発表年:2016年
ez的ジャンル:ジャズ・ミーツ・レゲエ/ダブ+ブラジル
気分は... :クセになるダビー感!
今回はピアノ・ジャズ・ミーツ・レゲエ/ダブなユニットNew Zion Trioの最新作New Zion w. Cyro『Sunshine Seas』です。
New Zion Trioはピアニスト/マルチ奏者のミュージシャンJamie Saftを中心としたピアノ・トリオ。Jamie Saft(1971年N.Y.生まれ)はNew Zion Trio以外にもソロ名義や他のユニットで数多くのアルバムをリリースしています。
1stアルバム『Fight Against Babylon』(2011年)のメンバーはJamie Saft(p)、Craig Santiago(ds)、Larry Grenadier(b)の3名。
その後ベースがBrad Jonesに交代し、2ndアルバム『Chaliwa』(2013年)をリリースしています。
3rdアルバムとなる本作はブラジル、サンパウロ出身のパーカッション奏者Cyro Baptistをゲストに迎え、New Zion w. Cyro名義での作品となっています。
その影響もあって、本作ではレゲエ/ダブに加え、ブラジル音楽のエッセンスが大胆に取り入れられています。その意味ではNew Zion Trioの新しい魅力に触れることができるアルバムなのでは?
また、リーダーのJamie Saftは鍵盤のみならず、ギターやエレクトリック・ベースを演奏しており、そのあたりでもサウンドの幅が拡がっています。
プロデュースはJamie SaftとCraig Santiago。またJamieの奥方Vanessa Saftもゲスト・ヴォーカルで参加しています。
ブラジル色が加わった分、従来以上に間口の広い1枚に仕上がっていると思います。
メロウなダビー感には打ち水のような涼があります。
全曲紹介しときやす。
「BrazilJah」
タイトルの通り、ブラジリアンなメロウネスとレゲエ/ダブが融合したオープニング。このメロウなダビー感は癖になります。
「Chalice Pipe」
本作の特徴であるブラジリアン色が強調されたダビー・チューン。独特のチルアウト感がいいですね。従来のNew Zion Trioのイメージを覆すサウンドかもしれません。
「Mystics」
ジャズ・ミーツ・レゲエ/ダブな仕上がり。ダビー好きの人にはグッとくる演奏だと思います。ここではJamie Saftの哀愁ギターの音色もいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YnpUyA8C8zM
※アルバム収録ヴァージョンとは異なります
「Sunshine Seas」
タイトル曲はJamieの奥方Vanessa Saftをフィーチャーしたポップ&メロウなボッサ・チューンです。サンセット・モードにぴったり!意外な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=28X7JtAqXnM ※ライブ音源
「Growing Grow」
New Zion Trioの本領発揮のピアノ・ジャズ・ミーツ・レゲエ/ダブな仕上がり。Jamieの美しいピアノとレゲエのリディムの組み合わせがNew Zionワールドですね。
「Onda」
エレクトロな電子音とリディムが脳内を侵食します。レゲエ好きの人にはクセになる刺激なのでは?
「Ranking」
ダビー好きにはグッとくる1曲。ダビーな響きがビリンバウのように聴こえるのはブラジリアン色を取り入れた本作ならではなのかもしれません。
「Lamb's Bread」
僕の一番のお気に入りはコレ。美しいJamieのピアノを中心に、ジャズ、ブラジル、レゲエが見事に調和した本作ならではの演奏に仕上がっています。
「Samba Jahmekya」
ラストはタイトルの通り、サンバ+レゲエのミクスチャー。Lucas Santtanaのようなブラジリアン・エクスペリメンタルな音がお好きな人は気に入るはず!
ご興味がある方はNew Zion Trioの他作品もチェックを!
『Fight Against Babylon』(2011年)
『Chaliwa』(2013年)