発表年:1972年
ez的ジャンル:師弟コンビ系ボッサ
気分は... :人生は多難なり?
ボサノヴァのパイオニアの一人であるVinicius De Moraesと名ギタリストToquinhoのコンビToquinho & Viniciusによる名盤『Sao Demais Os Perigos Desta Vida... 』(1972年)です。
Toquinho & Viniciusの紹介は、Marilia Medalhaを加えたスペシャル・ユニットVinicius/Marila Medalha/Toquinho『Como Dizia O Poeta...』(1971年)に続き2回目となります。
1913年生まれのVinicius De Moraesと1946年生まれのToquinho。親子のような年の差ユニットですが、Toquinhoにとっての青春時代のアイドルViniciusとの共演は、師弟のような絆を感じます。
そんな師弟のようなユニットを代表する1枚が『Sao Demais Os Perigos Desta Vida... 』(1972年)です。僕が本作を購入したのは約20年前でしたが、CDショップでエロ・モードのジャケを手にするのが少し気恥ずかったように記憶しています(笑)
イメージとして、Toquinhoのギター伴奏のみのシンプルな"静"のボサノヴァ・アルバムのような印象を受けるかもしれませんが、パーカッシヴなサンバ調の曲や凝ったアレンジの曲も多く、軽快な演奏が魅力のアルバムに仕上がっています。
僕好みの軽快な演奏の「Para Viver Um Grande Amor」や「Tatamiro」、ビューティフルな「Menina Das Duas Trancas」、名曲の誉れ戦い「Regra Tres」、メリハリのあるアレンジが素晴らしい「No Colo Da Serra」あたりがオススメです。
楽曲はすべて作詞Vinicius De Moraes、作曲Toquinhoによるオリジナルです。
初心者も聴きやすく、中級以上の人も飽きさせない間口の広い名作だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Cotidiano No 2」
邦題「日常No.2」。さり気ない日常の中に、Viniciusの人生観が刻まれたオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=uc67KkNF_7M
「Tatamiro」
オススメその1。アフロ・サンバ的なエッセンスも取り入れた開放的な仕上がり。この開放的なパーカッシヴ感はモロに僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=Le72YB7h5LQ
「Sao Demais Os Perigos Desta Vida...」
邦題「人生は多難なり」。Viniciusだからのこその説得力がある哀愁ボッサ。女性を愛して止まないViniciusの生き様が表れています。
https://www.youtube.com/watch?v=PWo5Krl29r8
「Chorando Pra Pixinguinha」
邦題「ピシンギーニャに捧げるショーロ」。ブラジル音楽の父とも称される、ショーロの名コンポーザーPixinguinha(1897-1973年)に捧げられたショーロ。Toquinhoが奏でる美しい音色を堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=4WaubbEUm2U
「Valsa Para Uma Menininha」
邦題「少女のワルツ」。Toquinhoの美しいギターにストリングスが絡む、美しくも切ない1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=5f-T3oUtSHI
「Para Viver Um Grande Amor」
オススメその2。邦題「大恋愛を生きるために」。僕の一番のお気に入り。Toquinhoの軽快なギターとパーカッシヴなリズムが実に心地好いですね。Vinicius先生の恋愛教室といったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=JPodulXLWJs
「Menina Das Duas Trancas」
オススメその3。邦題「お下げ髪の少女」。Toquinhoのギターが美しいメロディを奏でるビューティフル・ソング。フルート&ストリングスによるアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Iy6fKfNOCPg
「Regra Tres」
オススメその4。邦題「三角定規」。タイトルが示唆するように不倫関係を歌った哀愁サンバ調の仕上がり。恋に破れた哀愁モードの疾走感がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=gUsgVqu8XfQ
「No Colo Da Serra」
オススメその5。邦題「山々に抱かれて」。パーカッシヴなスピード感にメリハリをつけた、美しくもスリリングな演奏が魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=1T3gXSQoqJs
「Canto De Oxalufa」
Toquinhoのギターに呪術的なパーカッションが絡むミステリアスな演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CF0b3haH7Wc
Toquinho & Viniciusの他作品もチェックを!
Vinicius/Marila Medalha/Toquinho『Como Dizia O Poeta...』(1971年)
Toquinho & Vinicius『Toquinho E Vinicius』(1971年)
Vinicius De Moraes Avec Maria Creuza Et Toquinho『La Fusa』(1971年)
Vinicius + Maria Bethania + Toquinho『En La Fusa (Mar Del Plata)』(1971年)
Toquinho & Vinicius『Per Vivere Un Gran』(1974年)
Toquinho & Vinicius『Toquinho, Vinicius & Amigos』(1974年)
Toquinho & Vinicius『Vinicius & Toquinho』(1974年)
Toquinho & Vinicius『O Poeta E O Violao』(1975年)
Ornella Vanon - Vinicius De Moraes - Toquinho『La Voglia La Pazzia L'Incoscienza L'Allegria』(1976年)
Tom & Vinicius & Toquinho & Miucha『Ao Vivo No Canecao』(1977年)
Maria Creuza/Vinicius De Moraes/Toquinho『O Grande Encontro De』(1979年)
Toquinho & Vinicius『10 Anos de Toquinho e Vinicius』(1979年)