発表年:1973年
ez的ジャンル:名人ギタリスト系アルゼンチン・ジャズ/ボッサ
気分は... :友との語らい・・・
今回はアルゼンチン人ギタリストAgustin Pereyra Lucenaが1998年にリリースした『Climas』です。
「私のルーツはアルゼンチンにあって、憧れはブラジルにある」と、アルゼンチン人ながらもブラジル音楽に大きく影響を受けたギタリストAgustin Pereyra Lucenaに関して、当ブログで紹介した作品は以下の5枚(発売順)。
『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)
『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)
Candeias『Sambaiana』(1976年)
『La Rana』(1980年)
『Miradas』(1998年)
本作『Climas』は、『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)、Nana Vasconcelosと共演した『El Increible Nana Con Agustin Pereyra Lucena』(1971年)に続く3枚目のアルバムです。
ブラジル音楽の影響を受けながらも、独自の音楽スタイルを模索し始めたのが本作『Climas』であり、ブラジル音楽の枠に収まらない美しいギター・ワールドを楽しめます。
本作のレコーディング・メンバーはAgustin Pereyra Lucena(g)以下、Paulinho do Pinho(g)、Guillermo Reuter(p、g)、Franklin Correa(fl)、Mario "Mojarra" Fernandez:(b)、Jorge Padin(ds)、Carlos Carli(ds、per)、Oscar Alem(contrabass)、Banana(per)、Carlos Guanair(per)、Esnai(per)等です。アレンジはPaulinho do Pinho。
Agustinの美しくも、何処となく愁いを帯びたギターの音色は、紅葉の季節にピッタリだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Pra Que Chorar」
Baden Powell/Vinicius De Moraes作。Agustinが敬愛するブラジル人ギタリストBaden Powellの楽曲をカヴァー。軽やかな中にも透明感のあるギター・アンサンブルに魅了されます。後に『La Rana』でも本曲を再演しています。
「Andorinha」
Antonio Carlos Jobim作。Jobim作品をロマンチックな雰囲気で聴かせてくれます。
「Quem Diz Que Sabe」
Joao Donato作。Franklin Correaの軽やかなフルートが先導するメロウ・ボッサ。美しいストリングスもグッド!
「Te Quiero...Dijiste」
Maria Grever作。1分強の短い演奏ですが、秋にピッタリのギターの音色に魅了されます。
「Pao de Jesus」
Paulinho do Pinho作。派手さはありませんが、Agustinの美しきギター・ワールドを堪能できる素敵なアンサンブルです。
「Algo De Mi」
Agustin Pereyra Lucena作。ジャジーな雰囲気のアコースティック・メロウ。
「Verano Del 42」
Michel Legrand作の「Summer Of '42」をカヴァー。美しいストリングスをバックに、Agustinが素敵な演奏を聴かせてくれます。いささかストリングスが目立ちすぎですが(笑)
「Tomara」
Toquinho/Vinicius De Moraes作。当ブログではVinicius/Marila Medalha/Toquinhoヴァージョンも紹介済みです。緩急織り交ぜながら、Agustinのギターを存分に堪能できる演奏に大満足です。
「Encuentro Casual」
Agustin Pereyra Lucena/Guillermo Reuter作。メロウという点では本作随一のメロウ・ボッサ。キャッチーな聴きやすさもあります。
「Pra Dizer Adeus」
Edu Lobo/Torquato Neto作。Oscar AlemのコントラバスとAgustinのギターが織り成す美しくも寂しげな音世界に魅了されます。
本曲に関して、当ブログではEdu Lobo & Maria Bethaniaのヴァージョンをはじめ、Luciana Souza、Maria Bethania、Sebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriquesヴァージョンも紹介済みです。
「Espontaneo」
Agustin Pereyra Lucena作。ラストはパーカッシブなアフロ・ブラジリアンな演奏で締め括ってくれます。
他のAgustin Pereyra Lucena作品もチェックを!
『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)
『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)
Candeias『Sambaiana』(1976年)
Agustin Pereyra Lucena Quartet『La Rana』(1980年)
『Puertos de Alternativa』(1986年)
『Miradas』(1998年)
『42:53』(2009年)