発表年:1972年
ez的ジャンル:女性R&Bヴォーカル・グループ
気分は... :一花咲かせます!
今回は70年代ソウル作品からThe Blossoms『Shockwave』(1972年)です。
The Blossomsは1950年代から活躍する女性R&Bヴォーカル・グループ。
1960年代前半にはCarolyn Willis、Edna Wrightといった後のHoney Coneのメンバーも在籍していました。
長い歴史を誇るグループであり、50年代後半より断続的にシングルをリリースしてきましたが、アルバムとしては本作『Shockwave』(1972年)が唯一の作品です。
本作におけるメンバーはDarlene Love、Fanita James、Jean Kingの3名。
中心メンバーDarlene LoveはEdna Wrightの実姉であり、映画『バックコーラスの歌姫たち(20 Feet from Stardom)』(2013年)でも大きくフィーチャーされていたので、そちらでご記憶の方も多いのでは?
さて、本作『Shockwave』(1972年)ですが、フリー・ソウル好きの人であれば間違いなく気に入るであろう1枚だと思います。
まずFreda Payneのヒット曲をカヴァー「Cherish What Is Dear To You」とBill Withers作品のカヴァー「Grandma's Hands」の2曲が本作のハイライトでしょう。
続いて、Gene Pageのダイナミックなアレンジが栄えるタイトル曲「Shockwave」、サンプリング・ソースとしても人気のビューティフル・バラード「Just Remember」あたりが注目ですかね。
個人的にはフリー・ソウル好き向けの「Touchdown」、ファンキーな味わいの「Last Call For Love」、しっかり聴かせる「It's All Up To You」あたりも好きです。
Arthur Munson/Joe ReedまたはArthur Munson/Mike Patterson、さらにはThe Paris Brothersがプロデュースを務めています。
ジャケの雰囲気は地味ですが、中身は結構弾けています。
全曲紹介しときやす。
「Touchdown」
Arthur Munson/Joe Reed作&プロデュース。Gene Pageのアレンジが冴えるフリー・ソウル好きの人は気に入るであろうオープニング。女性グループらしく躍動します。
「It's All Up To You」
Adeniyi Paris/Ted McNamara作。女性ヴォーカル・グループとしての実力を堪能するには、こうしたしっかり聴かせる曲も良いと思います。The Paris Brothersプロデュース。
「Cherish What Is Dear To You」
Freda Payneのヒット曲をカヴァー(Angelo Bond/Brian Holland/Lamont Dozier作)。オリジナルは『Contact』(1971年)に収録されています。キュートなFreda Payneヴァージョンも魅力的ですが、よりソウルフルに躍動する本ヴァージョンも負けていません。アナログ・シンセのイントロも印象的ですね。本作のハイライト!
https://www.youtube.com/watch?v=CN5hDuZBaMU
「Moody」
Ekundayo Paris/Robert Staunton作。ポップ・ソウル的な味わいにグッとくるビューティフルな仕上がり。The Paris Brothersプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=zTXfi5VmLGI
「Fire And Rain」
James Taylorの名曲カヴァー。堂々と歌い上げるソウル・バラードに仕上がっています。Arthur Munson/Mike Pattersonプロデュース。
「Last Call For Love」
Adeniyi Paris/Ekundayo Paris作。ファンキーな味わいと実力派グループらしいヴォーカル・ワークのバランスが取れていていい感じです。The Paris Brothersプロデュース。本作の中では地味な扱いですが、かなり好きです。
「Shockwave」
Arthur Munson/Joe Reed作&プロデュース。Gene Pageのダイナミックなアレンジが栄えるパワフルなファンキー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=XD8wsGpMHLo
スチャダラパー feat. Dev Large & CQ「リーグオブレジェンド」のサンプリング・ソースとなっています。
スチャダラパー feat. Dev Large & CQ「リーグオブレジェンド」
https://www.youtube.com/watch?v=NlFQlKNJPcU&spfreload=10
「Grandma's Hands」
Bill Withers作品のカヴァー。オリジナルは『Just As I Am』(1971年)に収録されています。「Cherish What Is Dear To You」と並ぶ本作のハイライト。派手さはありませんが、ジワジワと高揚してくるグルーヴ感と女性R&Bヴォーカル・グループらしいコーラス・ワークがたまりません。Arthur Munson/Mike Pattersonプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=0GYYIMQ1Lw4
「Heartbank」
Adeniyi Paris/Ekundayo Paris作。息の合ったヴォーカル・ワークで盛り上げてくれます。さり気ないですが感動的です。The Paris Brothersプロデュース。
「Just Remember」
Hal Brooks/Pattie Brooks作。イントロが印象的なビューティフル・バラードでドリーミーに締め括ってくれます。Arthur Munson/Mike Pattersonプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=k8WslbGDC7o
Force of Nature「Just Forget」、Charles Hamilton「Supernatural Vacation」、Pekado feat. Shinoflow「Luz De Luna」、Funky Notes「Don't Worry」のサンプリング・ソースとなっています。
Force of Nature「Just Forget」
https://www.youtube.com/watch?v=BNOCEfCziqI
Charles Hamilton「Supernatural Vacation」
https://www.youtube.com/watch?v=OwS7l3acn1I
Pekado feat. Shinoflow「Luz De Luna」
https://www.youtube.com/watch?v=TPFShfHr2dA
Funky Notes「Don't Worry」
https://www.youtube.com/watch?v=ta4XmbTCVuM
中心メンバーDarlene Loveにご興味がある方は、ぜひ映画『バックコーラスの歌姫たち(20 Feet from Stardom)』(2013年)もチェックを!
DVD『バックコーラスの歌姫たち』