録音年:1970年
ez的ジャンル:ファンキー&グルーヴィー・ソウル・ジャズ
気分は... :アイデンティティ!
ソウル・ジャズ好きから高い支持を得ているジャズ・アルトサックス奏者Lou DonaldsonがBlue Noteからリリースした『Pretty Things』(1970年)です。
これまで当ブログで紹介したLou Donaldson作品は以下の4枚。
『Alligator Bogaloo』(1967年)
『Mr. Shing-A-Ling』(1967年)
『Midnight Creeper』(1968年)
『Hot Dog』(1969年)
久々のLou Donaldsonです。本作『Pretty Things』(1970年)はレア・グルーヴ方面から再評価が高まった1枚です。
レコーディング・メンバーはLou Donaldson(as、vo)、Blue Mitchell(tp)、Lonnie Smith(org)、Leon Spencer(org)、Melvin Sparks(g)、Ted Dunbar(g)、Jimmy Lewis(b)、Idris Muhammad(ds)です。特にオルガンのLeon Spencerの参加が本作のアクセントとなっています。
アルバム全体としては、ファンキー&グルーヴィーなソウル・ジャズ作品に仕上がっています。少しルーズな雰囲気があるのもいいですね。
Idris Muhammadのドラムが定番サンプリング・ソースとなっている「Pot Belly」、「Sassie Lassie」、「Curtis' Song」あたりが本作の聴きどころだと思います。。
まず聴くべきは、これまで紹介した4枚だと思いますが、それを踏まえて聴くと楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Tennessee Waltz」
Pee Wee King/Redd Stewart作のポピュラー/カントリー・スタンダードをカヴァー。お馴染みの名曲を温かみのあるオルガン・ソウル・ジャズで聴かせてくれます。サラッとした感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=iGsMUXL-2TE
「Curtis' Song」
Leon Spencer作。レア・グルーヴ好きであれば気に入るであろうファンキーなソウル・ジャズ。Donaldson、Mitchell、Sparks、Spencerがコンパクトにソロをキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zoIfcmzxvbI
「Sassie Lassie」
Harold Ousley作。格好良さでいえば、コレが一番かもしれません。少しルーズなグルーヴィー感がたまらなくグッときます。Donaldsonのプレイも絶好調です。SparksのギターとSpencerのオルガンの絡みもいい感じです。
「Just for a Thrill」
Lil Armstrong/Don Raye作。Ray Charlesのヒットで知られる楽曲のカヴァー。ここではムーディーなバラードでDonaldsonのアルトが情感たっぷりに歌い上げます。。
https://www.youtube.com/watch?v=3SMWKtSORfI
「Pot Belly」
Lou Donaldson作。今日的に本作のハイライトといえば、本曲でしょうね。Idris Muhammadが叩き出す印象的なグルーヴは定番サンプリング・ソースとなっています。本作らしい少しルーズな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=b4AiWfInKBU
前述のように、定番サンプリング・ソースとしてお馴染みです。Dr. Dre「Rat-Tat-Tat-Tat」、House of Pain feat. Pete Rock「Jump Around (Pete Rock's Blood Stain Remix)」、A Tribe Called Quest「If the Papes Come」 、Guru feat. MC Solaar「Le Bien, Le Mal」、Main Source「Just a Friendly Game of Baseball」、Ice Cube「Horny Lil' Devil」、Heavy D & the Boyz「Blue Funk」、DJ Cam「Gangsta Shit」、DJ Krush「Roll & Tumble」、The Roots「Grits」、The Pharcyde「4 Better or 4 Worse」、Leaders Of The New School「The End Is Near」、Big Daddy Kane「Let Yourself Go」、Boogie Down Productions「How Not to Get Jerked」、Nicolette「No Government」、The Game feat. Nas & will.i.am「The Ghetto」等50曲以上のサンプリング・ソースとなっています。
A Tribe Called Quest「If the Papes Come」
https://www.youtube.com/watch?v=ToP956kCeA4
Guru feat. MC Solaar「Le Bien, Le Mal」
https://www.youtube.com/watch?v=lDNE8KjQsN0
Main Source「Just a Friendly Game of Baseball」
https://www.youtube.com/watch?v=pFVpeaJLN4A
Heavy D & the Boyz「Blue Funk」
https://www.youtube.com/watch?v=5vw9TUnECHE
The Pharcyde「4 Better or 4 Worse」
https://www.youtube.com/watch?v=q_wmhid_eg4
Leaders Of The New School「The End Is Near」
https://www.youtube.com/watch?v=Zx10_jBQFhs
Nicolette「No Government」
https://www.youtube.com/watch?v=VfByyw768AI
「Love」
Nat King Coleのレパートリーをカヴァー(Milt Gabler/Bert Kaempfert作)。ラストはスタンダード感のあるリラックスした演奏で締め括ってくれます。
Lou Donaldsonの過去記事もご参照下さい。
『Alligator Bogaloo』(1967年)
『Mr. Shing-A-Ling』(1967年)
『Midnight Creeper』(1968年)
『Hot Dog』(1969年)