴き返すとリズミックな展開が面白いワールド・ミュージック的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=fRP-TVXMOyo
「Cliche」
ファンに人気の高い美しいバラード。Roger Powellの小粋な鍵盤がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PfIF1ubIu5o
「The Verb "To Love"」
「Love of the Common Man」と並ぶ僕のお気に入り。ソウルフルなバラードです。昔は少し仰々しい気がしたのですが、今聴くとブルーアイド・ソウル的な魅力にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=Pm5a4ifNBvg
「Boogies (Hamburger Hell)」
ラストはロックン・ロールなToddで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=75OPurlWyS4
Todd Rundgren関連作品の過去記事もご参照下さい。
『Runt:The Ballad Of Todd Rundgren』(1971年)
『Something/Anything』(1972年)
『Hermit Of Mink Hollow』(1977年)
『Healing』(1981年)
『The Ever Popular Tortured Artist Effect』(1983年)
『Nearly Human』(1989年)
Nazz『Nazz』(1968年)
Nazz『Nazz III』(1970年)
Utopia『Swing to the Right』(1982年)