発表年:2016年
ez的ジャンル:Acid Jazzレジェンド系ラテン・ジャズ
気分は... :年輪を重ねる・・・
今回は新作アルバムからUKのラテン・パーカッション奏者Snowboyのキャリア30周年の記念アルバムSnowboy & The Latin Section『New York Afternoon』です。
Acid Jazzを代表するラテン・パーカッション奏者Snowboyの紹介は、『Descarga Mambito』(1991年)に続き2回目となります。
Snowboyがキャリア30周年かぁ。確かにジャケに写る彼の姿には年輪を感じますね。それでもTシャツ、ジーンズ姿でバリバリの現役を感じさせるところが嬉しいです。
本作『New York Afternoon』でSnowboy & The Latin Sectionのメンバーとしてクレジットされているのは、Snowboy(congas)、Dave Pattman(bongos)、Davide Giovannini(ds、timbales、vo)、Paul Taylor(tb)、Nico Gomez(b)、Neil Angilley(org、el-p)、Sid Gauld(tp、flh)、Dacid Gauld(as)の8名。
それ以外にJen Kearney(vo)、Marc Evans(vo)、Pete Wareham(ts、bs)、Yahuba Garcia Torres(coro)がゲストとしてレコーディングに参加しています。
タイトルが示すようにN.Y.ラテンへのリスペクトに満ちた1枚に仕上がっています。
1950〜70年代のN.Y.ラテンをアップデートさせたような演奏がズラリと並びます。
Marc EvansをフィーチャーしたRichie Coleの名曲カヴァー「New York Afternoon」、新進女性シンガーJen Kearneyをフィーチャーした「Better」、「Oxen Free」、Eddie Palmieriへのリスペクトを感じる「Echalo Ya」、マンボ・クラシックのカヴァー「Ole Mambo」あたりが特にオススメです。
90年代アシッド・ジャズと黄金期のN.Y.ラテンの橋渡し役をするSnowboy!
これからもバリバリの現役でラテン・グルーヴの素晴らしさを伝えて欲しいですね。
『New York Afternoon』 Album Teaser
https://www.youtube.com/watch?v=J1DtNLI3Kpc
全曲紹介しときやす。
「New York Afternoon」
オープニングはRichie Coleの名曲カヴァー。Richie Coleのオリジナルはアルバム『New York Afternoon』(1977年)に収録されています。
ハウス作品へのフィーチャリングで知られるボルチモア出身の男性シンガーMarc Evansをフィーチャー。彼の深みのあるハートウォーミングなヴォーカルが心地好い、都会的なメロウ・ラテン・グルーヴに仕上がっています。
この曲といえば、個人的にはアルバム『New Weave』(1983年)に収録されたRare Silkヴァージョンをリアルタイムでよく聴きました。ご興味がある方はコチラもぜひチェックを!
Rare Silk「New York Afternoon」
https://www.youtube.com/watch?v=uHXIDteL824
「Tres Tambores」
Davide Giovannini作。疾走するラテン・グルーヴ。70年代N.Y.ラテン/サルサがお好きな人であれば、グッとくるであろう仕上りです。
「Better」
新進女性シンガーJen Kearneyをフィーチャーした妖艶なスタイリッシュなマンボ・グルーヴ(Jen Kearney作)。ホーン・アンサンブルも盛り上げてくれます。
「Echalo Ya」
Davide Giovannini作。Eddie Palmieriあたりがお好きな人はグッとくるであろう高速ラテン・グルーヴ。グルーヴィーなオルガンもいい感じです。
「Cala Escarpardo」
Neil Angilley作。作者Neil Angilleyのフェンダー・ローズのミステリアスなソロ。悪くはないですが、あえてコレを入れる必然性があるのかなぁ?
「Ole Mambo」
Manuel Salina作。Perez Prado等で知られるマンボ・クラシックをカヴァー。先人へのリスペクトを感じます。覚醒的なオルガンの音色がいいですね。
「La Epoca Del Palladium」
Dave Pattman作。1940〜50年代のN.Y.の人気ナイト・クラブについて歌ったマンボ・グルーヴ。N.Y.ラテンの往年のスターの名前が続々と登場します。
「Oxen Free」
再びJen Kearneyをフィーチャー(Jen Kearney作)。都会的なルンバでN.Y.ラテンの現在を伝えてくれます(Jen Kearneyの拠点はボストンですが)。コンテンポラリーなジャズ作品と一緒に聴いてもフィットすると思います。
「The Triple Bluff」
Mark Cotgrove(Snowboy)作。ラストはデスカルガで各プレイヤーが見せ場を作って盛り上げてくれます。
他のSnowboy作品もチェックを!
『Ritmo Snowbo』(1989年)
『Descarga Mambito』(1991年)
『Something's Coming』(1993年)
『Pitbull Latin Jazz 』(1995年)
『M.F.O.S. - Many Faces of Snowboy』(1996年)
『Mambo Rage』(1998年)
『Afro Cuban Jazz』(2000年)
『Para Puente』(2002年)
『New Beginnings』(2004年)
『Communication』(2008年)