2016年05月04日

Lyle Divinsky『Uneven Floors』

ポートランドを拠点とする実力派白人ソウル・シンガー☆Lyle Divinsky『Uneven Floors』
アンイーヴン・フロアーズ(UNEVEN FLOORS) (直輸入盤帯ライナー付国内仕様)
発表年:2016年
ez的ジャンル:インディ系白人ソウル・シンガー
気分は... :グッド・ヴァイヴ・・・

今回は新作R&B/ソウルからLyle Divinsky『Uneven Floors』です。

鈴木啓志氏がライナーノーツを書いていることで興味を持っている方もいるのでは?

Lyle Divinskyは1985年生まれ。オレゴン州ポートランドを拠点とする白人ソウル・シンガーです。

これまで『Traveling Man』(2009年)、『Lyle Divinsky』(2012年)という2枚のアルバムをリリースしており、本作『Uneven Floors』は3rdアルバムとなります。2015年末にデジタル配信され、今年CD化されました。

ポートランドを拠点とする白人ソウル・シンガーといえば、UK/USのソウルマニアに絶賛されたJarrod Lawsonを思い出しますね。ポートランドには白人ソウル・シンガーが育つ土壌があるんですかね?

Lyle Divinskyの場合、父親Phil Divinskyもシンガーで本作にも参加していり、そういった影響が大きかったのかもしれませんが。

さて、本作『Uneven Floors』ですが、Calvin Turnerがプロデュース&アレンジを手掛け、レコーディングにはCalvin Turner(b、per)、Adam Agati(g)、Louis Cato(ds、per)、Nigel Hall(p、org、key)等のミュージシャンが参加しています。

ギターのAdam Agatiの名はどこかで聞いたことがあると思い、過去記事を調べたらジャズ界の新星ピアニストKris Bowersのデビュー作『Heroes + Misfits』(2014年)に参加していました。それ以外にMarcus Miller作品にも何枚か参加しています。本作ではソングライティングでも活躍しています。

ドラムのLouis CatoもMarcus Miller絡みのミュージシャンであり、当ブログで紹介した作品でいえば、John Legend『Love In The Future』(2013年)に参加しています。

キーボードのNigel Hallはファンク・ジャム・バンドLettuce作品のヴォーカル等でお馴染みですね。今回のメンバーでは一番知名度のある人かもしれませんね。

アルバム全体はLyle Divinskyの60年代、70年代ソウルへの愛情が反映された1枚になっています。

僕の場合、最近のレトロ・ソウル/ヴィンテージ感丸出しのソウル・アルバムって多少食傷気味なのですが、本作にはそういった感じはありません。きっとLyleの中にソウルが自然と沁み着いており、気負わず自然体で歌っているからだと思います。

Adam Agati作の「Uneven Floors」「Serious Web」以外はLyle Divinskyのオリジナルです(Adam Agati等との共作含む)。

刺激はありませんが、グッド・ヴァイヴが伝わってくるソウル・アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Welcome」
アルバムのプロローグ。

「Disaster」
オススメその1。都会的なメロウ・ソウル。Lyleのファルセット・ヴォーカルとバックのサウンドが実に調和しています。

「Fallin'」
オススメその2。Lyleのソウル・ヴァイヴが伝わってくるミディアム・グルーヴ。力んでソウルするのではなく、自然体で歌っている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rjk8XR1TNl8

「Rich」
少しイナたい雰囲気のソウル・チューン。こういうレトロ・ソウル調の曲を臆せず堂々と歌い上げるところがいいですね。

「The Way」
オススメその3。フィリー・ソウル調の軽快なソウル・グルーヴは実にキャッチーです。Lyleのヴォーカルの安定感と声質の良さがよくわかります。ストリングス&ホーン隊も盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UQZMBKuuEdw ※ライブ音源

「Push On」
この曲はソウルというよりロックしています。アルバムの中では多少浮いている感じもします。

「A Thought」
インタールード的なインスト。

「Carry On」
オススメその4。この曲調はBill Withersあたりを思い出します。落ち着きのあるファンキー・サウンドがいいですね。

「Uneven Floors」
ファルセット・ヴォーカルと地声ヴォーカルで2度楽しめるタイトル曲。メリハリのあっていいですね。作者Adam Agatiのギターも活躍します。

「Hit Man」
60年代ソウルへの憧れを感じるヴィンテージ感のある仕上り。こういうレトロ・ソウルを歌っても全く違和感がないところがこの人の実力かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=PKrJdSBlxBU ※ライブ音源

「You Want to Leave」
父Phil Divinskyをフィーチャーした親子共演。じっくり歌い上げるソウル・バラード。父Philのシャウトもなかなかです。

「Serious Web」
オススメその5。ラストは味わい深いミディアム・ソウルで締め括ってくれます。派手さはありまえんがジワジワ伝わってくる感じがいいですね。

なお、僕の保有する直輸入盤帯ライナー付国内仕様にはボーナスCDが付いており、「Disaster」「The Way」「Uneven Floors」の別ヴァージョンが収録されています。

1stアルバム『Traveling Man』(2009年)もCD化されているようです。

『Traveling Man』(2009年)
Traveling Man
posted by ez at 12:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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