発表年:1980年
ez的ジャンル:愛の伝道師系ソウル/ディスコ
気分は... :邪道ですが・・・
今回は愛の伝道師として70〜80年代に大活躍した巨漢の男性R&Bシンガー/プロデューサーBarry Whiteの『Sheet Music』(1980年)です。
Barry White(1944-2003年)はテキサス州生まれ、L.A.育ちの男性R&Bシンガー/プロデューサー/コンポーザー。
10代の頃は少年院に入るなど非行に走りましたが、その後音楽の道を志すようになり、1960年代前半はヴォーカル・グループThe Atlanticsの一員として活動し、その後アレンジャー、セッション・ミュージシャンとして活動する傍らで、ソロ・シンガーとして活動するようになります。
60年代に後半に女性ソウル・グループLove Unlimitedを発掘し、プロデューサーとして彼女たちをブレイクさせたことで、Barry White自身への注目も高まりました。
そして、1973年にはBarry White自身の初ソロ・アルバム『I've Got So Much to Give』が大ヒットし、彼自身が人気アーティストの仲間入りをします。さらにLove Unlimitedと自身のバックバンドとして総勢40名のLove Unlimited Orchestraを結成しました。
こうして70年代から80年代初めにかけてソロ名義、Love Unlimited Orchestra名義で数多くの作品をリリースし、人気アーティスト地位を不動のものとしました。
その間「I'm Gonna Love You Just a Little More Baby」(全米チャート第3位)、Love Unlimited Orchestra「Love's Theme」(全米チャート第1位)、「Can't Get Enough of Your Love, Babe」(全米チャート第1位)、「You're the First, the Last, My Everything」(全米チャート第2位)、「It's Ecstasy When You Lay Down Next to Me」(全米チャート第4位)といったヒットを放っています。
2003年に58歳で逝去。
特に大意はなかったのですが、ブログ開設10年以上が過ぎて、ようやくBarry White作品の紹介に至りました。嫌いというわけではないけど、それ程積極的には聴いていなかった、というのが僕にとってのBarry Whiteです。
低音ヴォーカルの"愛の伝道師"巨漢シンガーとしてのインパクトは大だったし、洋楽など全く知らなかった子供時代に耳にしたLove Unlimited Orchestra「Love's Theme」に惹かれたことも事実ですが、何となくインパクト大の低音ヴォーカルを少し敬遠していたのも事実かもしれません。
数あるBarry Whiteのソロ作の中で最初に取り上げたのが『Sheet Music』(1980年)というのは少し邪道かもしれません。
Barry Whiteのディスコグラフィの中では地味な部類のアルバムかもしれませんが、僕が最も多く聴いているBarry White作品です。アルバム全体のアーバン&メロウな雰囲気と、ラテン/カリプソのエッセンスが散りばめられている点などが僕好みなのかもしれません。
爽快メロウ・グルーヴ「Sheet Music」、メロウ・ディスコ「I Believe In Love」、ラテン・フレイヴァーを楽しめる「Ghetto Letto」、愛の伝道師らしいラブ・ミュージック「Love Makin' Music」あたりが僕のおススメです。
お馴染みGene PageがBarryと共にアレンジを手掛けています。
案外、Barry Whiteが少し苦手な人にフィットするBarry White作品かもしれません。
全曲紹介しときやす。
「Sheet Music」
Barry White/Paul Politi作。愛の伝道師らしいストリングスが栄えるダンサブルなオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=tPFMxCDc7Dc
「Lady, Sweet Lady」
Norman Sallitt作。僕の一番のお気に入り。アレンジの妙が冴える爽快メロウ・グルーヴ。Barryの低音ヴォーカルが軽やかに聴こえるのが僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=DWC9_sGdTcU
「I Believe In Love」
Austin Johnson/Barry White/Smeed Hudman作。このキャッチーなメロウ・ディスコを本作のハイライトに挙げる人も多いかもしれませんね。妖しげな女性コーラスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=QzR6FFZI4xs
「Ghetto Letto」
Barry White/Paul Politi/Vella M. Cameron作。ゲットーの騒音と共に始まるラテン/カリビアン・テイストのミディアム・グルーヴ。Warあたりと一緒に聴きたい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=j27xoSca4OM
「Rum And Coke」
カリプソの歴史に大きな足跡を残したLord Invader(1914-1962年)の代表曲「Rum and Coca-Cola」をカヴァー(Al Stillman/Jeri Sullivan/Morey Amsterdam/Paul Baron作)。開放的なカリプソ・サウンドをバックに、Barryの低音ヴォーカルにもリラックス感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=_vw40kNlkxc
「She's Everything To Me」
Barry White/Bernard Butler作。愛の伝道師の本領発揮!といった感じのラブ・ソングです。低音ヴォーカルでセクシーに迫ります。
https://www.youtube.com/watch?v=zK5kCtyugzE
Diamond D「Words」、Fure Boccamara feat. DJ Tech「Vivo L'hip Hop」のサンプリング・ソースとなっています。
Fure Boccamara feat. DJ Tech「Vivo L'hip Hop」
https://www.youtube.com/watch?v=0ij_VPiQiUc
「Love Makin' Music」
Aaron Schroeder/Jerry Ragovoy作。ラストも愛の伝道師らしいラブ・ミュージックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2Rm_LG5TBRw
Barry Whiteの他作品もチェックを!
『I've Got So Much to Give』(1973年)
『Stone Gon』(1973年)
『Can't Get Enough』(1974年)
The Love Unlimited Orchestra『Rhapsody in White』(1974年)
Barry White, Love Unlimited & Love Unlimited Orchestra『Together Brothers』(1974年)
The Love Unlimited Orchestra『White Gold』(1974年)
『Just Another Way to Say I Love』(1975年)
『Let the Music Play』(1976年)
『Is This Watcha Want?』(1976年)
『Sings for Someone You Love』(1977年)
『The Man』(1978年)
『The Message is Love』(1979年)
『Beware!』(1981年)
The Love Unlimited Orchestra『Let 'Em Dance!』(1981年)
Barry & Glodean『Barry & Glodean』(1981年)
『Change』(1982年)
『Dedicated』(1983年)
『The Right Night & Barry White 』(1987年)
『The Man Is Back』(1989年)
『Put Me in Your Mix』(1991年)
『The Icon Is Love』(1994年)
『Staying Power』(1999年)