2016年02月28日

The Oldians『Out Of The Blue』

日本に旋風を巻き起こしたバルセロナ発ジャマイカン・ジャズ・バンドの最新作☆The Oldians『Out Of The Blue』
アウト・オブ・ザ・ブルー
発表年:2016年
ez的ジャンル:バルセロナ産ジャマイカン・ジャズ
気分は... :アイランド気分で・・・

今回は新作アルバムからバルセロナのジャマイカン・ジャズ・グループThe Oldiansの最新作『Out Of The Blue』です。

2001年にスペイン、バルセロナで結成されたジャマイカン・ジャズ・グループThe Oldiansの紹介は、日本独自編集盤『Island Jazz Sessions』(2013年)に続き2回目となります。

『Old Secrets』(2008年)、『Arts of Seduction』(2010年)、『Wandering Souls』(2011年)、『Downtown Rock』(2013年)という4枚のオリジナル・アルバムから20曲をセレクトした日本独自の編集盤であり、国内デビュー盤となった『Island Jazz Sessions』(2013年)は、日本でも話題となり、ロングセラー作品となりました。

ロックステディ、スカといったヴィンテージなジャマイカン・サウンドとジャズ・サウンドを融合させた"ジャマイカン・ジャズ"という独自スタイルに僕も魅了され、『ezが選ぶ2013年の10枚』にセレクトしたお気に入りの1枚でした。

The Oldiansに続き、昨年は同じバルセロナのバンドThe Gramophone Allstars Big Band『Jazzmaica』が話題になり、バルセロナ発ジャマイカン・ジャズというジャンルがかなり確立されたのでは?

そんな中で遂にThe Oldiansの最新作『Out Of The Blue』がリリースされました。

本作のメンバーはリーダーのJavier Garcia(g)をはじめ、Xavi Angulo(ds)、 Alvaro Taborda(b)、Eduard Fernandez(p、org)、Ricard Vinyets(sax)、Pol Omedes(tp)、Saphie Wells(vo)という7名。

前作『Downtown Rock』(2013年)から最も大きな変化は、紅一点のリード・シンガーがLeire EtxarriからSaphie Wellsへ交代した点です。

キュートなタイプのLeire Etxarriからオトナの艶やかさがあるSaphie Wellsへリード・シンガーが交代したことで、グループのカラーも、大人のバンドといった雰囲気に多少変化したかもしれません。

アルバムはスカ・モードの軽快なアイランド・ジャズ、Saphie Wellsのヴォーカルを活かしたラヴァーズ、バンド本来の魅力を楽しめるインストの3つがバランス良く配されています。

どうしてもSaphie Wellsをフィーチャーしたヴォーカル曲を中心に聴いてしまいますが、今回インスト曲の魅力にも気づかされました。

『Out Of The Blue』 (Snippet & Making-of)
 https://www.youtube.com/watch?v=rZwuxoglq2Y

こんなアイランド・ジャズを聴いてしまうと、春を飛び越えて一気に夏モードになってしまいます。

全曲紹介しときやす。

「Living Upside Down」
スカ・サウンドとスウィートネスな魅力が調和したオープニング。The Oldiansの従来からの魅力を受け継いでいます。

「Red Hot」
このバンドがスカ・バンドではなく、"ジャマイカン・ジャズ"バンドであることを実感できるインスト・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=jor66LEuzR0

「Same Old Song」
スカのリズムにのったムーディーなノスタルジック感が本作らしいですね。Saphie Wellsの艶やかなヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=iYIJsp5_fNg

「Cotton Clouds」
アイランド・モードのインスト。リラックスしたメロウ・サウンドが寛ぎを与えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=x05PABchRPs

「Out Of The Blue」
タイトル曲はリーダーJavier Garciaのメロウ・ギターをフィーチャーしたインスト・チューン。前曲「Cotton Clouds」とセットで聴くといい感じです。

「Love Me Before I Leave」
The Oldiansの大きな魅力の1つであるラヴァーズ。ここでは愛の終わりの切ない思いをSaphieがしっとりと歌い上げます。

「Groovin’ Lazy」
レゲエ調のインスト・チューン。グルーヴィーなオルガンと雰囲気のあるホーン・アンサンブルがいいですね。

「Try And Fly」
開放的なラヴァーズ。Pol Omedesのトランペット・ソロはしっかりジャズしています。

「A Man And A Woman」
お馴染みのフランス映画『Un Homme Et Une Femme(邦題:男と女)』(1966年)の主題歌をカヴァー(Francis Lai/Pierre Barouh作)。お馴染みのメロディをSaphieがしっとりと歌い上げるオトナのラヴァーズに仕上がっています。

「Vikings From The East」
インスト・バンドとしてのThe Oldiansの魅力を存分に伝えてくれるインスト・チューン。Eduard Fernandezのエレピがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7g2dW9NEjTc

「Behind You」
ラヴァーズ系ではコレが一番好き!ここでのSaphieは前任のLeireのようなキュートな雰囲気のヴォーカルを聴かせてくれます。しばらくは僕のヘビロテ曲になりそうです。

「Song For Rico」
タイトルの通り、昨年逝去したジャマイカの伝説のトロンボーン奏者Rico Rodriguezに捧げられた曲。Rico Rodriguezはスカ黎明期にSkatalitesのメンバーらとセッションを重ね、渡英後はUKスカ・ブームの立役者The Specialsの作品などにも参加していました。そんなRicoに捧げられた演奏はスカと思いきや意外にもアイランド・ジャズな雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=QigMajHTr-k

「Haze-Piration」
本作らしいノスタルジック感のあるスカ・サウンドを楽しめるインスト。意外にロマンティックです。

「All My World」
Saphieのヴォーカルに絡むJavierのギターが印象的なラヴァーズ。

「I Am What I Am」
どことなくユーモラスでユルい感じが魅力の1曲。

「Your Smile」
ラストはSaphieの艶やかなヴォーカルによるラヴァーズで締め括ってくれます。

未聴の方は『Island Jazz Sessions』(2013年)もチェックを!

『Island Jazz Sessions』(2013年)
アイランド・ジャズ・セッションズ

また、ご興味がある方はオリジナル・アルバムもチェックを!

『Arts of Seduction』(2010年)
Arts of Seduction

『Downtown Rock』(2013年)
Downtown Rock
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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