2007年06月10日

The Jam『The Gift』

The Jam最後のスタジオ録音作☆The Jam『The Gift』
The Gift
発表年:1982年
ez的ジャンル:The Jam終結宣言
気分は... :最後のギフト...

久々のThe Jamです。

4thアルバム『Setting Sons』(1979年)、3rdアルバム『All Mod Cons』(1978年)に続く三回目の登場は、6枚目のアルバムにして、最後のスタジオ録音作『The Gift』(1982年)デス。

多くの方が指摘している通り、本作『The Gift』Paul WellerのR&Bをはじめとするブラック・ミュージックへの憧れが前面に押し出された作品です。そこにはエネルギッシュなビートの効いたロックを演奏するネオ・モッズ・グループとしての面影は殆どありません。

音楽的にもホーンセクションやキーボードなどを大々的に導入しており、3ピース・バンドとしてのグループの必然性はあまり感じられません。

だからこそPaul WellerはJamを解散させ、Style Councilへ向かったのでしょうね。

こうやって書くとビミョーな印象を受けられるかもしれませんが、いいアルバムであることには変わりありません。

Style Councilがお好きな方には、そのプロトタイプ的な作品として楽しむことができるでしょうし、R&B好きの人はそういった視点から聴くのも面白いと思いますね。

個人的には、ちょうどロック一辺倒の洋楽ライフからR&B/Soulの領域にも守備範囲を広げた時期に、このアルバムをリアルタイムで聴きまシタ。その意味では、当時の僕の気分にかなりジャスト・フィットしていた作品でしたね。

本作ではすっかり影の薄くなったBruce FoxtonRick Bucklerですが、ジャケ写真のRick Bucklerの姿がガニ股でえらくカッコ悪く、ここだけはインパクトありますね(笑)!逆にPaul Wellerは内股で女の子走りになってますね♪

オススメ曲を紹介しときやす。

「Happy Together」
オープニングは、最初はビートの効いたロックと思いきや徐々にR&B色の強い展開に...でも少し翳りのある仕上がりはJamらしいかも?

「Precious」
この曲は思い切りCurtis Mayfieldしてますね。今の僕の音楽嗜好から言えば、ホーンセクションが彩りを添え、シャカシャカのカッティングギターが聴けるこの曲がアルバム中一番好きですね。

「Just Who Is The Five O'clock Hero」
この曲は既にStyle Councilしていますね。キャッチーなポップ・ソングです。

「Trans Global Express」
♪パッパッパ♪パッパッパ〜♪というJamらしいコーラスが聴こえますが、リズムすっかりモータウンしてますね。Stevie Wonder「Uptight」あたりとマッシュアップしたくなりますよね。

「Running On The Spot」
この曲もかなりカッチョ良いですな。R&B色は強いけど従来のJamらしさも残っており、その意味ではJamならではの音になっているのでは?

「Circus」
本作中唯一Paul Weller以外の作品(Bruce Foxton作)。その1曲がファンキーなインスト・ナンバーというのも皮肉な気がしマス。何故か昔から「Precious」、「Town Called Malice」と同じくらい強く印象に残る曲ですね。

「Planner's Dream Goes Wrong」
なんとカリプソ風の仕上がりデス。あまりJamとカリプソは似合わないと思いますが(笑)

「Carnation」
アルバムで一番シリアスな雰囲気が高いミディアム・ロック。ソロになってからのPaul Wellerの雰囲気に近いかもしれませんね。

「Town Called Malice」
説明不要の大ヒットシングル(全英チャートNo.1)。「悪意という名の街」という邦題もインパクトありましたよね。リアルタイムで聴いたときにはこのカッチョ良さに相当シビれまシタ。今聴くと完璧Diana Ross & The Supremes「You Can't Hurry Love」なんですけどね(笑)

偶然にも、同じ1982年にPhil Collins「You Can't Hurry Love」のカヴァーを大ヒットさせましたよね。そう言えば、当時カセットに2曲続けて録音し聴いていた記憶がありますね。

「The Gift」
案外見逃されているけど、かなりイカした仕上がりのタイトル曲。「Town Called Malice」がSupremesならば、この曲はMartha Reeves & The Vandellasに通じるカッチョ良さを持っていますよね。

本作の後、「The Bitterest Pill」「Beat Surrender」という2枚のシングルを発表し、The Jamはその歴史に幕を閉じマス。
posted by ez at 00:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このアルバムが出た頃は「やった!」と思いました。
そのあとさらに桁違いの「やったーー!!」に続くんですが
でもこれは忘れられないですよねー。
まさにプロトタイプという感じ!期待通りの展開だったので嬉しくて仕方なかったです。
初期のJAMもかっこいいんですが、変貌していく様が実にかっこよかったなあ。
Posted by けん at 2007年06月10日 04:16
☆けんさん

ありがとうございます。

僕もこの変化は大歓迎でしたね。
ただし、この後あっけなくJamが解散したことには愕然としてしまいましたが(笑)
まぁ、この潔さこそがPaul Wellerという人の格好良いところなのでしょうね。
Posted by ez at 2007年06月11日 05:24
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