発表年:2016年
ez的ジャンル:UKレゲエ
気分は... :まだ夏は終わらない・・・
新作からUKレゲエの新星General Rootsのデビュー・アルバム『Walk Tall』です。
General Rootsは2008年にロンドンで結成されたレゲエ・グループ。メンバーはJames Mckone(b)、Ben Mckone(ds)というMckone兄弟を中心に、Freddy Badoo(Field Marshal Fred)(vo)、The Minister(vo、vibes controller)、Joe Price(g)という5名。さらにSam Ross(key)も準メンバー的な扱いのようです。
2013年に1stEP「The First Attack」をリリース。
これに注目したのがUKレゲエ/ダブの重鎮であり、The Pop GroupやThe Slitsを手掛けたことでも知られるプロデューサー/エンジニア/ミュージシャンDennis Bovell。そして彼のバックアップで2014年に「Sufferer」、「Special」という2枚のシングルを制作しています。この2曲のエンジニアリング/ミックスを担当したのは Prince Fatty 。
そして、満を持して制作されたデビュー・アルバムが本作『Walk Tall』です。
アルバムにはDennis Bovell、UKダンスホールのレジェンドTop Cat、80年代からUKレゲエ・シーンで活躍するドラマー/DJのHorseman、The Slits再結成(2005-2010年)時のメンバーでもあったUKの女性レゲエ・シンガーHollie Cook(元Sex PistolsのPaul Cookと元Belle StarsのJennie Matthiasの娘)等がゲスト参加しています。ちなみにGeneral RootsはHollie Cookのバック・バンドも務めています。Dennis Bovellは4曲のソングライティングにも関与しています。
国内盤にはボーナス・トラック「The Joker」が収録されています。そう、Steve Miller Bandの大ヒット曲のレゲエ・カヴァーです。結果的に、このボーナス・トラックはアルバムのキラー・チューンになっています。
ちなみに「The Joker」のカヴァーを提案したのはIncognitoのリーダーJean-Paul "Bluey" Maunick。
アルバム全体としては、ラヴァーズ、ダンスホール、ダブが程良くブレンドされた気負いのない自然体のレゲエ・サウンドを楽しめます。
たまにレゲエを聴くならば、こんなアルバムがいいのでは?
『Walk Tall』〜Full Album Minimix
https://www.youtube.com/watch?v=adbv8hFNveQ
全曲紹介しときやす。
「The Joker」
いきなり国内盤ボーナス・トラックがオープニング。前述のようにSteve Miller Bandの大ヒット曲のレゲエ・カヴァー。発案者のJean-Paul "Bluey" Maunickがエグゼクティブ・プロデューサーとして関与し、心地よいアイランド・レゲエに仕上がっています。
「Freedom」
Top Catをフィーチャー。少しダークなコンシャス・レゲエに仕上がっています。Top Catがさすがのトースティングで盛り上げてくれます。終盤のダビーな展開もいいですね。
「Little Sun」
開放的な雰囲気が心地よい1曲に仕上がっています。特別なことをやっているわけではないけど、気負わずレゲエ道をまい進しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mAy1AqW6khc
「Fight For Ya Lovin'」
自然体のレゲエ・サウンドに、思わず体を揺らしてしまいます。レゲエ好き以外も楽しめるキャッチーさがあります。
「Special」
2014年にシングル・リリースされていた曲。サマー・モードにピッタリなサンシャイン・レゲエなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=_8BpGSrYHxo
「Wrong Road」
Dennis Bovellをフィーチャー。ダビーなコンシャス・レゲエに、Dennis Bovellの激シブのトースティングが絡みます。後半のダブ全開な感じもグッときます。
「Walk Tall」
タイトル曲は素敵なラヴァーズです。Freddy Badooの甘い語り口のヴォーカルがいいですね。ラヴァーズ
「Sufferer」
この曲も2014年のシングル・リリース曲。王道的なルーツ・ロックにDennis Bovellがダビーなアクセントを加え、メリハリのある1曲に仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=jrWrsvTc_e8
「Out Of Love (Love's End)」
哀愁モードの仕上がり。ロッキン・ギターが哀愁感も増大させます。
「Raver's Delight」
Dennis Bovellをフィーチャー。タイトルだけ見ると「Rapper's Delight」を意識したのかな?なんて思ってしまいました。軽快なリズムにのったDennis Bovellがトースティングがいい感じです。
「Movie Show」
ラストはHorsemanをフィーチャー。このバンドらしいラヴァーズ、ダンスホール、ダブが違和感なく調和している感じがいいですね。
僕の場合、Dennis Bovellの名を聞くと、ついThe Pop GroupやThe Slitsが聴きたくなってしまいます。ご興味がある方はチェックを!
The Pop Group『Y』(1979年)
The Slits『Cut』(1979年)