発表年:1975年
ez的ジャンル:UK女性シンガー・ソングライター
気分は... :レジリエンス・・・
今回は"UKのCarole King"と称された女性シンガー・ソングライターLesley Duncanが1975年にリリースした『Moon Bathing』です。
今年に入り念願のCD化が実現し、ようやく本作を手元に置くことができました。
Lesley Duncan(本名:Lesley Cox)は1943年イングランド北東部ストックトン・オン・ティーズ出身の女性シンガー・ソングライター。
1963年に初シングル「I Want A Steady Guy」をレコーディングし、その後も60年代に何枚かのシングルをリリースしています。
ソングライターとしても活躍し、The Walker Brothers、Dusty SpringfieldMadeline Bell等へ楽曲提供しています。
彼女の楽曲の中でも「Love Song」は、Elton John、Olivia Newton-John、Dionne WarwickDavid Bowie等多くのアーティストがカヴァーしています。
また、1964年から1972年までUKの国民的シンガーDusty Springfieldのバック・ヴォーカルを務めるなど、バッキング・ヴォーカリストとしても活躍しています。
それ以外にもElton John、The Alan Parsons Project、Ringo Starr等の作品に参加しています。特に有名なのはロック史に残る驚異的ロング・セラーを記録したモンスター・アルバムPink Floyd『The Dark Side Of The Moon』(1973年)への参加ですかね。
自身のアルバムとしては、『Sing Children Sing』(1971年)、『Earth Mother』(1972年)、『Reading Festival '73』(1973年)、『Everything Changes』(1974年)、『Moonbathing』(1975年)、『Maybe It's Lost』(1977年)といった作品をリリースしています。
2010年に逝去。
そんな彼女の諸作において、フリーソウル方面で再評価が高かったのが4thスタジオ作となる本作『Moon Bathing』(1975年)です。
他の彼女のアルバムと同様に、公私のパートナーであるJimmy Horowitzがプロデュース&アレンジを手掛けています。
Jimmy HorowitzはLinda Lewisの1stアルバム『'Say No More...'』(1971年)のアレンジも手掛けています。
レコーディングには、Lesley Duncan (vo、g、mandolin)以下、Jimmy Horowitz(p)、Chris Spedding(g)、Jim Ryan(g)、Pete Dennis(b)、Glen Le Fleur(ds)、Colonel Christophoulos Spedaki(bouzouki)、Derek Grossmith(as、fl)、Joanna Newman(back vo)、Liza Strike(back vo)等が参加しています。
フリーソウル好きの人が気に入るであろう「I Can See Where I'm Going」、「Pick Up The Phone」といったメロウ・チューンが魅力の1枚です。
それ以外にグルーヴィーな「Jumped Right In The River」、メロウ・バラード「Heaven Knows」、「Rocking Chair」あたりもオススメです。
UKフォーキーの魅力を楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「I Can See Where I'm Going」
シングルにもなったオープニング。僕も一番のお気に入りのフォーキー・メロウ。軽やかなギター・カッティングにのってLesleyが爽やかな歌声を届けてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=KmhmsaCEA3Q
「Heaven Knows」
Jimmy Horowitzとの共作。切ないメロディにグッとくるバラード。Chris Speddingのスライドも印象的です。
「Moon Bathing」
タイトル曲はブズーキやバンジョーの音色が響くトラッド色の強い仕上がりです。
「Rescue Me」
メリハリの効いたフォーキー・メロウ。Lesleyの清らかなヴォーカルおよび楽曲の魅力がよく伝わってきます。
「Lady Step Lightly」
UKらしさの漂うフォーキー・バラード。ここでもChris Speddingのギターが効いています。
「Wooden Spoon」
カントリー・ソウル的な味わいの仕上り。小気味良いバッキングもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_t5ZrmbjRJM
「Pick Up The Phone」
「I Can See Where I'm Going」と並ぶ本作のハイライト。爽快メロウなポップ・ソウルは彼女のブルー・アイド・ソウル的な魅力が詰まっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0971MoPIdRA
「Helpless」
このタイトルからはCrosby, Stills, Nash & Youngの同名曲をイメージしがちですが同名異曲の切ないバラードです。
「Fine Friends」
ピアノとアコギのみのシンプルなフォーキー・チューン。
「Jumped Right In The River」
ホーン隊、ストリングスが盛り上げてくれるメロウ・グルーヴ。Jimmy Horowitzのアレンジ・センスが光ります。
「Rocking Chair」
Jimmy Horowitzとの共作。ラストは感動的なメロウ・バラードで締め括ってくれます。黄昏モードにピッタリです。
Lesley Duncanの他作品もチェックを!
『Sing Children Sing』(1971年)
『Earth Mother』(1972年)
『Maybe It's Lost』(1977年)
やっとアナログ盤を手に入れました(UK盤)。
毎日聴いています。聴けば聴くほど良くなります。そしてこれはなんとアナログ向きな、暖かい音でしょう!
ありがとうございます。
フォーキー・メロウなサウンドと、ラブリーな歌声にグッとくる1枚ですね。優しく包み込んでくれる感じがたまりません。