2016年03月29日

Avila Brothers『The Mood: Soundsational』

Bobby Ross Avilaが兄Izと組んだヒスパニックR&B作品☆Avila Brothers『The Mood: Soundsational』
Mood: Soundsational
発表年:2005年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系ヒスパニックR&B
気分は... :春到来・・・

今回はプロデューサー/ソングライター・チームとしても活躍するBobby Ross AvilaIz Avilaによる兄弟ユニットAvila Brothers『The Mood: Soundsational』(2005年)です。

Bobby Ross Avilaに関しては、Jam & Lewisがプロデュースしたソロ・アルバム『My Destiny』(1993年)を紹介済みです。

『My Destiny』の記事でも紹介したように、1975年カリフォルニア州サンバーナーディーノ生まれのヒスパニック系シンガー/ソングライター/プロデューサーBobby Ross Avilaは、10代からシンガーとして活躍し、4枚のソロ・アルバムをリリースしています。

特に『My Destiny』(1993年)は、Jam & Lewis(Jimmy Jam & Terry Lewis)のPerspective Recordsからリリースされた作品であり、Jam & Lewis自身も6曲をプロデュースしました。

そんな流れでJam & Lewisとの接点を持ったBobby Ross AvilaIz Avilaと組み、Flyte Tyme Productions一派として、プロデューサー/ソングライターとして活躍するようになります。

当ブログで紹介した作品でいえば、Avant『The Letter』(2010年)、Charlie Wilson『Forever Charlie』(2015年)にAvila Brothersはプロデューサーとして関与しています。

そんなAvila Brothers唯一のアルバムが2005年にリリースしたセルフ・プロデュース作品『The Mood: Soundsational』です。

Jam & Lewisがエグゼクティヴ・プロデューサーを務め、3曲でAvila Brothersと共にプロデュースも手掛けています。Jimmy Jamはキーボードでも参加しています。

また、Phonte9th Wonderを擁するHip-HopユニットLittle Brotherがゲスト参加しています。

さらに、Lauren Evans(vo)、Shelea Frazier(vo)、Sly Boogy(rap)、Ahmad Jones(vo、rap)、Dirty Bird(vo、rap)、Lanny Cordola(sitar)、Donald V. Ferrone(b)、Greg Osby(sax)、Terrace Martin(sax)等がレコーディングに参加しています。

Bobby Rossのヴォーカルを前面に打ち出した楽曲、トラックメイカーとしての側面を打ち出した楽曲、フィーチャリング・アーティストの魅力を引き出すことに専念したプロデューサーとしての手腕を見せる曲と、かなりバラエティに富んだ1枚です。音楽性の面でも様々なタイプのサウンドを聴くことができます。その意味で一貫性のないアルバムですが、そこが本作の魅力だと思います。

シングルにもなったMarvin Gaye「I Want You」DeBarge「Stay With Me」という大ネタ合わせ技「I Want You」、Little Brotherをフィーチャーした「Smile」Stevie WonderSyreeta Wrightによるデュエットのような「Love's Mystery」、Shelea FrazierをフィーチャーしたメロウR&B「Let It Go」、Dirty Birdをフィーチャーしたジャジー&メロウHip-Hop「Something To Feel」あたりがオススメです。

Avila兄弟の持つ音楽性の多様さを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「The Mood」
アルバムのイントロ。

「Soundsational」
兄弟のトラックメイカーとしての実力を確認できるパーカッシヴなインスト曲。
https://www.youtube.com/watch?v=gp1tbUx5TEQ

「I Want You」
シングルにもなった楽曲。Marvin Gaye「I Want You」DeBarge「Stay With Me」という2大名曲をマッシュ・アップ的にリメイクしたような1曲です。Bobby Rossのハイ・トーン・ヴォーカルが栄えるセクシーな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VS6J7eDTBhk

「Smile」
Little Brotherをフィーチャー。温もりのあるソウル・チューンにLittle Brotherのラップが絡みます。「I Want You」と並ぶキャッチーな仕上りです。
https://www.youtube.com/watch?v=Yfwl7N9iS98

「Sweet Symphony」
タイトルの通り、シンフォニックなインタールード。

「Love's Mystery」
Bobby RossとShelea Frazierのデュエットは、曲調やヴォーカルの雰囲気も含めてStevie WonderSyreeta Wrightによるデュエットのようです。ラブリーなメロウネスがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=tLdyGhVaofE

「Mix It」
トラックメイカーとしての手腕を見せる小曲。

「Tilt Ya Cup」
ソロ作品もリリースしている男性ラッパー。Sly Boogyをフィーチャー。エスニックな雰囲気のHip-Hopチューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=cgc55NYgOPw

「Let It Go」
Shelea Frazierをフィーチャー。彼女の透明感のあるヴォーカルを活かしたメロウR&Bに仕上がっています。さりげないメロウネスが実に心地好いです。Shelea Frazierは2013年にソロ・アルバム『Love Fell On Me』をリリースしています。
https://www.youtube.com/watch?v=pkDnRwMrVEw

「Play For Me」
Lauren Evansをフィーチャーした小曲。

「It's Over Now」
Ahmad Jonesをフィーチャー。彼らのHip-Hopプロデューサーとしての側面を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=puZENuD4muA

「Boogie Jones Theme」
Izが一人で手掛けたインスト・トラック。

「Something To Feel」
Dirty Birdをフィーチャー。同じHip-HopチューンでもAhmad Jonesをフィーチャーした「It's Over Now」とは全く異なるベクトルのジャジー&メロウ・チューンに仕上がっているのが面白いですね。

「Big Jim's Sonata (In F Minor)」
ドリーミーなインスト・チューン。幻想的なエレピの響きが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=eXzVYhhc72A

「Give The Horns Some」
ホーン隊が活躍するジャズ・フィーリングのダンサブル・チューン。Roger Troutman風のトーク・ボックスも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=p4cjJ8Ibc7k

「Nick Of Time」
Bobby Rossが素晴らしいヴォーカルを披露してくれる正統派バラード。これだけのヴォーカルがあるのだから、もっと彼のヴォーカル曲を聴きたかった気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=9BkcGMQnqzI

「The Mood Pt.2」
ラストはスポークン・ワードとGreg Osbyのサックスが先導するトラックで締め括ってくれます。その後、隠しトラックのインスト・チューンが収録されています。

Bobby Ross Avila『My Destiny』(1993年)
My Destiny
posted by ez at 12:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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