発表年:1970年
ez的ジャンル:ネイティヴ・アメリカン系スワンプ・ロック
気分は... :いろいろあるけれど...
今回はユルユルのスワンプ・ロックで決めたい気分!
かなり好きな1枚Jesse Davisの1stソロ『Jesse Davis』(1970年)の紹介です。
スワンプ・ロックを代表するギタリストJesse Ed Davis(1944-1988年)は、コマンチ族の父とキオワ族の母を持つネイティヴ・アメリカン。
LAで後にThe BandのメンバーとなるLevon Helmやスワンプ・ロックの牽引役となるLeon Russellらとの活動を経て、Taj Mahalのグループに参加しマス。
1968年にRolling Stonesが企画・制作した幻のTVスペシャル『Rock And Roll Circus』に出演するために、Taj Mahalらと渡英しEric Claptonらとの親交を深めマス。
そしてClaptonらのバックアップを受けて制作された1stソロが本作『Jesse Davis』(1970年)です。
Eric Clapton、Leon Russell、Gram Parsons、Larry Knechtel、Ben Sidran、Billy Rich、Chuck Blackwell、Alan White等の腕利きミュージシャンが集まり、Delaney Bramlett、Glyn Johnsらもリミキシングやエンジニアとして参加していマス。
その後、『Ululu』(1972年)、『Keep Me Comin'』(1973年)という2枚のソロ・アルバムを発表しますが、1980年代になると目立った活動を聞かなくなり、1988年に43歳の若さで死去しまシタ。
本作はまずはジャケがインパクトありますよね。
くわしくは知りませんがJesseのお父さんが描いたものらしいですね。
僕の中では秀作ジャケのかなり上位に位置するものですね。
そんなジャケの印象も手伝って、ネイティヴ・アメリカンによるスワンプ・ロックってどんな音なんだろう?というのが本作への最初の興味でしたかね。あまりそういった先入観で聴いてはいけないのですが...
実際に聴いてみると、ユルユルでルーズな感じがモロに好みでしたね。
個人的には、スワンプってナチュラルな生き方そのものが反映されているカンジがして好きなのですが、まさにそんなサウンドのアルバムに仕上がっています。
全曲紹介しときやす。
「Reno Street Incident」
このユルユル感がたまりませんね!僕がイメージするスワンプって、このユルさなんですよね。何ともいえない脱力感がホッと心を落ち着かせてくれますねぇ。実に雰囲気があるオープニングです。
「Tulsa County」
タルサの名を聞いただけで、タルそうでいいですな(笑)ほのぼのとしたユルさが大好きですね。Jesseの下手くそボーカルが逆に枯れた味わいがあってなかなかいいんですよねぇ。
「Washita Love Child」
Claptonのギターソロが堪能できるアルバムで一番お気に入りの曲。Claptonファンは絶対に気に入るでしょうね。この疾走感はかなりカッチョ良いですよ!ClaptonとDuane AllmanがバトルするDerek & The Dominos「Why Does Love Got To Be So Sad?」あたりとセットで聴くのが僕のお気に入りパターンですね。
「Every Night Is Saturday Night」
「Washita Love Child」の勢いをそのまま受け継いだこの曲もかなりいいカンジですね。クラリネットなども加わり、ディキシージャズ風の仕上がりもなかなかですね。
「You Belladonna You」
ユルさの中に神聖なムードが漂う奥深い1曲。独断ですが、もしJohn Lennonがスワンプしていたらこんなカンジになったんじゃないかなぁ。
「Rock & Roll Gypsies」
後にJesseがプロデュースするRoger Tillisonの作品。ぼくとつとしたカンジが男気があっていいですね。
「Golden Sun Goddess」
アルバムの中では唯一小洒落た1曲ですね。アルバムの雰囲気にはそぐわない気がしますが、曲の仕上がり自体はかなりいいですね。
「Crazy Love」
ご存知Van Morrisonの名曲のカヴァー。Vanの枯れ具合いとは別の枯れ方ですね。なんか続けてThe Bandが聴きたくなりますね。Van Morrisonバージョンも近々紹介しますね。
Jesseのプレイはさまざまなアーティストの作品でも聴くことはできマス。
主なところを挙げておくと、Taj Mahal『The Natch'l Blues』、『Giant Step』、Leon Russell『Leon Russell And the Shelter People』、V.A.『The Concert for Bangla Desh』、Jackson Browne『Jackson Browne』、John Lennon『Walls And Bridges』、『Rock 'n' Roll』、George Harrison『Extra Texture (Read All About It)』、Eric Clapton『No Reason to Cry』、Rod Stewart『Atlantic Crossing』、井上陽水『二色の独楽』などです。気付かぬうちにJesseのギターを聴いていたという方もいるのでは?
>Claptonファンは絶対に気に入るでしょうね
はい。即気に入りましたっ!
「You Belladonna You」
>もしJohn Lennonがスワンプしていたら…
なるほどです。納得ですっ。
「Crazy Love」
>続けてThe Bandが…
僕はボブ・ディランを思い起こしたのですが、似てると言えば似てますね(笑
>井上陽水『二色の独楽』
デヴィッド・T とともに、知らず知らずのうちに … でした♪
TBさせていただきました。よろしくです!
ありがとうございます。
年を重ねるたびにJesse Davisのユルさが心地良くなってきますね。
確かに井上陽水とJesse Davisは結びつきづらいですよね(笑)
僕も偉そうに書きながら、後からJesseの参加に気づいた作品ばかりです。