2016年09月30日

Peter Fessler『Here's That Rainy Day』

4オクターヴを駆使するジャズ・シンガーの編集盤☆Peter Fessler『Here's That Rainy Day』
Here’s That Rainy Day
発表年:2004年
ez的ジャンル:4オクターヴ・ジャズ・ヴォーカル
気分は... :ナイスな編集盤!

今回はドイツ人ジャズ・シンガー/ギタリストPeter Fesslerの90年代の音源による編集版『Here's That Rainy Day』(2004年)です。
※便宜上90年代カテゴリーにしておきます。

Peter Fesslerは1959年ケルン生まれ。

80年代にポップ・ロック・グループTrio Rioのメンバーとして活動した後、1991年にソロ1stアルバム『My Songs』をリリース。その後、今日まで20枚近くのアルバムをコンスタントにリリースしています。

本作『Here's That Rainy Day』Minor Music時代の『Foot Prints』(1996年)、『Colours of My Mind』(1997年)、『Very Close』(1998年)、『On Stage』(1998年)、『Eastside Moments』(1999年)という5枚のアルバムからセレクトした編集盤です。

ジャズを基本にボッサ・ジャズやSSW的な楽曲がバランス良く配されています。

4オクターヴを駆使するヴォーカル・テクニックを持つPeter Fesslerというジャズ・シンガーの魅力を余すことなく伝えてくれると同時に、シンガー・ソングライター的な魅力も楽しめる1枚となっており、かなり満足度高いです。

素敵なアコースティック・メロウ「Remembering」「What Now My Love」、クラブジャズなダンシング・ジャズ「Easier Said Than Done」、スウィンギーに疾走する「Day by Day」あたりが僕のオススメです。

編集盤はあまり好きではない僕ですが、この盤は納得です。

全曲紹介しときやす。

「Your Eyes」
『On Stage』収録曲。Peter Fessler/Paul Shigihara作。Fesslerの素晴らしいヴォーカル・テクニックをライヴで楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=HRemAZ1t20c

「Here's That Rainy Day」
『Colours of My Mind』収録曲。Johnny Burke/James Van Heusen作。ミュージカル『Carnival in Flanders』のために書かれたスタンダードのカヴァー。美しいピアノが先導する小粋なオトナのボッサ・ジャズに仕上がっています。Fesslerのテクニックを駆使しながらもジェントルなヴォーカルがサイコーです。

「Day by Day」
『Foot Prints』収録曲。Axel Stordahl/Paul Weston/Sammy Cahn作のスタンダード・カヴァー。当ブログではAstrud GilbertoBossa RioChris Montezのカヴァーも紹介済です。ボッサな仕上がりをイメージしていましたが、ジャズ・ヴォーカルらしいスキャットとスウィンギーな疾走感が格好良い1曲に仕上がっています。

「Remembering」
『Eastside Moments』収録曲。Peter Fessler/John Mac Nicolas作。彼のソングライターとしても魅力を実感できるアコースティック・メロウ。ここではジャズ・シンガー的なテクニックは封印し、伸びやかなヴォーカルを披露してくれます。僕の一番のお気に入り。

「One Note Samba」
『Very Close』収録曲。Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作。ここではジャズ・シンガーらしいスキャットを駆使して、楽しくJobim名曲を聴かせてくれます。。

「Oh Sonho」
『Eastside Moments』収録曲。Peter Fessler/Theresa Reichert作。ミステリアスなブラジリアン・フォーキーって雰囲気です。

「Wave」
『On Stage』収録曲。Antonio Carlos Jobim作。Jobim名曲をヴォーカル・テクニックを駆使しつつ、エレガントに聴かせてくれます。

「Give Me One More Chance」
『On Stage』収録曲。Amy Antin/Peter Fessler作。SSW的な雰囲気のアコースティック・バラードをしっとりと歌い上げます。

「All the Things You Are」
『Foot Prints』収録曲。Jerome Kern/Oscar Hammerstein II作のスタンダードをカヴァー。1939年のミュージカル『Very Warm for May』のために書かれた楽曲です。ボッサ・ジャズ好きには間違いない1曲。ここではソフト&メロウなヴォーカルに徹しています。

