発表年:2003年
ez的ジャンル:UKネオ・ソウル
気分は... :イラっとしたら・・・
今回はUKネオ・ソウル作品からTerri Walker『Untitled』(2003年)です。
Terri Walker(本名:Chanelle Gstettenbauer)は1979年ロンドン生まれの女性R&Bシンガー。幼少期にドイツへ移住し、オペラの勉強をするために再びロンドンに戻ったようです。
Shanks & Bigfoot『Swings & Roundabouts』(2000年)で全面フィーチャーされ、注目を浴びたます。そして、2003年にMos Defをフィーチャーしたデビュー・シングル「Guess You Didn't Love Me」をリリース。さらには1stアルバムとなる本作『Untitled』をリリースしています。
その後、『Love』(2005年)、『I Am』(2006年)といったアルバムをリリースし、昨年には久々のアルバム『Entitled』(2015年)をデジタル配信しています。
また、Nicole WrayとのデュオLadyを結成し、アルバム『Lady』(2013年)をリリースしています。
個人的には大ネタDynasty「Adventures in the Land of Music」を使った「This is My Time」(アルバム『Love』収録)や、Nicole WrayとのユニットLadyの印象が強いですね。
「This is My Time」(2005年)
https://www.youtube.com/watch?v=LGitI6qPCKM
Lady「Good Lovin」(2013年)
https://www.youtube.com/watch?v=q65EBypahh8
さて、本作『Untitled』(2003年)は、USネオ・ソウル的なエッセンスとUKソウル的なエッセンスの調和が魅力の1枚です。"UK版Jill Scott"的な印象が強いですが、UKソウルならではの隠し味も所々に効いています。
Dean Zepherin、Marc 'M2E' Smith/Sylvia Bennett Smith、James Yarde(サックス奏者Jason Yardeの兄弟)、Warryn Campbell、Wayne Antoine、Sammy J等がプロデュースを手掛けています。
また、Mos Def等がゲスト参加し、Jason & The Angrynotes、Pino Palladino、Dave Okumu(The Invisibleのメンバー)等もレコーディングに参加しています。
Mos Defをフィーチャーしたデビュー・シングル「Guess You Didn't Love Me」、UKチャート38位となったシングル曲「Ching Ching (Lovin' You Still)」、ネオ・ソウルらしいジャジー・ソウル「Drawing Board」、生音グルーヴ重視の「What Will I Do」、ダンサブルな「Brand New Day」あたりが僕のオススメです。
派手さはありませんが、結構間口が広いネオ・ソウル+αを感じる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Love Fool」
Marc 'M2E' Smith/Sylvia Bennett Smithプロデュース。派手さはありませんが、Terri Walkerというシンガーの存在感を実感できるオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=kWQ_UgzeULw
「Drawing Board」
James Yardeプロデュースのネオ・ソウル・チューン。Jamesの兄弟Jason Yardeが所属するホーン・ユニットJason & The Angrynotesが参加しています。2000年代のUSネオ・ソウル好きの人であれば気に入るであろう1曲。Terriはジャズ調の小粋なヴォーカルも披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bTUbH9AwZjA
「Guess You Didn't Love Me」
Mos Defをフィーチャーしたデビュー・シングル。ネオソウル的なジャジー・メロウ感とキャッチーなHip-Hopビートのバランスがいい感じです。Mos DefのラップもTerriのヴォーカルやサウンドと調和しています。Warryn Campbellプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=SOlF9Et-O8U
「It's All Good」
Sammy Jayプロデュース。Shanks & Bigfootのイメージに近いUKガラージ的な仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=02CrP5saGrc
「Ching Ching (Lovin' You Still)」
シングル・カットされ、UKチャート38位となった曲。レトロ・ソウルを2000年代の感性で聴かせるスタイルはLadyに近いものがあるかもしれません。Marc 'M2E' Smith/Sylvia Bennett Smithプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=ccO66kH98Tk
「Fake」
James Yardeプロデュース。ネオソウルらしい乾いたビートにケバケバしいシンセの音色が絡みます。
https://www.youtube.com/watch?v=JPwSI0aDR30
「What Will I Do」
Sammy Jayプロデュース。Bluebloodをフィーチャー。Pino Palladino等も参加した生音グルーヴ重視のミディアム・チューン。美しいストリングスもグッド!
「Love You For Life」
Warryn Campbellプロデュース。オーセンティックなバラードを丁寧に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=IdBSfBeBWFc
「Deutschland」
Dean Zepherin/Wayne Antoineプロデュース。David Okumuのギターが先導するインタールード的なジャジー・メロウ小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=atphX_YYrec
「Dirty Weekend」
The Wise Childrenをフィーチャー。James Yardeプロデュース。生音重視のジャジー・ソウルです。Jason & The Angrynotesをはじめとするホーン・サウンドも効果的です。
「4 Feet Under」
James Yardeプロデュース。メロウ・エレピに先導された乾いたビートがネオソウルらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jwJolnkU_-c
「Da Business」
James Yardeプロデュース。エレガントなストリングスを配した哀愁モードのネオ・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=1Mck3HVk0oA
「For Life (Reprise)」
「Love You For Life」のリプライズ。
「Brand New Day」
Marc 'M2E' Smith/Sylvia Bennett Smithプロデュース。ラストは僕好みのダンサブル・チューンでキャッチーに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2rYnbIqaxjk
他のTerri Walker関連作品もチェックを!
Shanks & Bigfoot『Swings & Roundabouts』(2000年)
『Love』(2005年)
『I Am』(2006年)
Lady『Lady』(2013年)