「Just One of Those Thing」
『Colours of My Mind』収録曲。Cole Porter作。1935年のミュージカル『Jubilee』挿入歌として書かれたものです。スタンダード・カヴァーらしい品格のある仕上がりです。ヴァイヴの音色がいい感じですね。

「Nothing but the Truth」
『Colours of My Mind』収録曲。Amy Antin/Peter Fessler作。彼のソングライティングが光る素敵な1曲に仕上がっています。

「Tenderly」
『On Stage』収録曲。Walter Gross/Jack Lawrence作のスタンダードのカヴァーです。当ブログでもClara MorenoJose JamesStacey Kentのカヴァーを紹介済みです。僕の場合、Jose JamesStacey Kentのカヴァーを昨年かなり聴きまくったせいで、この曲自体に愛着が湧いているので嬉しいカヴァーです。Fesslerらしいスキャットで盛り上げてくれます。

「Somewhere Over the Rainbow」
『Very Close』収録曲。E.Y. Harburg/Harold Arlen作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。お馴染みの名曲をジャズ・ヴォーカルならではステキな雰囲気で聴かせてくれます。

「So Danco Samba」
『Eastside Moments』収録曲。Antonio Carlos Jobim作。Jobim作品のカヴァー3曲の中では一番コレが好きですね。

「What Now My Love」
『Eastside Moments』収録曲。Gilbert Becaud/Pierre Delanoe/Carl Sigman作。Sonny & Cherのカヴァーが1966年にヒットしたシャンソン名曲です。ここではシンプルながらも素敵なアコースティック・メロウで聴く者を魅了します。「Remembering」、「Easier Said Than Done」と並ぶ僕のお気に入り。

「Easier Said Than Done」
『Colours of My Mind』収録曲。Amy Antin/Peter Fessler作。クラブジャズ好きの人であれば、小粋に疾走するこのブラジリアン・ダンシング・ジャズがが一番気に入るかもしれませんね。

「Morning Light」
『Foot Prints』収録曲。Amy Antin/Peter Fessler作。ラストは素敵なビューティフル・バラードで締め括ってくれます。

Peter Fesslerの他作品もチェックを!

『Foot Prints』(1996年)
Foot Prints

『Colours of My Mind』(1997年)
Colours of My Mind

『On Stage』(1998年)
On Stage

『Eastside Moments』(1999年)
Eastside Stories

『Signatures』(2000年)
Signatures

『Lovers, Fools & Dreamers』(2005年)
Lovers, Fools & Dreamers

『Landscape Tapestry』(2005年)
Landscape Tapestry

Peter Fessler & NDR Bigband 『I Concentrate on You』(2007年)
Peter Fessler & NDR Bigband - I Concentrante On You (DIGI-PAK) IMPORT (EU)

『Voices on the Stair』(2008年)
Voices on the Stair

『Das mit dir』(2010年)
Das Mit Dir

『Fly!』(2012年)
Fly! by Peter Fessler (2012-05-03)

Peter Fessler & Don Grusin『Quality Time』(2013年)
Quality Time

『Intro da vida』(2014年)
Intro Da Vida
posted by ez at 00:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Peter Fessler大好きです。彼に関する情報はネットに殆ど無いのでとても貴重で楽しく読ませて頂きました。アルバムも入手可能なモノは全部持っています。中でも本アルバムに収録されている Give me one more chance がお気に入りでネット歌詞を探しているのですが見つける事が出来ません。CDの中に歌詞カードがある可能性がありますが、CDは日本、私は台湾赴任しているので確認していません。
Posted by 山下純一 at 2020年07月22日 10:19
☆山下純一さん

ありがとうございます。

オリジナル・アルバム単位で揃えていらっしゃる熱心なPeter Fesslerファンなのですね。

私はこの編集盤のみしか聴いていませんが、機会はがあればオリジナル・アルバムにもトライしたいと思います。
Posted by ez at 2020年07月24日 01:31
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